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月草日記 毎日更新?  作者: 月草 イナエ
第一章 ~日常編~
157/885

 九月十九日

 

 百五十七回目かぼす!


 かぼす、かぼす、かぼす、かぼす……

 箱の中は緑の丸い玉で埋め尽くされていた……

 十キロか十五キロ入りのダンボール箱に入って我が家に来たソイツは、毎年この時期にやって来る。

 送り主は東京のハズなのだが、何故か九州は大分産のかぼすを送ってくる。

 おそらくインターネットで頼んでいるのだろうが、東京銘柄ひよこでも送ってくれればいいのに……なんて思うが、善意で送ってくれるので悪意を返しても相手に悪い。悪意を込めて送っているなら話は別だが……


 このかぼす、以外と使い道が難しい。箱には“栄養果実”なんて書かれているが、東北では柑橘系の果物は馴染みが薄い。

 土地柄と言うか、此方では生産し難い作物はどうしても食べる頻度が減るからだ。

 最近はスーパー等でも流通業の成長で見かけるが、私の知識的には秋刀魚なんかの脇に添えてあるイメージだったり、レモンの代わりと言ったイメージが強い。それが一箱……

 八等分に切って秋刀魚に添えるだけでも秋刀魚をどれほど焼くのか想像もつかない。


 最初に送られて来た時は、かなり困った。

 近所や親戚に五六個配っても減らない。正月頃まで残っていた記憶がある。その頃には緑の玉も黄色の玉に変わって満月みたいだった。保存性能もかなり高いと初めて知った。


 今ではもう慣れたので、500ペットボトルに漏斗じょうごをのせ、半分に切ったかぼすを両手に持って握りつぶし、水を入れ、シロップを入れてかぼす果汁五パーセント水を作り飲んでいる。

 ジントニックのライムの代わり、焼酎のお湯割り、料理の炒め物にむぎゅ~っと絞ったりと色々やる。

 そうしないと減らないんだもん……


 今日は中秋の満月。団子の代わりにかぼすでお供え物の山を形成した。

 秋によろし月見で一杯なのです。

 あの流派の師匠も言っていた。

 春は桜、夏には星、秋に満月、冬には雪。それで酒は十分美味いと。


 

 それでは、また、明日。

 

 

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