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元就の野望~全国版~。わたしはガチャを駆使して補佐します  作者: 那田野狐
第6章 石見平定(大内派一掃という意味で)編

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第3話 高橋氏を蹴散らして元就さまが来た俺のところには九州から大きな馬が来た

閲覧・感想・ポイント評価・ブックマーク・誤字報告ありがとうございます

1523年(大永3年)11月下旬


 敗走する高橋興光の軍を追って、元就さまが兵7000を率いて石見(島根西部)琵琶甲城に入った。俺と口羽広良さんの兵も合流している。俺たちの軍が高橋軍の背後が突けなかった。予想以上に高橋軍の潰走が早かったからだ。

 一方、安芸(広島)国内の高橋領は井原元師さんが率いる軍が攻め落とすか城主が無血開城することで一掃されたそうだ。領地を明け渡した領主の中に、今川貫蔵さんと世木煙蔵さんがいたのは言うまでもない。

 で、このふたりを俺の配下にすることは、すでに元就さまに了承を得ていたので、すぐに一族郎党を率いて畝方村に移住して貰っている。畝方村は今年の増産で米だけで260石まで増えているので、ふたりをそれぞれ20石と銭50貫文で召し抱えることにする。半蔵さんもそちらに合わせて加増だ。春までに畝方村の衛星村として、服部村、今川村、世木村が新しく興る予定。

 なお俺の初めての部下である甘草定純は畝方村の領主代行として、間壁近純は三入高松城の城将として銭80貫文で召し抱えている。彼らは元農民だったけど小作で養う家族もいなかったこともあり土地に固執していないから銭で抱えられることに違和感はないそうだ。

 しかし、米だけで畝方村で260石、矢滝城城下で462石。その他雑穀で1089石。私鋳銭や銀山経営といった商業だけで得られる収入はそろそろ500石を越えそうだ。思えば俺の領地もデカくなったなぁ。

 収入の大半は、温泉津港や寂れた漁村の整備拡張に集中的に投資している。漁村は造船基地として整備、第2乾ドックの建設も始まっている。温泉津港はいずれ近畿と九州の海上輸送の中継地点だけではなく、中国との直接の貿易港として機能させるべく港の拡張工事が始まっていた。


-☆-


「畝方さま。博多より取り寄せました日向(宮崎)馬です。牡馬が一頭牝馬が三頭になります」


 御用商人である萩屋文左衛門が四頭の馬を連れてやって来た。

 戦国時代の騎馬隊というと、映画やテレビなどの映像イメージから物凄くカッコイイというイメージがあるかもしれないけど、映像で使用されるのはサラブレットで、サラブレット自体は17世紀から18世紀にかけてイギリスで生まれた品種。

 日本の戦国時代の馬のメインは古墳時代に中国から輸入した蒙古系馬、現在の規定からというと肩までの高さが147cm以下のポニーに分類される種類だ。まあ、ふれあい系の動物園の定番であるポニーの姿を想像しない方が良いかもしれないけどね。


「大きな馬ですな」


 桂広澄さんが目を大きくして感嘆の息をはく。なにしろ文左衛門が連れてきた馬の大きさは四頭とも肩までの高さが160cm近く。毛利氏が保有するどの馬より頭ひとつ以上は高い。(日向馬は現在では絶滅した在来の中、大型種の一種だと言われていて、本作では大型種としています)

 もっとも170センチを超える現代のサラブレットを知ってる俺からするとこの馬でも小さく感じるんだけどね。


「馬は春から畝方村の方で繁殖する予定だけど、それまでは好きに乗ってください」


「それは誠ですか?」


 今川貫蔵さん世木煙蔵さん服部半蔵さんの忍び幹部トリオが謎の小踊りをする。乗馬は武士のステータスだからなぁ・・・。

 なお、高橋氏から毛利氏(厳密には畝方氏)の家臣になった貫蔵さんが、今川貫蔵近政、煙蔵さんが世鬼煙蔵政近。半蔵さんが服部半蔵保近と俺の「近」の字を諱に付けて改名している。


「馬の子供は順調に行っても2年後だろうけど、うちに優先で回すから乗馬技術は熟達しておくように。あとは任せました」


「「「はっ!!」」」


 三人がスキップしながら馬を引いて馬屋の方に歩いていった。


「文左衛門殿。お幾ら?」


「はい四頭で36貫文に」


 文左衛門はニコニコ手を擦りながら応える。結構お高いが、送料込みだと安い・・・のか?


「三郎四郎。小切手を」


「はっ」


 最近小姓として政務に従事することがある謎の出雲商人の孫こと尼子三郎四郎くんが、持っていた鞄から金箔銀箔を押した天狗の絵(天狗の絵は司箭院興仙さんが描いたものを版画にした)ものを押した和紙を4枚取り出す。

 この紙は小切手のようなモノ。寧波の乱の顛末を聞いたときに仕組みを取り入れて作ってみたのだ。

 4枚の勘合符に壱拾貫文、壱拾貫文、壱拾貫文、六貫文と書き入れて文左衛門に渡す。使用できるのは矢滝城城下で物資を保管している取り引き所だけ。

 身分証明のための割符とこの勘合符があれば、金が無くても額面の取り引きできる仕組みだ。無論換金もできる。

 額が1枚壱拾貫文なのはテスト段階だから。紙幣の導入は印刷と偽造防止の観点からまだ早いと思っている。そのへんは文左衛門とも話し合っていて合意している。

 金貨銀貨は重量で価値が変動しなきゃ便利なんだけどね・・・

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 煙蔵さんと半蔵さんは「近」の字が後にきてるが特に深い意味はないのですよね?
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