六月十二日
ごじゅうはち回目だよ。
私の家は古い。まあ、田舎の古い家を想像すればいいだろう。
こう言っては何だが、良く言えば開放的な家。悪く言えば戸締まりと言う常識が住人の辞書に載っていない家。
家に泥棒が入って来たら生きては帰れないので来ないでね。
私の木刀で峰打ちにしてやるぞ~(ニコッ)
しかし、そんな我が家に毎回こっそり忍び込む輩がいる。
私がご飯を食べようとキッチンに入ったら、その輩はキラリと光る眼で私を見ていた。
ある歌が私の頭に浮かんでくる。お魚咥えて逃げて行くあの歌だ。
何時もの野良猫がテーブルからオカズを咥えて勝ち誇った様に此方を見る。
『ふふ~ん。イナエよ。確かに頂いたにゃ!』
「逃がすか! まぁ─てぇ~! リュパ──ン!」
『あ~ば~にゃ~!』
生姜焼きを咥え、逃げ出す黒白の憎き怪盗。ペンギン(命名イナエ)
「この、泥棒猫!」(ちょっと言ってみたかった)
私のオカズ、盗まれた………
現在、我が家には新生オカズ盗賊団の野良猫、ペンギンの他に茶虎のガリと三毛のニアの三匹がいる。
見た目は可愛いのに、此方が近づくとスルリと躱すそのテクニックは飲み屋のお姉さんの様ですね。騙されませんよ!
次に会ったら、釣り竿に煮干しを付けて、『逃げる煮干し刑』に決定です。何時までも追い続けるがいい!
それでは。また、明日。




