表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元就の野望~全国版~。わたしはガチャを駆使して補佐します  作者: 那田野狐
第8章 京に掛かる暗雲編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/278

第1話 安芸は晴れ京に掛かる暗雲

1524年(大永4年)9月下旬


 秋雨前線を刺激しながら台風が収獲前の周防長門を直撃。大雨と暴風のダブルパンチに農作物が甚大な被害を受けた。


「ただでさえ今年の春先の遠征で農作業が滞ってるのに・・・大内領は飢饉に疫病待ったなしだな」


 服部半蔵さんにお願いしていた報告を聞きながら、俺は呟く。


「仕掛けるかね?」


 司箭院興仙さんが、リバーシ―を前にうんうん唸りながら俺の呟きに応じる。ちなみにリバーシ―の相手は今川貫蔵さん。貫蔵さんはリバーシ―が大好きで、俺と対戦することも多いのでそれなりに強い。


「まさか。うちの名前で食料を支援でしょう」


「うはっ、えげつないのぉ」


 興仙さんが口の端を上げて悪い顔をする。ここ数年の大内氏の西へ東への遠征は、領民に多大なる負担を強いている。実際そんなことをすれば、大内氏は大変困ったことになるだろう。


「むろん勝手に援助するんじゃろ?」


「まさか!ちゃんと殿の許可は取りますよ?さしあたっては稗や粟でしょうね」


 ちらりと半蔵さんを見ると、半蔵さん小さく頷いてくれる。どこに支援すれば効果的か調べて来てくれるだろう。


「貫蔵は時期を見て義興を非難する流言を周防で、煙蔵は筑前と豊前で不安を流してください」


「御意」


 すっすっと、世鬼煙蔵さんと貫蔵さん、半蔵さんが目の前から消える。行動が速くて助かる。


「さて、欧仙。これで西は当分こちらを見る余裕がなくなる。そろそろ京に行ってみんか?」


「ああ、そろそろ殿に官位を下賜して貰わないといけません・・・ねぇ?」


 不意に「京」「疫病待ったなし」が引っかかった。慌ててタブレットを取り出し【ノセタラダマクラカスの大予言】という怪しげなアイコンをタップしてアプリを起動させる。


「【予言】1525年(大永5年)って、天然痘が大流行かも」


 暫く見ないうちに一段と曖昧な表現になってるな・・・天然痘。治療法は対処療法。感染後でも3日以内であればワクチン接種で重症化が防げる。予防は馬痘の膿を採取して人体の傷口に接種する方法が有効。うんうん。早めに気付いて良かった。


「欧仙。お主ガチャ箱以外にも面白いものを持っとるの?予言書のようなモノか?」


 そこには、菩薩のような慈愛に満ちた興仙さんの顔があった。幸いというか興仙さんの目には、タブレットは単なる白い石板に見えるし、俺から借りることも操作する事も出来なかった。神認証というやつだろうか?

 それでも字が表記されたり鮮明な地図画像が画面に映るのは面白いらしく、興仙さんの京にある庵とか色々な場所を見せるようリクエストされる。ゴッドアイアースの表示は西は薩摩の桜島。東は甲府の富士山。北は朝鮮半島から明の沿岸を見ることが出来るからね。オオカミたち頑張ってるな・・・(明と朝鮮半島沿岸が見えるのは俺が直接出向いているからだけど)

 【ノセタラダマクラカスの大予言】というアプリは解り易く言えばウィキ〇ディアに乗っている次の年に起きる自然災害情報だ。タップすればその年の自然災害情報が予言の形で表示される。

 積極的に報せてくれる訳ではないので、1年前なので見るのを忘れたり見ても忘れたりする。うんダメなやつ。


「天然痘というのは、分かりやすい言葉で言えば疱瘡だ。それが1年以内に大流行。ただ馬や牛が罹る疱瘡の膿を接種すると予防できるし症状を軽くできるし治せる」


「疱瘡が治療できるじゃと・・・それは凄い事じゃぞ」


 俺の説明に興仙さんが鼻の穴をピスピスしながら言う。そういえば僧籍だったね。


「今からでは間に合わんかもしれんが、早速疱瘡に罹った馬や牛を探さねば!」


「あ、興仙。我が領で疱瘡対策はすでに2年前からしているぞ(※第4章第6話)」


 興仙さんの目が点になる。そう。貫蔵さんと煙蔵さんがうちに来たころ山陰で盛んに牛が飼われていること知った時から手を打っていたことだ。


「はあ?、んん、ああ、あれか、節分の時に参加者の印と称して二股針で傷を付けてたアレか!」


 どうやら思い出したようだ。まあ、流行病対策ですと説明する訳にはいかなかったからなぁ。


「ならすぐに京に行くぞ」


「おちつけ興仙。我らの手は大きくないぞ。出来ることからだ」


「おおぅ儂としたことが。すまん」


 興仙は大きく3度深呼吸をして頭を下げる。

 問題は大流行を抑え込めるほどワクチンの数が足りない事と病気が発生しないとワクチン接種の手段がないことだよなぁ。

 京は応仁・文明の乱以降、場所によっては荒れに荒れてるから寺社の炊き出し制度を利用する手もあるか・・・本願寺派の抑え込みも視野に入れよう。


これも戦国モノでは定番の天然痘。抜けや間違いがあるwiki頼みとはいかないので

「天然痘対応指針」(厚生労働省)

(https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/j-terr/2004/0514-1/index.html)

も参考にしていきます。

wiki参考も記載した方が良いのかな(今更感)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ