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150/158

150話 ヴェインの戦い①

150話突破しました。

我ながらよくここまで書けたなー。

まだ続くんですがw

 アーシャ side


「ま、魔物が現れたぞー! 助けてくれー!」

魔物の暴走(スタンピード)が始まったぞー!」

「た、頼む助け……うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 ヴェインの町中に魔物が現れ、住人の悲鳴や建物が倒壊する音が響き渡る。

 

「畜生! どうなってやがるんだ!?」


 数分前にヴェインを再び地震が襲った。

 その直後、町中に魔法陣が出現し、魔物が溢れ出しやがった。

 間違いなく魔物の暴走だ。

 だがおかしい、早すぎる。

 まだ二日はあったはずだ、ダンジョンで何が起きた!?

 エレンたちは無事なのか!?

 いや、考えてる暇はねぇ。


「どりゃぁぁ!!」

『『『『『ギィヤァァァ!?』』』』』


 囲んできたゴブリンの群れを蹴りで吹き飛ばしても、また次のゴブリンがアタシを囲む。


「アーシャさん! 倒しても倒してもキリがありません!」

「いちいち相手にするな! 邪魔な奴だけ倒して進むんだ!」


 アタシは今、混乱の中何とか合流できた自警団の連中と共に保護した町の住民を守り、万が一の避難場所として決められた冒険者ギルドへ向かっている。

 

「アーシャ! 大丈夫か!?」

「カルロ! お前はアタシより自分の心配をしろ!」


 旦那のカルロも剣を取り、アタシの近くで戦っている。

 戦闘経験がほぼない癖に無茶しやがって。


「どうにかしてギルドにたどり着かねぇとな……!」

「アーシャさん! 避難するなら南門へ向かった方がいいのでは!?」


 自警団の連中が言う通り、普通なら南門だ。

 ヴェインから外へ出られる唯一の場所だからな。

 だが、今回に限りそこは使えない。


「駄目だ! 南門はおそらく閉鎖されてる! 魔物の暴走の魔物を外に出さないためにな!」


 奴らが外に出たら被害が拡大する。

 そのためにヴェインは頑丈な壁で隔てられているんだ。

 こうなっちまったらもう、ギルドで魔物達の討伐部隊が助けに来るまで籠城するしかねぇ。

 それに、ヴェインにいる人々が一カ所に集まれば()()()も戦いやすい。


「今だ! みんな走るぞ!」


 目の前の敵を蹴散らし、道を切り開きながらアタシは皆と共に町中を走りギルドへ向かう。


「みんな、ギルドが見えてきたぞ! 足を止めんなよ! もう少しだ!」


 まだ五百メートル以上あるが、前方にギルドが見える。

 魔物達は多いが、このまま進めば確実に辿り着ける。

 そう思った時だった。


「うえぇぇん! 助けてー! ママー! パパー!」


 子供の泣き声が聞こえる。

 その方向を見ると、小さな子供が剣を持ったスケルトンに囲まれていた。

 まずい、このままだとあの子は殺される。

 だが助けに行けばアタシや自警団はともかく、保護した住民まで魔物に囲まれ動けなくなっちまう。

 その、一瞬の葛藤が命取りだった。


「今助けるぞ!」


 カルロが剣を振り、魔物を斬りながら子供の元へ向かう。


「カルロ! くそ、しまった! お前たちは先に行け!」

「アーシャさん!」


 一瞬迷ったせいでカルロと距離が離れちまった。

 皆を先に行かせ急いでカルロを追おうとするが、その間にオークが立ちはだかり姿を見失う。


「どきやがれこの野郎!」

『ブモオォォォ!?』


 オークが大きな腕で殴り掛かって来るが、アタシはその腕をつかみ、勢いを利用し一本背負いで遠くへぶん投げる。

 これで邪魔は消えた。

 だが、その時カルロはスケルトンによって剣を弾かれ、子供もろとも斬られようとしていた。


「カルロー!!」


 カルロが子供を抱きしめ庇う背中に向けスケルトンが剣を振りかざしたその時。


「魔物共! こっちに来やがれ! 『肉の盾』発動!」


 横から大盾と剣を持った茶髪の男が現れ、そいつが淡い光に包まれたと思うと、スケルトン達がカルロへの攻撃を止め、そっちの男を襲い始めた。


「よし、ケイト! 頼んだぜ!」

「言われなくても!」


 ケイトと呼ばれた緑髪の女性が屋根の上からスケルトン達の頭を次々と射貫いていく。

 残ったスケルトンも男によって斬り伏せられた。


「よっしゃあ! 倒したぜ! 大丈夫かあんた!?」

「あ、ああ。ありがとう。この子も無事だ」


 カルロはそう言って泣いている子供を抱き上げてる間にアタシと屋根の上にいたケイトという女も合流する。


「カルロ! 無事でよかったぜ。お前達は冒険者か? ありがとな。あたしはアーシャだ」

「ああ、俺はアルフだ。そんでこっちは俺の相棒のケイトだ」

「無事でよかったわ」

「ああ、お前達のおかげで助か……ん? アルフとケイトだって?」


 どっかで聞いた事が……。

 そうだ、昔エレンとアルテナをパーティに誘った冒険者の二人組じゃねぇか。

 そっか、まだこの町にいたんだな。


「なんだ? 俺たちの事を知ってるのか? いつの間にか有名人になっちまったようだな」

「そんなわけないでしょう」

「いてぇ!?」


 ケイトがアルフの頭をバシッと叩く。

 良いコンビだとは聞いてたがその通りみたいだな。


「色々話してぇところだが、そんな暇はねぇようだな」


 自警団と保護した住人たちは先へ行けたようだが、アタシ達の周りはすでにゴブリンやオーク、ファングウルフなどの魔物で包囲されている。

 あたし等だけでこいつらを突破するしかねぇ。


「カルロ! お前はその子を守ってろ!」

「わかった!」

「よし! アルフ! ケイト! 援護頼んだぜ!」

「わかった! おい魔物ども! こっちを見ろ!」


 再びアルフの身体が淡く光ると、魔物たちがアルフをターゲットにし襲い掛かる。

 そして隙だらけになった所をあたしが殴り、ケイトが弓で射抜いていく。

 

「すげぇ戦いやすいぜ! お前のスキル名前は変だが優秀だな!」

「よく言われるぜ!」

「っ……! 二人とも気を付けて! 私のスキル『危機察知』が反応した! 何か来るわ!」

「なに!?」


 ケイトに言われて辺りを見回すが何も見えない。

 一瞬ケイトの勘違いかと思ったが、ドシン、ドシン! と何か大きな足音が近づいてくることに気づく。

 その足音の主は、近くの家を破壊しながら姿を現した。


『グオォォォォォ!!!!』


 強烈な唸り声が響き渡る。

 その正体は赤い鋼のような巨体を持つ魔物、オーガだった。


「おいおい! ただでさえ魔物に囲まれてるってのにこんなのありかよ!?」

「さすがにまずいわね……」


 アルフとケイトがオーガにビビっている。

 確かに、並の冒険者からしたらオーガは逃げるしかないほどの強敵だ。

 だが。

 

「アタシに任せな! 『鬼神のアーシャ』は伊達じゃねぇ!」


 オーガに向かって全速力で突っ込んでいく。

 それを見たオーガは両手を組んで振りかぶり、アタシに向かって地面を震わせる勢いで振り下ろす。

 

「甘く見られたもんだな!」


 そんな隙だらけの一撃当たるはずがない。

 オーガの一撃は地面を抉るが、アタシは横によけた後跳躍し、オーガの腕を足場にして一気に顔面まで飛ぶ。


「喰らいやがれぇ! オラァァ!」


 アタシのスキル、『聖闘士』による光属性を込めた、輝くアッパーの一撃をオーガに食らわせる。


『グオォォォォォ!?』


 地面に着地すると同時に顎を打ち抜かれたオーガは地面に沈み、動かなくなった。

 

「ふ、他愛もねぇ。おめぇら、怪我はねぇか?」


 アルフとケイトの方を振り向くと、二人は唖然としていた。


「嘘だろ……? オーガを一撃でぶっ倒すなんて……」

「あなた一体何者なの……?」


 うん、まあ初見じゃよくされる反応なんだが……化け物を見るような目で見ねぇでほしいな。


「アーシャ、さすがだな」

「へ、当たりめぇだぜ」


 カルロもケガはねぇようだ。

 それと、今のを見てビビったのか周りの魔物たちが戸惑っている。


「よし、今がチャンスだ! ギルドへ向け突っ走……」

『グオォォォォォ!!!!』

「なんだ!?」


 さっきよりもさらに重低音な唸り声が響かせながら現れたのは、今倒したやつとは別のオーガ二体だ。

 だが、片方はさらに一回り大きく、青い体と角を持った奴だった。


「おいおい、嘘だと言ってくれよ……!?」

「そ、そんな……」

「これは……マジでやべぇかもな」


 緊張でアタシの額から汗が流れ落ちる。

 そいつは、オーガの上位種ブルーオーガだった。

アルフとケイト、久々の登場です。

かなり前なので忘れられてるかな?

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