53(神の使い)
『人間⋯⋯私を呼んだか?』
「呼んでません」
『私は神の使い・カミツカ⋯⋯』
「ガキ使とおんなじですね」
『私はこの世の全てを知る存在⋯⋯聞きたいことはあるか』
「なんでもいいですか?」
『なんでも聞くがよい』
「うーん、じゃあ⋯⋯明日は晴れますか?」
『明日のことは分かんない』
「夕方はどうですか?」
『夕方も分かんない』
「えーっとじゃあ⋯⋯僕の未来のお嫁さんはどんな人ですか?」
『それも分かんない』
「じゃあ、ドラゴンズは勝ちますか?」
『分かるわけないだろ。未来のことは無理って今までの感じでだいたい分かるだろ。分かれよ』
「199536753×5370002=?」
『48』
「そんなわけないだろ」
『ふざけた質問にふざけて返しただけだ』
「人のことふざけてるって決めつけるのは良くないと思いまぁす!」
『じゃあ答え聞いてどうするつもりなのか言えよ』
「将来に役立てます」
『役立つわけないだろ』
「役立つかどうかなんてその時になってみないと分かんないでしょ。役立たなきゃダメとか言ってたら学校の授業半分はなくなりますよ!」
『別にダメとは⋯⋯』
「あなた多分ゲームとかも時間の無駄だからやめた方がいいとか言うタイプでしょ! そんなこと言い出したらほとんどの事が人生においては無駄なことなんだから、何もない人生になりますよ!」
『⋯⋯⋯⋯』
「バーカバーカ!」
『⋯⋯⋯⋯ふえぇ』
「ん?」
『なんでそんなことゆーの⋯⋯』
「あれ?」
『なんでそんなことゆーの! びぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!!!』
「あ〜〜〜〜〜ごめんねごめんね! よーしよしよしよし! よーしよし! ごめんねカミツカちゃん僕が悪かったですごめんねぇぇぇぇぇぇ!!」
『うるさ』
「えっごめん」
『柿くへば』
「鐘が鳴る鳴る法隆寺」
『うるせーバーカ!』




