七月八日
八十四回目です。
週の始まり月曜日。
嗚呼……なんてこった。
三時間程外出したら外出中に降り出した雨で、帰宅した私の目に入ったのは出掛ける前に干した洗濯物からシャワーの様に流れる水。
半乾きの服がずぶ濡れになった。
余りに雨が強いので、とりあえず放置。雨が止んだら取り込もう。
梅雨の時期は嫌いだ。まあ、好きな奴なんてあんまりいないだろうけど。
洗濯物から流れる水を見なががら思った。『水も滴るいい男』なんて言葉があるが、それは濡れている男が元からいい男だからであって、普通の奴がやっても傘を忘れた馬鹿が一人いるだけだ。
見ている方も濡れている方も気持ちが良いものではない。
それでもいい男に見えるのなら、自分のストライクゾーンなのだからだろう。
しかし、濡れているのが女性ならば……
ちょっと引く。水の滴る女性は怖いのである。きっと、夜中のタクシーにずぶ濡れの女性客が乗るあの話が私の頭に残っている所為だな。警戒心の方が先に来る。
まあ、私だからそう思うのであって、他の男性や女性の目線では違う意見があるだろう。
雨に濡れると言うイメージからは涙とか悲壮感を表すものが多いからかもしれない。
実際に私も目の前の洗濯物を見て悲しい気持ちになってるからね。
でも、忍O弐は楽しかった。
「妖精さん? こんな雨に何処に行ってたんですか?」
「えっ? コンビニですよ。炬燵さん……」
「ちょっと、ジャンプしてください」
──チャリンチャリン──
「……なんですか? このコイン?」
「……」
「財布見せてくださいよ。………何で増えてるんですか?」
「……」
それでは。また、明日。




