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カタクリズム:中編  作者: ウナ
烏合の讃歌
50/72

5章 第26話 神の奇跡

【神の奇跡】







ジーンと第2位階フルーレティは、

状況が刻々と変わる中、じっと睨み合っていた


燃え盛る聖都の熱は増すばかりで視界は揺らぐ

炎や熱の耐性を持つ悪魔フルーレティはジーンを見下ろしながら、

辺りの悪魔の反応が消えてくのを感じていた


だが、彼女は特に何も思わない

今回引き連れてきた悪魔たちは自分の部下ではあるが、

純粋な悪魔である彼女に仲間を思う感覚は無いと言っていい


彼女の中にあるのは主たるベルゼビュートへの愛だけなのだ

悪魔は愛を知らない、故に彼女は愛を求める


愛する主の望みを叶えるため、今すべき事を考えていた

目の前にいる悪魔王アスタロトの器は確保すべきだろう

殺しても構わないが、もし中の存在が本気を出したら、

自分では到底敵わないのは明白だ


人間という下等生物を器にするなどどうかしている

フルーレティは悪魔王アスタロトを嘲笑う


悪魔の肉体とは不滅とも言えるエネルギー体だ

仮に肉体的に死を迎えようと、魔素さえあれば復活できる

悪魔の身体は魔素で構成されている、完全なる生命体とも言えるのだ


それを自ら枷に囚われる人間を器にするなど、

デメリットしかない行為ではないか


確かにこちらの世界に魔素は少なく、

世界を満たしているのは魔力だ


魔力は悪魔にとって毒ともなりえるものだが、

だからといって悪魔王という存在がその程度で死ぬなどありえない

やはりメリットというメリットは感じられない


先の大戦で悪魔王アスタロトが討たれ、

三大悪魔王の一角が消えて6000年以上は経っただろうか

その間、魔界は大きく変わったのだ


アスタロトの派閥は息を潜め、悪魔王シャイターンは相変わらずだ

事実上ベルゼビュート様が魔界を支配してくださっている

今更アスタロトが出て来ても邪魔なだけだ


「純粋な悪魔ですらない王など」


フルーレティは考えが口から出てしまい冷静になる

どうやら想像以上に自分はアスタロトを嫌っているらしい


その感情が主であるベルゼビュートを想ってからなのか、

単純に自分自身がそう思っているのかは分からない

分からないが、主のためならいいな……と彼女は思った


その時、配下の中でもそれなりの力を持った悪魔が2体殺される


片目はジーンを捉えたまま、もう片方の目でそちらを見る

1箇所は火柱が上がっているのですぐに分かったが、

もう1箇所は建物に隠れて見通すことは出来なかった


だが、配下の力が消えるのを確かに感じた

徐々に消耗するでもなく、一瞬で消える感覚だった


この街には思ったより手練がいるようね


僅かに関心すると同時にこのまま動かないのは愚策かと考える

そして、彼女の頭部に咲く黒く大きな花が動き出す

ゆっくりゆっくりひらき、目に見えないほど小さな粒子が散る


「パンデモニゥムの花からは逃れられない」


・・・・・


・・・



イエルが巨大な悪魔ブエルを倒す少し前……

サラとシャルルを影から狙う悪魔がいた


悪魔の名はアサック、第5位階の悪魔だ


アサックの身体は丸く、手足が3本ずつある異様な姿である

だが、アサックの異様さはそこだけではない

頭部が無いのだ……その代わりと言った風に身体に目が幾つもあった


サラとシャルルの働きを危惧したアサックは、

36体の下位悪魔を仕向けたのである

しかし、その策は失敗に終わり、

このままではフルーレティに殺される、と焦ったのだ


そして、自らサラとシャルルを見つけ出し、

確実に殺せる機会を伺っている


火災は広がり続け、今では街を飲み込む勢いだ

2人のハーフキャットは逃げ遅れた人はいないか、

生存者はいないかと自慢の耳で探し回っているが、

炎の音で声はかき消され、思うようにいかなかった


彼女達は人の気配に集中している

そのため、燃え盛る炎の中に潜む悪魔には気づいていない

アサックは火への耐性を持つため、炎の中に潜んでいたのだ


その時、サラの耳がぴくぴくっと反応をし、音の方へと向く

そちらを指差してシャルルも無言で頷いた


2人の意識が音の方へと集中した瞬間、

アサックは炎から飛び出し、一直線にシャルルの背後に迫り、

手に持つ魔器ヴラフォスを振りかぶる


ヴラフォスは赤黒い岩石で出来た鉤爪である

それを3本の手に持ち同時に切り裂くのだ


サラとシャルルが気配に気づき振り向くと、

鉤爪はもう目の前へと迫っていた


避けられないッ!


シャルルは咄嗟に頭を庇うように両腕を動かすが、

ヴラフォスはその程度で防げるような鋭さではない

サラも腰の剣に手を伸ばすが、どう考えても間に合わない


しかし、アサックの奇襲は失敗に終わった


サラとシャルルの視界を黒い影が2つ通り過ぎる

左右からアサックを挟み込むように、だ

その漆黒の影を目にした2人は、彼を思い出す


『シルトさんっ!?』


『シルさんッ?!』


刹那、アサックの3本の腕と、幾つかの目は潰され、

緑とも茶色とも言える血が吹き出し、もがき苦しむ


そこへゆっくりと近づいて来る2つの影だった者、

赤狼の2人は互いのアーティファクト武器に魔力を流し込み、

何度も何度もアサックの身体を突き刺していた


サラとシャルルは勘違いした事に僅かな恥ずかしさと、

それ以上の寂しさを胸に秘めながらお礼を口にする


「任務ですので」


バイザーを上げたオズワイドは淡々とそう言い、

悪魔の血で汚れた剣を、懐から取り出した紙で拭き取る

まるで汚物でも眺めるようなその瞳は、唾でも吐きそうな勢いだ


「お怪我はありませんか?」


ラングリットはバイザーを上げ、

目元しか見えないが、分かるよう微笑んでいる

彼は剣を振る事で血を飛ばし、剣を鞘へと収めていた


対照的な2人を見て、どこか自分達を重ねてしまう

サラとシャルルは互いの顔を見てクスッと小さく笑っていた


「ありがとね! アタシはシャルル、水の巫女だよッ」


「……ありがとう…ございます」


サラの控えめなお礼と、シャルルの元気いっぱいの自己紹介に、

ラングリットとオズワイドもまた互いの顔を見てしまう

彼らもまた自分達を重ねて見たのかもしれない


それと、水の巫女である事を口にした途端、

2人の態度は明らかに変わった


「これは失礼致しました、巫女様とは知らずに」


「無用なことを致しました、申し訳ございません」


赤狼の2人は膝をつき、頭を垂れる

その畏まった態度が苦手なシャルルは、

大慌てで2人の前にしゃがみ込み


「待って待って、そういうのいいから!」


彼らの顔を上げさせてから、すっと立ち上がる


「アタシは感謝してるし、そんなかしこまらないでいいよ」


そう言うシャルルの笑顔は不安で曇った心を一瞬で晴らす

赤狼の2人は、こんな巫女もいるのだな、と思うのだった


思えば死の巫女も気取っていない、

親しみやすい空気を持った女性だった


巫女とは神の右腕であり、神にも等しい存在と言われている

だが、自分たちが思うより、巫女とは普通なのかもしれない


しかし、それはそれ、これはこれだ


身分というものが違いすぎるため、

赤狼の2人には気軽に話しかけるなど出来はしない

幼少期より彼らは身分というものを徹底的に叩き込まれているのだ


ラングリットは顔を上げて改めて水の巫女を見ると、

彼女に見慣れぬ大きな耳と尻尾が生えてる事に気づく


亜人……? いや、半亜人か……ん、待てよ


半亜人の水色の髪の魔法使いと桃色の髪の剣士、

その特徴に彼は思い当たる人物がいる


「もしや……」


思わず口から漏れた言葉にシャルルの耳はピクッと動く

彼女は大きな瞳で真っ直ぐ見つめ、言葉の続きを待っていた

このまま言葉を引っ込める訳にもいかず、

ラングリットは失礼を承知で聞いてみる事にした


「もしや、お二人は……ハーフブリードなのですか?」


ハーフブリード

ラルアース地方の誰もが知っている1等級冒険者チームだ

その名を聞いて一番反応していたのは隣にいるオズワイドだった


「ハーフブリード"様"……だと?」


オズワイドはチーム名に様をつけている

そう、彼はハーフブリードの大ファンなのだ


しかし、ラシュフォードの家から離れる事の出来ない彼にとって、

ハーフブリードとは吟遊詩人の謳う大英雄であり、

下民の憧れの存在であり、希望の星だった


「うん、そうだけど?」


シャルルは当然の事のように答えてしまう

その態度から事実である事が明確に伝わってくる


憧れの存在は唐突に目の前に現れた


現実を上手く飲み込めず、あわあわとするオズワイド

そんな彼を落ち着かせようとラングリットは背中を撫でていた


「では、では、シャルル・フォレスト様と、

 サラ・ヘレネス様で間違いないのですか?」


興奮気味のオズワイドは手を震わせながら聞いてくる


「そうだけど、様はやめてよ、気持ち悪い」


「……うん」


シャルルは苦笑しながら少しばかり照れていた

サラは……何とも言えない微妙な距離を取って頷いている

噂通り、男が大の苦手なようだ


「ほ、本物だ……本物のハーフブリード様だ」


オズワイドは涙すら流して喜んでいる

だが、鎧の手では涙を拭く事も難しく、

諦めた彼は流れるままに涙を流していた


「では、他のメンバーの方も近くに?」


ラングリットが聞くと、サラが頷く


「おお、シルト殿の剣をこの目で見れるやもしれないのか」


その瞬間、サラの表情が一気に曇る

シャルルも「あ~」と声を漏らしながら頭を抱えていた


なにかマズい事を言ったのだろうか


ラングリットがそう思っていると、

シャルルが困り顔でぽつぽつと話し出す


「ん~、今はちょっといないの

 シルさんは用事で別行動してるんだ」


「そうでしたか……それは残念ですね」


ラングリットは素直な思いを口にすると、

サラは俯き、腰の剣をそっと撫でていた


む? これは、またマズい事を言ったのだろうか


どうしたものかと考えていると、

横にいたオズワイドが興奮気味にサラへと近寄る


「へ、ヘレネス様!」


「え、あ、はい」


サラは3歩後ずさる

近寄る前よりも離れた気もするが、そんな事はどうでもいい


「是非、少しばかりでいいので剣を交えていただきたい」


オズワイドは深く頭を下げる

突然のことにサラが動揺していると、代わりにシャルルが口を開く


「今はダメ! 人命救助が先!」


「くっ……分かりました

 では、事態が収拾したら必ず」


それなら、とシャルルがサラを見ると、

彼女も小さく頷いていた


随分長居してしまった事に気づき、

サラがシャルルの服を引っ張って合図すると、

シャルルは頷き、赤狼の2人に別れの挨拶をする


「じゃ、アタシたち急いでるからー!」


「助けてくれて……ありがとう」


2人のハーフキャットは走り出す

オズワイドはその後姿を余すことなく目に焼き付けていた


「やはり只者ではないね

 見ろ、あの動き、尋常ではないぞ」


ひょいひょいっと瓦礫を避け、

この足場の悪い場所を常人が全力で走るよりも早く進んでいる


「あぁ……あれが伝説の1等級か」


自分たち赤狼もまたそれなりに名は知られているが、

ハーフブリードの足元にも及ばないのは確かだ


「見た目はただの少女なのだがな……」


ラングリットは燃え盛る街に消えた彼女たちの実力を、

この目に出来なかったのだけが惜しいと考えていた


「何がただの少女だ、アレは"化物"の類だぞ」


オズワイドがそんな事を言い面食らう


「お前、ハーフブリードのファンじゃなかったのか?」


「当然大好きさ、だからだ

 だからこそ、彼女達の実力を理解している

 あれは少女なんて可愛いものじゃない、

 人のそれから外れている化物ってやつさ」


ラングリットにはイマイチ彼女たちの実力が理解出来ず、

そこまでなのか? と問いたくなるが、

彼が言うのであれば間違いないだろうと納得することにした


赤狼の2人は再び歩き出し、魔力を感じる方へと足を運ぶ

早くこの事態を収拾し、ハーフブリードと剣を交えるのだ

自然と胸は高鳴り、踏み出す足は軽く感じる

それは、この重い甲冑すら軽く感じるほどだった


・・・・・


・・・



「さぁ、こちらへいらっしゃい」


小綺麗な格好をした高齢の紳士が手を差し伸べる

その手を握るのは5歳程度の少年だ

少年に続き、少女、少年、少年、少女、幼女……


次々と子供たちが紳士の手を取り、

崩れかけた建物から姿を現す


綺麗に真っ白に染まった髪の紳士は、

子供たちを助け出し、引き連れて歩き始める


「君たちは大変運がいいのですよ

 これもすべて神の思し召し、感謝するのです」


若干押し付けがましいが、

命の恩人とも言えるこの老人に子供たちは従う


子供たちは戦争孤児"だった"


それもこれも過去のことである

今は地の巫女マルロによって衣食住を与えられ保護されている

だが、この騒乱により建物は崩壊し、

外に出ることすら出来ず、死を待つだけだったのだ


そこへ現れたのが先程の老人……いや、紳士


彼は中級の地の魔法で瓦礫をどかし、

死を覚悟していた子供たちを助けたのだ


「おじいさんは魔法つかいなの?」


「えぇ、神の奇跡を少しだけ分けていただいてます」


「へぇ~」


怒ると怖そうだけど、とても穏やかな、優しそうな老人

それが子供たちが感じた紳士への第一印象だった


この紳士の名はジョージ・マッケンジーという

元々は商人だったが、野盗に襲われ殺されかけた時、

たまたま落雷が野盗へと命中し助かった男だ


そのたまたまを運命だと決めつけ、

神の力だと感謝し、今では熱心な信者となっている


ジョージの右腕には雷が描かれたかのような痕がある

雷を近くで受け、右腕の一部が黒紫色に変色したのだ

これを彼は聖痕と呼んでいる


「さぁ、皆さん、はぐれないように」


挿絵(By みてみん)


ジョージが手を引き、子供たちは安堵した

魔法使いの大人がついていてくれるなら安心だ、と

実際、ジョージの魔法により安全に移動する事が出来ていた


一行は教会へと向かっている

子供たちの家は城壁側だったのでまだまだ道のりは遠いが、

この人がいるなら大丈夫、そう思えるほどジョージは優しかった


このまま行けば助かる、そんな希望が見え隠れし始めた時、

元はパン屋だった瓦礫の山から1体の悪魔が姿を現した

悪魔の口は大きく、子供など一飲みだろう


その大口は腹についている

図体の割に頭は小さく、ネジ曲がった角は片方折れている

大人の女性を片手で引きずっており、

もう片方の手には鉈のような刃物が見えた


一瞬で恐怖が支配する

見たこともない化物が目の前に現れ、

引きずられた人間はピクリとも反応しない


あれは、明確な死を伝えてくる


自分もああなる、食われる

そう思った瞬間、喉の奥から酸っぱいものが込み上げ、

両目の視界はぐにゃりと涙で歪む


「下がっていなさいっ!」


ジョージが手で子供たちを制し、すぐに詠唱を始める


「神よ、私めに力を……この者たちを守る力を……」


精神統一し、魔力を最大限まで練り上げる

ジョージは中級3章までの地の魔法が使える

彼は商人であったため、熱心に魔法の勉強はしなかったのだ


だが、奇跡を体験してから猛勉強し、

何とか中級3章までの魔法を手に入れていた


「降り注ぐ雹のごとく」


飴玉より一回り大きい程度の石が降り注ぐ

殺傷力は人間にはあったかもしれないが、

相手は下級とは言え悪魔だ……効くはずがない


うざったそうに鉈で石を防ぎ、

なかなか止まぬ石の雨に苛立ち始め、

右手に掴んでいた女性をジョージへと放り投げる


腕を掴まれていた女性の肩ははずれ、

腕もあらぬ方向に曲がっている


飛んでくる女性が妙にゆっくり見え、

自分が極度の緊張状態なのだとジョージは理解した


だが、その状態が幸いし、

ギリギリのところで女性の身体を避ける事が出来た

どしゃっと嫌な音を立てながら転がって行く


子供たちから悲鳴が上がるが、

流石にこの状況で後ろを見る余裕はない

かと言って、今の状況を打破できる策は無かった


諦めかけた……だが、ジョージは諦めなかった


「私には神がついていてくれる」


口に出すだけで勇気が希望が湧いてくる

険しくなっていた表情は穏やかに戻り、

ジョージは魔法を詠唱する


「藁よりも、木よりも強い、石の壁よ」


厚み3センチほどの石壁が現れる

彼はそれを何度も何度も作って悪魔の進行を妨害していた


流石に魔法を連続で使いすぎ、片膝をついた時、

あれほど頑張って作った壁など無かったかのように、

呆気なく壁は崩れ去り、悪魔はジョージの目の前に立っていた


「神よ……お助けください……ッ!」


ジョージは目を瞑る

それは、死を覚悟した者がするものとは少し違う

彼は心底信じているのだ、神という存在を、力を、その奇跡を

そして、彼は目の当たりにする


再びの奇跡を……


悪魔が鉈を振りかぶると同時に、

悪魔の頭部がぐしゃりと音を立てて潰れる

飛び散った悪魔の血が全身に降り注ぎ、

ジョージの小綺麗な服は汚れてゆく


おそるおそる目を開くと、

悪魔のいた場所には幅2メートル近い円柱型の石柱がそびえ立つ


「お……おぉ……神よ」


ジョージは涙を流して両膝をつく

祈りのポーズのまま天を仰ぎ、歓喜した


「大丈夫ですか」


幼い声が聞こえる

天を見ていたジョージは目だけでそちらを確認すると、

そこには神の側近たる地の巫女の姿があった


「おぉ、おぉぉぉ、巫女様!」


悪魔の血により汚れきった彼は、

そんな事を気にせずマルロに駆け寄ろうとする

だが、マルロが手で制し、彼は再び両膝をついた


「無事なようですね……子供たちも……よかった」


少女の安堵する声が漏れると、

子供たちがマルロの姿を見つけ、その表情はパッと明るくなる


「マルロおねえちゃん!!」


「マルロおねーちゃーーんっ!」


子供たちが駆け寄り、そのまま抱きついてくる

その勢いに倒れそうになるが何とか堪え、

マルロは1人1人の頭を撫でる


「無事でよかった」


慈愛に満ちたその笑顔に、子供たちも釣られて笑顔になる

そんな様子をつまらなそうに眺めている人物がいた


ベリンダ・ポープ


風の巫女である彼女は、ふわふわと中空に浮き、

マルロに群がる子供たちを見ていた


何よぉ~、わたしにはぁ~、あんな顔見せてくれないのに~


子供たちと笑うマルロの表情は、

ベリンダへと向けるものとは全く違うものだった

それが少しだけ、そう、ほんの少しだけ不満だったのだ

そのベリンダを見たジョージの目が丸くなる


「ま、まさか……神なのですか」


人が浮いているのだ、それは驚くのも無理はない

しかし、冷静になればすぐに分かることだ

本物の神は遥か頭上にいるのだから


ジョージも神々が来ている事には気づいている

だからこそ自分の死を恐れなかったのだ

神々が必ず守ってくれると疑わかなったのだ


実際、神の右腕たる巫女が自分を助けたではないか、

やはり神は私を守って下さっている

そう確信したジョージは満面の笑みで天を仰ぐ


「あぁ、神よ……感謝致します」


全ては神の定めた運命、ジョージはそう確信している

ならば、自分は神に報いらねばならない

これほどの恩を返せるとは到底思えないが、

それでもやらねばならない、それこそが自分が生きる意味なのだから


マルロとベリンダという2人の巫女と合流した一行は、

この騒乱の中心、教会へと向かう


その先に待つのは悪魔の首領、第2位階フルーレティ

そして、悪魔王アスタロトことジーン・ヴァルター


この火災では出口まで戻るより、

安全な教会に避難した方がいいのは空から見て分かっていた

だからこそ、悪魔の首領がいるそこへと向かわねばならない

マルロは子供たちを見てから手に持つ黒曜石のワンドに力を込める


今度こそ……失わない!


その決意の眼差しに、ベリンダは胸がざわつくのを感じていた

期待、好奇心、恐れ、複雑な感情が押し寄せ、

彼女はそれを処理し切れず、考えるのを放棄する


ただ、マルロについて行けば楽しめる

それだけが今の彼女の原動力だった




全ての歯車は規則正しく間違い続ける




今回のオマケは大放出(単に溜まってただけとも言う)

現パロも含んでいますが気にせずに!!




ハロウィン絵1枚目「ヴァンパイア・エイン」

挿絵(By みてみん)




ハロウィン絵2枚目「シルト&シャルル」

挿絵(By みてみん)




一番おっきなベリンダさん

挿絵(By みてみん)




一番イケメソなオエングス君

挿絵(By みてみん)




サラちゃんミリタリーシャツワンピース

挿絵(By みてみん)




ラピとエペタム(夏)

挿絵(By みてみん)




シルトとエインの筋肉の違い

挿絵(By みてみん)




落書き

挿絵(By みてみん)




サラちゃんと夜景

挿絵(By みてみん)




リリムさんの爪切り

挿絵(By みてみん)




珍しく笑顔なサラちゃん

挿絵(By みてみん)




ラングリットとオズワイド

挿絵(By みてみん)




シャルルと海

挿絵(By みてみん)




ユェトゥーという亜人

挿絵(By みてみん)




サラちゃんと海

挿絵(By みてみん)




本当はまだまだあるのですが、こんなもんでやめときます!w

更新が遅れているお詫びって感じです\(^o^)/

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