新しい恋
タイトルは「夏の日」と絡めようか、迷いました。
螺旋階段をまっすぐに駆けあがる背中から
あたしの爪痕が消えるよ
ふりかえらないと決めた時点で
過去にされた想い出は
いつまで此処に燻ってるんだろう
残念賞を引き当てたみたいな新しい恋が
12月にはセーターを編んだって
夏の日をちらつかせる街は幼稚な意地悪をやめない
正直な嘘をつくのも 嘘を正直に吐くのも
疲れるなら次のキスが唇を縫いつけてほしい
だれかへの裏切りじゃないし
自分へのいいわけでもないはずなのに
責めるような瞳の持ち主が
胸に棲んでるのは何故?
非常階段をこっそりと脱け出すふたりにも
火の手は容赦せず迫るよ
くりかえさないと決めたところで
罪の味があやまちを
いつでも甘くくすぐってくれるんだ
残飯処理を引き受けたみたいな役回りさせて
抱き合うたびにごめんねとべろ出して
夏の日を沈めた地平線 肩ごしで睨むのやめない
本音にも嘘は混じるし 嘘に本音も浮かんでて
気に食わなきゃ次の駅でさよならをつきつけてもいい
なにひとつうしろめたくない
だれだって慰めには絆されるのに
泣いたように瞼を腫らしては
うすら笑ったのは何故?












