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元就の野望~全国版~。わたしはガチャを駆使して補佐します  作者: 那田野狐
第19章 巨大な小豆袋編

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第6話 欧仙!ダイオワンは確かにあったぞ!!

閲覧・感想・ポイント評価・ブックマーク・誤字報告ありがとうございます

大変遅くなりなしたが本年もよろしくお願いします


1535年(天文4年)7月


 - 京 山城(京都南部) 施薬不動院 -


「欧仙が言ってた通り、琉球(沖縄)より南に台湾(ダイオワン)はあったぞ」


 1年の準備期間を経て、半年前に南方貿易路の開拓船団に同行した、司箭院興仙さんが日に焼けて真っ黒になって帰ってきた。


「とりあえず島の北側に建設する湊の基礎工事は完了した」


 司箭院興仙さんは豪快に笑いながら一枚の地図を広げる。台湾(ダイオワン)の北東部。いまでいう深澳漁港のあたりに×印がしてあるのが見える。


「じゃが、これ以上の開発を推し進めるなら人と防衛戦力が足りん。倭寇だったかの?それだけに眼は良いらしい」


 聞くと、司箭院興仙さんが奥地に探検に行ったときに港に倭寇の襲撃を受け、陸揚げしていた物資のいくつかを奪われたらしい。


「希望は?」


「うむ。兵と農民の分離を推し進めている最中に軍屯はしたくないのじゃが、まあ軍屯兵500と市杵島級(小型キャラック)の戦闘艦1隻。あと汎用ゴーレムがもう1体欲しいの」


「軍屯兵は畿内の牢人を中心に募集をかければ1,000は集まるでしょう。市杵島級(小型キャラック)1隻も問題ない・・・しかしゴーレムは」


 司箭院興仙さんの要求が叶えられるかどうか、ゴーレムの貸し出し一覧帳を取り出しパラパラとめくる・・・

 うん。現存するゴーレムたちは建設中の大坂城や二条城。安芸(広島)から摂津(兵庫南東部から大阪北中部)。伊予(愛媛)から讃岐(香川)。土佐(高知)から阿波(徳島)。讃岐(香川)から阿波(徳島)の間の道路や田畑の整備に1年先まで予定が入ってる。


「興仙殿。残念だがゴーレムは1年先まで予定がミッシリです」


 そういってゴーレム貸し出し一覧帳を司箭院興仙さんに渡すが、司箭院興仙さんは中身を見ることなく差し戻して来る。


「なに。書類を出して認可が出るまで時間があるじゃろ?なら儂のガチャ運で新しいゴーレムが出ることに賭けるまでよ」


 司箭院興仙さんは実に・・・実にいい笑顔で連日ガチャ権を要求してくる。まあ、それで台湾(ダイオワン)のしょく、もとい開拓指揮に邁進してくれるのなら安いものだ。


「で、今日のぶんはどうします?」


「なに?今日の分があるのか?」


 司箭院興仙さんの眼がきらりと光る。ちなみに涙ではない。


「興仙殿からは先触れがありましたからね。今日の分はとってあります」


「おお、それは有り難い。なら、れありてぃを上げに堺の街に行ってみんか?」


 司箭院興仙さんはにっこりと嗤った・・・


 ・・・

 ・・

 ・


 台湾(ダイオワン)開拓のための要望書をさらさらと書きあげ、毛利領内の内政を審議する内閣と金庫番である財政部と軍屯実施の説明のために軍務部に提出すると、摂津大坂城の進捗状況を視察するといって京を出立する。

 各部署の根回しはしなくていいのかって?資金は一般から出資を募る形だし人員募集は畿内で賄う。許可がいるのは船とゴーレムだけど、許可するかどうかの判断は俺だから多少の無理は押し通せるだろう。多分。


施薬大輔(おやじ)殿。少し時間をよろしいでしょうか?」


 軍務部の尼子詮久くんが、東郷重朝さんを引き連れてやって来る。


「スミレに稚児ができた」


 尼子詮久くんの顔がいきなりデレる。でも確か史実だと長子は夭折するんだよね。させんけど。


「そうか、でかした。これで尼子宗家も安泰ですね」


「まだ稚児が男と決まった訳ではありませんぞ」


 東郷重朝さんが苦笑いして指摘する。とは言っても多少の年代違いはあっても性別に関していえばほぼ史実通りなんだよね。

 だから尼子詮久くんの第一子は多分男の子。


「で、何の用です?」


「実は先ほど京極中務少輔殿の家臣で上坂治部大輔信光を名乗る男がこの手紙を。あ、これは控えなので、施薬大輔(おやじ)殿がお持ちください」


 そういって尼子詮久くんは懐から手紙を取り出して俺に渡す。京極中務少輔というと先代京極氏の当主である京極高清さん。上坂信光は京極高清さんの最側近で専横が酷くて尾張(愛知西部)に追放されていたはずだ。


「内容は知ってる?」


「現当主である京極飛騨守の追放のため軍を支援して欲しいということです」


 京極飛騨守というのは京極高延さんのこと。まあ飛騨守は自称だけどね。


「ああ、まだ根に持っていたのか」


 思わず苦笑いしてしまう。京極高清さんと京極高延さんは実の親子だけど、京極高清さんが家督を次男である京極高吉さんに譲ろうとしてお家騒動に発展した過去がある。

 どうやら細川晴元の斡旋で、浅井亮政さんともども和睦をしたようだけど、完全に鎮火したわけじゃなかったようだ。

 まあ、和睦を斡旋した細川晴元が失脚したのだからこれ以上従う謂れはないということだ。


「ふむ・・・」


 俺は手紙を読み進める。どうやら京極高延さんが、土岐次郎改め土岐頼純の味方として美濃(岐阜南部)の内乱に参戦するようだ。

 これは京極高延さんの母親の親族である斎藤利良という人物が、土岐頼純の父である土岐頼武の側近だったという縁からの要請らしい。

 で、京極高清さんは後詰めの兵を出すふりをして、京極高延さんの居城である上平寺城とその麓にある京極氏館を攻め落とすつもりらしい。


「見返りは・・・衣川城の譲渡?えらく気前がいいな」


「はい。あまりの気前の良さに裏があると考えています」


「判った。御伽衆の腕利きを潜らせるよう指示を出しておく」


「よろしくお願いします」


 尼子詮久くんは小さく頭を下げた。

年末に2軒隣が本能寺まって

大掃除の際に電灯の直撃を受けて左足の指二本を圧迫骨折

親戚の葬儀はあるわ気力削られまくりの年末年始でした

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― 新着の感想 ―
[一言] 地図で深澳漁港を探したら台北の東の金瓜石山の麓近くで、金瓜石山の金鉱山の開発や台北の町作りにも便利な港ですね。 海辺の平地は倭寇の根城が多く、内陸の山地には首狩り族の原住民がいるので開拓には…
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