六月二十七日
七十三回目だよ。
ちょっと私用で出掛けた帰り道。
帰宅中の地元の高校生が自転車を押しながら並んで歩いていた。
この地域には五校程の高校があるが、その内の一校の生徒の様だ。
傍目に見ても遠慮がちな初々しいバカップル。
私の脳内判定ではそう見えた。実際には違うかも知れないけどね。
妻帯者の私が言うのも何だけど、正直な感想を言うならば!
『……クソッ! イチャイチャしてんなよ!』
……だ。
私の高校生活には無かった光景に、心は高校生の頃に戻って正直な感想を言ってしまった。
勘違いしないでよ。別に全然、羨ましく何かないんだからね!
……ごめんなさい。かなり羨ましかった。
別に今の生活に不満がある訳では無い。
ただ、高校時代の自分にあんな光景があったならと思うのは年を取った所為だろうか?
まあ、私が言うよりも実際に学校に通っている人ならば毎日見る訳だから、『その内、俺(私)にも!』何て思ってるかもしれないし、『リア充、ぶっ殺す!』何て思ってるかもしれない。
しかし、チャンスは待ってくれない。突然目の前に現れるし、ある日突然ピコ───ンと自分の胸に突き刺さるかもしれない。
それに気付くかどうかと言う事だ。かなり前にGA●TZの作者さんが最初の頃に書いた漫画で赤い糸の話があったのを思い出す。あの話は意外と心に残っている。ある日突然自分の小指に赤い糸が見え、その糸を辿って行くと言うお話だ。
命短し恋せよ乙女(野郎)では無い、幾つになっても恋は出来る。
それを見つけるのは大変だけどね。
意外と道端に転がってるかもしれない。
教室の二列目、三番目に座ってるかもしれない。
ファミレスでバイト中に声を掛けられるかもしれない。
会社の隅に座っているかもしれない。
このサイトで見つかるかもしれない。
夏休みに出掛けた先で出会うかもしれない。
事実は小説より奇なり? って言葉もある位だからね。
どう? ちょっとは想像した?
誰が浮かんだかは自分の胸でも触って確かめて。
それでは。また、明日。




