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121話 ミラ、怒り爆発する

 宝物庫がアルテナのやらかしにより崩れてしまい、部屋にあった金銀財宝を手に入れられなかった私達。

 しかし、ミラが拾っていたモノクルがユニークスキル『鑑定』を使える正真正銘のお宝だった。

 まあそれはそれとして。


「アルテナ……種族と年齢不明って……もうちょっと隠す努力しなさいよ」

「うるさいわね! でもエレン、それ本当にお宝なの? そもそもユニークスキルって何だっけ?」

「あのね、以前図書館で説明したでしょう?」

「そうだっけ? かなり前の話だから全然覚えてないわ」


 数ヶ月も経ってない筈なんだけど……まあ濃い毎日が続いてたししょうがないかもしれない。

 

「はぁ……もう一回簡単に説明するけど、そのスキルを持った人にしか使えない貴重な魔法の事よ。ていうかアルテナ、あなたの『死神』と『邪眼』もユニークスキルじゃないの」

「あーそういやそうだったわね。確かミラの『収納』もだっけ? あたし達だけで三つも持ってんじゃない。全然珍しく思えないんだけど?」

「ミラは魔物として生まれ持った能力だから実質ユニークスキルとは言えないし……そもそもあなたのは天界のツテで手に入れたやつでしょう? 珍しいにカウントされないわよ」

「はいはい。で、結局そのモノクルがお宝なのはユニークスキルが使えるからって事?」

「そうね、鑑定が使えるだけで一生食べていけるからね」

「へぇ〜。え? 一生?」


 アルテナがポカーンと口を開ける。

 そこまでとは思わなかったのだろうか?

 実際鑑定が使えれば物の価値が一目でわかるのだから、使える人材は商人やギルドから引っ張りだこで一生職に困らないだろう。

 それが使えるようになるのだから高価で当たり前だ。


「そ、そこまでとは思わなかったわ……因みにそれで魔導銃を鑑定したらどうなるの?」

「そうね、ちょっと見てみましょうか」


 私もそれには興味ある。

 早速鑑定してみたところ。


 ――――――――――――――

 魔導銃

 マナを魔力に変換、圧縮し撃ち出す魔道具。

 頑丈で軽いが安定性に難あり。

 魔力操作に非常に長けてる者しか扱えない欠陥品。


 ――――――――――――――


「……だそうよ」

「プッ。スキルにまで欠陥扱いされるとかやっぱあいつは欠陥親父ね」

「マテツさんがいたら怒鳴り散らしてたでしょうね……」


 うん、いなくてよかった。

 とにかくこの鑑定モノクル、この先色々役立ちそうだ。

 わざわざピラミッドに来た甲斐があった。


「さて、アルテナ。もうここに用は無いわよね? だったら出口を探しましょう」

「想定していたお宝とは違ったけどまあいいわ。そういえばミラはどこ行ったの?」

「え?」


 そういえばさっきから声が聞こえない。

 辺りを見渡すと、いつの間にか部屋の奥でピラミッドに住んでる宝箱のミミック達と何か喋っているようだった。


「え……それはダメだよ……え? どうしてもって? でも……」

「ミラ、あんたミミック達と何話してんの?」


 アルテナが声をかけながら一緒に駆け寄ると、ミラが困った顔をしていた。


「あ、エレン様、アルテナ様。みんながドクロさんを倒してくれてありがとうって。後、この先の通路を進めばピラミッドの裏口に出られるって教えてくれたよ」

「本当? それはよかったわ。でも、なんでそんな困った顔をしているの?」

「実は……みんながミラに残って欲しいって言ってるの」

「え?」


 ミミック達を見ると、ガチャガチャと蓋を開け閉めして頷く。

 ミラにピラミッドに残って欲しいってこと?

 いやいや。


「ミラを渡すわけないでしょう。というより何でミラが残らないといけないのよ」


 そう返すと、ミミックの一匹が床に文字を書き始める。


「えっと……『ミラちゃんに自分たちのリーダーになって欲しい。仲間達みんなそれを望んでいる』。何ですって?」


 バカドクロの代わりにミラを自分たちのリーダーにしようっていうの?


「あなた達、ミラは私達の仲間よ。そんな勝手なこと許すわけないでしょう」

『……!!』


 私が拒否すると、ミミック達がガチャガチャと飛び跳ねて反論の意思を示し、『ミラちゃんも仲間と一緒にいた方が幸せに決まっている』という文章を書いてくる


「う……」

 

 悔しいが一理ある内容で思わず声を失う。


「ちょっとエレン、何怯んでるのよ? まさか本気でミラを渡すつもり?」

「そういうわけじゃないけど……」


 ミラは大切な仲間。

 ここで別れたくなんてない。

 しかし、ミラの幸せのことを考えると同族の元にいた方がいいのかもしれない。

 いや、これは私が答えを出すことじゃない。


「ミラ……あなたはどうしたい?」

 

 しゃがんでミラの肩を掴みながら問う。

 

「えっと……ミラは……」

「ミラ、あなたの意思を私は尊重するわ。悔しいけどミミックたちの言うこともわかるから……あなたが決めなさい。大丈夫、今すぐ答えを出せなんて言わないわ。しっかり悩む時間はあげるから……」

「ううん。ミラ、悩まないよ」


 そう言ってミラは私に抱きついて来る。


「みんなありがとう。でもミラは……エレン様、アルテナ様と一緒にいたい!」

「ミラ……」

「よく言ったわミラ!」

『……!?』


 ミラの答えに私とアルテナは微笑み合うが、ミミック達は怒り始め、自分の中から赤い舌で武器を取り出し、立ちはだかる。

 どうやら最初からミラを返す気は無かったらしい。


「結局こうなるのね」

「ふ、いいわ! かかって来なさい!」


 私は魔導銃を、アルテナはデスサイズを構えミミックと対峙する。

 この戦いは絶対に負けられない。

 

『『『『『!!!!』』』』』

「みんな! 止めて!」


 ミラが静止するが、この状況で止まる事はできない。

 そして、ミラを賭けた全面対決が始まろうとしたその時。

 

「ん?」


 向かい側の通路からガチャ、ガチャ、ガチャッと何かが飛び跳ねる音が響いて来る。

 何だろうと思いみなでその方向を見ると、通路から豪華な宝石で装飾された白い宝箱のミミックが現れた。


「新手? ていうかあんなミミックいたっけ?」

「もしかしたらピラミッドのどこかで新しく生まれたミミックかもしれないわね」

「うわー……すっごい美人だよあのお姉さん!」


 相変わらずよくわからないが、ミミック的には美人のお姉さんらしい。


『『『『『!!!!!』』』』』』

「「「え?」」」

 

 私達と戦おうとしていたミミック達が武器を捨て、一斉にあの美人? のミミックに群がっていく。


「ちょっと、あいつらどうしたのよ?」

「さあ?」

『…………!!』

「え……?」


 何かミラがショックを受けている。

 

「どうしたのミラ?」

「みんな、あのお姉さんを新しいリーダーにしようって言ってる……」

「「え?」」


 さっきまでミラをリーダーにしたいって言ってたのにどういう事?

 あのミミックは一体……?

 そうだ、鑑定してみよう。

 

  ――――――――――――

 名前 なし

 種族 ジュエルミミック

 状態 正常


 綺麗な宝石を散りばめたメスのミミック。

 その美しさで同族を魅了し自身を守らせる特徴を持つ。


 ――――――――――――


 あーなるほど、全員あのミミックに魅了されてしまったわけだ。

 

「アルテナ、ミラ。原因がわか……あ」


 気づいたらアルテナが怒りながらミミックの方に向かって行っていた。


「ちょっとあんた達! なに一瞬で浮気してんのよ! ミラをリーダーにするんじゃなかったの!?」

『……?』


 アルテナの問いにミミックがまた筆談で返す。

 

『あ、もういいです』

『とっとと帰って下さい』

『……あれ? あんた達まだいたの?』

「えぇ……」


 あまりの手のひら返しに呆然とするアルテナ。

 魅了されてるとはいえこれは酷い。

 ミラは大丈夫だろうか……あ。


「み、みんな……酷いよ……」


 涙目でプルプル震えている。

 全然大丈夫じゃ無かった。


「みんな……みんなの……」


 ミラがオーガハンマーを取り出す。

 あ、やばい。


「ミラ! 気持ちは分かるけど落ち着き……!」

「みんなの……バカーーーー!!」

『『『『『!?!?!?!?』』』』』

 

 ミラが泣きながらミミック達に向け全力でオーガハンマーを振り下ろす。

 そしてドカァーーン!!!!!!!! と床が炸裂し、その衝撃でミミック達は全員吹き飛び、バラバラになった。

 ついでに近くにいたアルテナも吹っ飛んで壁に激突した。

 まあ大丈夫だろう。


「うわーんエレン様ー!!」

「よしよし」


 泣きながら胸に飛び込んでくるミラを受け止め頭を撫でる。


「ちょっとー……なんであたしまでー……」

「ご愁傷様」


 結局何だったんだろうさっきのやり取りは……。

 そう思いながら出口の通路を進むと、すでに夜になった砂漠へと出る事が出来た。

 入ったのが昼過ぎだったから結構時間が経ってたらしい。

 ちゃんと地面へ続くスロープがあり、その先には次の階層へ進む階段がある。


「ピラミッドに隠れる形で階段があったのね……全くいやらしいわ」

「予想してた冒険とは全然違ったけどまあいっか、お宝は手に入ったし」

「うさぎのお姉さん驚くかな?」

「ふ、きっと腰が抜けるほど驚くに違いないわ。今から楽しみねクックック」

「二人とも、気が早いわよ。まだダンジョンから出たわけじゃないんだから」


 

 階段を降りれば後は二十層で転移陣を探すだけだ。

 後もう少し頑張ろう。

申し訳ありませんがしばらく納得行くまで書き溜めしたいので投稿を中止します。

書き終わったら順次投稿していきますのでよろしくお願いします


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