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元就の野望~全国版~。わたしはガチャを駆使して補佐します  作者: 那田野狐
第17章 東国で邂逅編

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第11話 信英が(武田信虎の元で)活躍しなかった事情

「ああ、後でお前のチートも教えてくれよ?俺が貰ったのは・・・」


 そういって小山田虎親は女神ヘラから貰ったチートを教えてくれる。そしてチート能力でも女神ヘラの不手際が判明する。

 小山田虎親の貰ったチートはズバリ四属性+聖属性の魔法。そうファンタジーご用達の魔法だ。これに鑑定とアイテムボックスの便利スキル。ただ、ファンタジー世界なら便利なチートだが、この世界は日本の戦国時代である。四属性+聖属性の魔法なんて駆使したら即天狗さま案件である。・・・あれ?そういえばうちにもひとりいるな天狗さま。帰ったら聞いてみよう。もしかしたら魔法使いかもしれない。


「なんというか小山田の嫡男であるより忍者として武田や長尾に仕えていたほうが、東日本での領土拡大に寄与してたかもしれない。この時代の妖術使いの忍者なら鳶加藤がいるだろ」


「いやいやいや。この時代の忍者なんて滅私奉公してても、上に疑われたら真っ先に斬られるポジションだろ」


 俺の指摘に小山田虎親が首を振る。


「うちはそんな扱いはしないがなぁ」


 毛利氏では御伽衆(にんじゃ)のトップに俺がいて、元就さまや他の家臣の間に入っている。なので、恐らく後世の歴史書に毛利氏の忍者として名を残すのは今川貫蔵さん世鬼煙蔵さん服部半蔵くんの三人だけだろう。


「ぐぬぬ。どうやったらそこまで登りつめるのやら・・・」


 小山田虎親が悔しそうに唸る。


「お前と違って、雇われてすぐに戦で手柄を挙げてるからな」


 毛利氏存亡の戦で敵の総大将を討ち領地の拡大までやってのけたのだから当然だ。まあ、当時の元就さまは安芸(広島)のいち国人の更にその分家の頭領で人手が不足していて、傭兵だった俺にも食い込む余地があったからなんだけどね。


「くっ。それは小山田氏(うち)も同じだろ」


「上が甲斐(山梨)の守護職の時点で同じじゃないだろ。というか台詞が逆になってね?」


「そう言われればそうだが・・・で、お前のチートは?」


「ガチャとネットだな。ああ、グー〇ルマップもあったか。ガチャは良いぞ。いろいろと便利グッズがでる」


 俺は、ガチャで出た良いモノを指折り数えて教えていく。小山田虎親は、「そりゃあ狡いだろ」と呟きながら膝から崩れる。なんだか色々と申し訳ないので、アイテムボックスの中にあったアルコール度数のかなり高い芋焼酎が入った壺を渡す。当然酒盛りに突入だ。


「そう言えば甲斐と武蔵(東京、埼玉、神奈川の一部)にあるコンクリートの構造物はどうやって作ったんだ?俺にはネットの知識とゴーレムがいたから苦労しなかったが」


「ああ、コンクリートはお前の領地にあるやつを盗ませて貰った。一欠けらでもあれば、俺の鑑定で材料から造り方まで判るし、材料があれば俺の土魔法であっという間に作れるからな」


 小山田虎親がなんか物凄くチートなことを言ってるので、彼の持つ魔法についてもう少し突っ込んだ話を聞いてみる。


「そうだな・・・火種」


 小山田虎親がぼそりと呟くと、右手の掌の上に青白い蛍のような炎が浮かぶ。青白いという事は火はかなりの温度があるということだ。そして球を投げるように青白い蛍を投げる。浮かんだ青白い蛍はそれなりの距離を飛んで消える。火の次は水。そして土、風。大きさにあわせて種、礫、珠、壁、嵐に分類されるらしい。ちなみに回復は微、小、中、大、全快があって、小山田虎親は全ての魔法を4段階まで習得しているという。


「もう。正体隠して鳶加藤になっちゃえよ」


「それだ!って、太郎さまの命を狙って失敗し斬首されたヤツになれる訳ないだろ!!」


「どうもありがとうございました!」


 小山田虎親はバンと俺の胸を手の甲で叩く。それは見事なタイミングでのノリツッコミ。


「では俺も俺のチートを見せてやろう」


 俺はアイテムボックスからガチャ箱を取り出す。デモンストレーションだから傍目に見ると、とても恥ずかしい謎の踊りもしない。なのでごく自然にボタンを押す・・・


 ガチャ、ゴト。


 SR ハデス 極麿カレー ×5


 何かに物凄く気を使ったパチモノ臭いネーミングのパッケージだが、パッケージに使われている写真からして間違いない。これは間違いなく市販のカレールーだ。


「よし。まずは俺に寄こせ。鑑定で材料から造り方までマニュアルに書き起こして見せる」


 小山田虎親がカレールーの再現を試みたいという意図を理解して俺は小さく頷いて極麿カレーを一つ渡す。


「判った。俺の方は野菜はタマネギとあとサツマイモだが芋を用意しよう。肉は牛でいいか?」


「マジか。毛利は牛肉が喰えるの・・・ああ、そういえば天然痘のワクチンを作ったんだよな」


 どうやら小山田虎親は天然痘のワクチン開発に牛が必要なのを知っているようだ。ただ、俺がいま保有している牛肉は現代のような食べるために肥育したものじゃないのが残念なところ。

 数日後、帰国する俺たちのために開かれた宴の席で、俺は牛肉を使ったカレーを武田信虎さん一家に振舞ったのだが、とても喜ばれたことを記しておく。

この章終わり章の名称詐欺ですな変えようかな・・・

次章はyakiuti(仮)


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