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元就の野望~全国版~。わたしはガチャを駆使して補佐します  作者: 那田野狐
第25章 元就さま武家の頭領へ編

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第2話 京とその周辺地域の経済活動の活性化の一翼

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逍遙院 → 三条西実隆

- 1539年(天文8年)1月 -

ー 山城(京都府南部) 施薬院 -


 世間的に俺は、今は亡き逍遙院さんの最後の高弟ということになっているらしい。俺も逍遙院さんもお互いが年の離れた悪友って感じで、俺が京いるときには良く連んでいたというのが正しい気もするけど、逍遙院さんの弟子と呼ばれる人達には、たまに贈り物(主に酒)差し入れる事もあって、俺を最後の高弟だと認めているんだろうね。

 あ、そう言えば逍遙院さんと共に茶七道という茶道の新派を興したのも原因のひとつかもしれない。茶七道というのは、青茶(ウーロン茶)、緑茶、黄茶(煎茶)、紅茶、黒茶(代用コーヒー)、麦茶、茶外茶(それ以外)を加えた七種類のお茶をお茶請けとともに楽しむというものだ。

 もっとも、茶七道自体は、主上と公卿衆。それと臥茶七曜で曜の別名を持つ幹部の人達の間でしか流行っていない。これは、俺が西国から大陸、東南アジアの流通を完全に押さえていて、各種茶葉からお茶請けとなるお菓子の材料。そしてお菓子の作り方まで管理しているからなんだけどね。



「あけましておめでとうございます(意訳)」


 臥茶七曜の一人である狩野元信さんとその子供である狩野宗信くん、狩野秀頼くん狩野直信くん三兄弟それと狩野元信さんが優秀と認めた五人のお弟子さんが頭を下げて新年の挨拶をする。


「あけましておめでとう(意訳)」


 こちらからも挨拶。狩野元信さんは、今年から俺の口利きで摂津の大坂城の大広間の襖絵を手掛けるので、その挨拶。それと尾張(愛知西部)の斯波氏・織田氏連合が毛利氏に臣従した事で美濃(岐阜南部)守護職への返り咲きの芽が完全に潰えた土岐頼芸さんが、逃避生活中に嗜んだ絵画の道へと進むと言うので、その指導をして貰うようにお願いする。

 次に狩野三兄弟のうち狩野秀頼くんは、結婚で独立することの報告。狩野直信くんと五人のお弟子さんは、敷地内にある展覧堂に出展する作品の提出。今年のお題は干支の亥と無病息災だ。ちなみに展覧堂というのは、これまで施薬院に奉納された美術作品の数々を一般の人々にも観覧出来る様に敷地内に建てられた建物の事で、出展と言うのは、俺が知っていてまだ世に出ていない芸術家の卵達に、逍遙院さんの伝手を利用して、資金の援助と発表の場を与えていたのを、京に住む全ての芸術家を目指す者達へと開放したもの。

 後の世で名を上げるであろう芸術家の卵というのには既に目を付けて接触しているので、勝算の高い博打なんだけど、実はもう一つ目的がある。この時代、史実では貨幣の圧倒的な不足によって一度は貨幣経済が破綻したというのは、過去にも触れたと思うけど、これは京での貨幣経済の安定化の為の貨幣のばら撒き政策なのだ。貨幣経済って、金を使う人もどんどん増やしていかないと直ぐ死ぬからね!

 そして狩野宗信くんだけど、以前から密かに進めていた源氏物語五帖「若紫」の二次創作を絵巻物(漫画)で刊行するという計画の重要なお話し合いをするんだ。生前の逍遙院さんと酒盛りしたとき、若紫と光源氏の性別を入れ替えるって話で妙に盛り上がったんだよね・・・

 一応、内裏女房が羅生門で拾った孤児を自分の好みの若武者に育てて最後には・・・って設定にしているけど、脚本は逍遙院さんと逍遙院さんの次男で次期臥茶七曜の一人で源氏物語の奥義継承者もある三条西公条さんの監修が入っている。

 こうして動き出した漫画源氏物語の五帖異伝「若紫」だけど、後日計画発表前に臥茶七曜内で行った絵コンテの品評会で、最終章で主役二人のくんずほぐれつの肉弾戦(かなりソフトな描写)に松永久秀さんの琴線が激しく触れたらしく、少し間をおいてくんずほぐれつの肉弾戦(かなりハードな描写)バージョンが作られて、低俗な桃色草子(エロ本)として建仁寺の自天清祐さん(先代は龍崇さん)を筆頭に宗教界やインテリな文化人から無茶苦茶怒られるのだけど、活版印刷で大量に印刷されて京とその周辺地域の経済活性化の一翼を担う事になるのだが、それは別のお話。

 しかしエロ力(えろぢから)って・・・スゴイよね。

臥茶七曜の幹部の変遷と現順位

畝方元近、司箭院興仙、山科言継、武野仲材→狩野元信、三条西公順→(長らく空位)→松永久秀、建仁寺の常庵龍崇→建仁寺の自天清祐、逍遙院→三条西公条(予定)

基本地位は死ぬまで務める。順位は所属年数。

建仁寺は毛利元就の甥である毛利幸松丸が出家し毛利氏が京に進出した際にお世話になったときからの縁。

作中の若紫のネタ誰かやってるよね?

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― 新着の感想 ―
[一言] >京に住む全ての芸術家を目指す者達へと開放したもの。 >後の世で名を上げるであろう芸術家の卵というのには既に目を付けて接触しているので  名を上げられなかったどころか筆を持つ機会さえなかっ…
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