153話 古城へ向かって突き進め
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「どきなさい雑魚共!」
デスサイズを振り回し立ちはだかる魔物たちを両断する。
「どいて魔物さん!」
「こっちは時間がねぇーんですよ!」
ミラもハンマーで魔物を粉砕し、マルタも氷の斬撃で敵を斬り刻む。
アタシ達は今、魔物の暴走を止めるためダンジョンコアがある古城を目指し、立ちはだかる魔物を蹴散らしながら全速力で廃墟の町を駆けていた。
「アルテナさん! 前から黒スケルトンの軍団が来ますよ!」
マルタの言う通り、前方から道を埋め尽くすほどの黒スケルトンたちがカラカラと骨を鳴らしながら進軍してくる。
数は多すぎてわからない。
けれど、それがどうしたっての?
「何百匹来ようが問題ないわ! 喰らいなさい!『爆炎剛速球!』」
魔力を凝縮した丸い火炎弾を野球のピッチャーのようにぶん投げ、黒スケルトンの群れに炸裂させ一気に十数体をぶっ飛ばす。
「まだまだ行くわよ! おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!」
さらに連続して火炎弾を着弾させ、黒スケルトン達の骨を焼きながら吹き飛ばしまくる。
そして炸裂音と、骨のカラカラ音が響き渡る中、最後の一匹まで焼き尽くした。
「よし、全員ぶっ飛ばしたわ! 先に進むわよ!」
「うん!」
「はい!」
散らばった骨に気を付けながら先を急ぐ。
「それにしてもアルテナさん、いきなりそんな飛ばして大丈夫ですか? 途中で体力や魔力が切れたら元も子もないですよ?」
走りながらマルタがそんな事を聞いてくる。
「ふ、アタシを舐めんじゃないわよ。まだまだ余裕があるわ」
「うわー……マジで化け物ですね。ギルマスと戦ったらどっちが上でしょうね?」
「ちょっと、何でそこで変態筋肉が出てくんのよ?」
「だって元Aランク冒険者ですからね。私も歯が立たないほど強いんですよ」
「なんですって!?」
あいつそんなに強かったの……!?
いや、以前あいつに捕まった時抜け出せないほどパワーがあったのは確かだけど……。
「知らなかったんですか? そうじゃなきゃあんな変態がギルドマスターやれるわけないじゃないですかー」
「あんたが言うと説得力あるわね」
「失礼ですね! 私は真面目にお仕事してますよ!」
「いつも受付で暇そうにしてんじゃないの!」
「アルテナ様! う……うさぎのお姉さん! お化けが上にたくさんいるよ!」
「「え?」」
ミラに言われて上を見ると、さっきアタシを襲った青白い半透明の幽霊の大群がアタシ達を囲んでいた。
「げ!? 確かレイスだったっけ!?」
「取り憑かれたらだめですよ! 生気を吸い取られます!『霜刃波!』」
「聖水だよ! えーい!」
取り憑こうと襲いかかってくるレイスに対し、マルタが氷の斬撃を飛ばし、ミラが聖水の瓶を投げまくって対抗する。
でもやっぱり数が多く、捌き切れていない。
「アルテナさん! 早くなんとかしてください!」
「分かってるわよ!」
ここも私の魔法で全員ぶっ飛ばすしかない。
「よし、ミラ! 盾を出して上に向かって構えなさい!」
「わかった! クリスタルシールド!」
ミラが大盾を収納から取り出し構えたのを見て、あたしは両手を天高く上げ、詠唱を始める。
「業火よ、天に昇りて敵を穿て! 太陽炸裂!」
両手の先に自分の倍以上ある炎の弾を作り出し、空に向け撃ち出した。
「よし、盾の下に隠れるわよ!」
「え、何でですか?」
マルタがきょとんとしている間に、盾の下に隠れる。
「マルタ、あんたも早く隠れないとレイスごと吹っ飛ぶわよ」
「はい!?」
マルタもあわててミラのクリスタルシールドの下に逃げ込む。
その瞬間、空に打ち出した炎の弾からカッ! と輝く閃光が漏れ出し、巨大な爆発を起こした。
「うわー!?」
ドカーン! と激しい爆発でマルタが悲鳴を上げるが、ミラのクリスタルシールドの陰に隠れていたおかげで、何とか爆発から身を守ることに成功した。
「ふ、どう? 全員吹っ飛ばしたわよ」
レイスどころか周りの廃墟も全部吹っ飛んでここら辺更地になったけど、まあ問題はなし。
「ふ、どう? じゃねぇですよ! 私達もろとも消し飛ばす気ですか!? 寿命が縮みましたよこの脳内爆発系女子!」
「脳内爆発系女子ってなによ!? 良いじゃない全部吹っ飛ばしたんだし!」
「良くねぇですよ! ミラちゃんはどう思うんですか!?」
「ひぃ……! び、ビックリしたけど、やっぱりアルテナ様すごいなって……」
ミラがあたしの背中に隠れながら答えるのを見て、なんかマルタが頭を抱えて悶絶し始める。
「わー!! ミラちゃんアルテナさんに優しすぎますよコノヤロー! そしていい加減私の事慣れてくださいってばー!」
なにやってんだかこのクソうさぎは。
「ほら、さっさと先に進むわよ!」
「う、うん!」
「ああもう、わかりましたよ! 古城までもう少しです!」
さらに魔物を蹴散らしながら先へ進み、アタシ達はとうとう古城の前までたどり着く。
「ふ、案外近かったわね」
「探索なしで全速力ならそりゃ近いですよ」
「ふーん。でも……」
まだ高くそびえたつ古城の一番上まで行かなきゃならない。
おまけに、大きく開かれた古城の入り口の前には、何やら意味ありげな広い庭のような空間が存在し、アタシ達はいったん立ち止まる。
「クックック、何か起きそうな予感ね」
ゲームで言えば何かイベント戦でも起きそうな場所に少しニヤつく。
「不吉なこと言わないで下さいよ。ていうか何でちょっと楽しそうなんですか!?」
「アルテナ様! うさぎのお姉さん! 早く行かなきゃ!」
ミラに急かされ、アタシ達は広場に足を踏み入れる。
すると、広場全体に魔法陣が出現し、中から大量のリビングアーマーが現れた。
「お、おっきな鎧のお化けがたくさん出たよ!?」
「ふ、やっぱり来たわね」
「だから何で楽しそうなんですか!?」
しかも、それじゃ終わらない。
リビングアーマーたちが左右に分かれると、中央から漆黒の馬に乗った三体のデュラハンが現れ、アタシ達の前に立ちはだかった。
「デュラハン……しかも三体ですか。ヤバいですね、今までのとは格が違いますよ」
「ふん、『爆炎剛速球』!」
デュラハンに向け火炎弾を投げつけるが、デュラハンは手に持った槍で火炎弾を軽く空に弾き飛ばす。
弾かれた火炎弾は空で爆発し、むなしく消えていった。
「なるほど、確かに雑魚じゃないようね」
「あらあら、どうするんですかアルテナさん? まさかの打つ手なしですか?」
アタシの魔法が効かなかったのを見て、マルタが笑みを浮かべながら挑戦的な態度でそう言ってくる。
「まさか。そういうあんたこそ怖気づいてるんじゃないでしょうね?」
「ありえません。この程度で怖気づくなら、ハナから着いてきてないですよ」
そういってマルタは腰の刀を握りしめ前に出る。
「ミラ、あんたは大丈夫? 下がっててもいいわよ」
「ううん、大丈夫。ミラも戦うよ!」
ミラもハンマーを構え決意を込めた表情で前に出る。
ふ、どうやら二人とも気合は十分のようだ。
アタシもデスサイズを出現させ、そして。
「よし、雑魚を相手にしてる暇はないわ! 古城へ向けて突撃よ!」
「うん!」
「了解です!」
アタシは中央、ミラは左、マルタは右で横一線に広がって走り出し、それを見たデュラハン達は馬を進め、真正面から三体それぞれ槍を構えて迎え撃ってくる。
「そんなんでアタシたちを止められると思わないことね!」
アタシはデスサイズを大きく振りかぶり、ミラはハンマーを横なぎに構え、マルタは腰の刀を抜き放つ。
そしてすれ違いざま……!
「遅いんですよ! 抜刀術『氷刃一閃』!」
まずはマルタが神速のスピードで槍の突きを躱し、馬に乗ったデュラハンを氷の斬撃で斬り裂く。
「その程度の鎧で、私の刀を防げると思わないことですね」
マルタが刀を納刀すると同時に、デュラハンがカチコチに凍り付きながら斬り裂かれ、馬から落ちガシャーンとバラバラに砕け散る。
「邪魔しないでデュラハンさん!」
次にミラはデュラハンが突き出してきた槍に向かって横薙ぎにハンマーを振る。
「えーい!!」
そして互いの攻撃がぶつかった末、ミラのハンマーが金属を砕く甲高い音を出しながらデュラハンを槍ごと粉砕。
ドゴォン! と馬の上から吹き飛ばす。
「どきなさいこの首なし野郎!」
最後にアタシがデスサイズを斜め上から一閃。
デュラハンを槍ごと斬り裂く。
「ふ、デスサイズに斬れないものなんてそんなにないのよ」
真っ二つになったデュラハンはガラガラと馬から落ち、黒い影を出しながら消えていった。
「よし、突破したわよ!」
三体のデュラハンを瞬時に倒したアタシたちは、左右に避けたリビングアーマーたちが道をふさぐ前に古城へ雪崩れ込む。
「マルタ! 最上階への道は!?」
「途中までなら知ってます! なにせ五年前に探索しましたからね! 着いてきてください!」
「よし、頼んだわよ!」
マルタを先頭に、アタシ達は古城内部を突き進んだ。




