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第49話 エド対イル&リレス

バトルパートです。

さて戦うことが決まったのはいいが問題はどこで戦うかだ。5W1HのWhereである。まあ結論から言うとこの問題はあっさり解決した。


「・・・エドってお金持ちなんだニャ。」


「まあ一応武家の貴族だからな。こういう演習場はいくつも持ってるんだよ。」


俺たちが今いる場所はエリオ家が所有している演習場の一つである。最初は学園の訓練場にしようかと思ったのだがレインさんとサニーさんに止められた。曰く、


「修理費は誰が出すんだ?」


なのでより大きいこの演習場に来た。勿論貸切だ。


「さて始めるか。」


「ん。」


「分かったニャ!」


いざ始めようと思ったときに大事なことを決めてなかったのを思いだす。


「勝ち負けのルールはどうする?」


「気絶か降参又は審判が戦闘続行不可能と判断したら負けでどうでしょうか?」


「まあそれでいいか。じゃあ審判はジュラにやってもらうか。」


「わかりました。」


互いにある程度離れる。ジュラの合図で試合開始である。ちなみに武器は使用OK。


「では、始めて下さい!」


試合開始直後リレスはその場で魔法を詠唱、イルは俺に向かって走ってきた。イルが前衛、リレスが後衛から援護という作戦だろう。まあ魔法使いと戦士のコンビだから当然か。


「ニャ!」


イルがジャンプしながらクローで斬りかかってくる。俺はそれを如意棒で流す。そしてイルを俺とリレスの直線状に誘い込む。これでリレスは迂闊に魔法を撃てないだろう。しかしこの考えは甘かった。


「え!?ってマジかよ!」


一つ目の驚きの声はリレスが俺との間にイルがいるにも関わらず魔法を放ってきたこと。そして二つ目はイルがその魔法をギリギリまで引きつけてからジャンプして回避したこと。


イルがギリギリまで引き付けたせいで回避する暇はない。


変身魔法(チェンジフォーム)》モデル《不死鳥(フェニックス)


前と比べてかなり速く使えるようになった《変身魔法(チェンジフォーム)》を使って防ぐ。


「ニャ!!」


しかし一息つく間もなく真上からリレスが攻撃してくる。俺は今度はその攻撃を左腕を盾にして防ぐ。


「ニャ!?」


俺が左腕を使って防いだことにイルが驚愕の声を上げる。しかし今の俺の腕は《不死鳥(フェニックス)》化している。無傷とはいわないがこれぐらいなら問題ない。


「行くぜ!」


部分変身(モジュールチェンジ)》右腕《(ドラゴン)


瞬時に右腕を《(ドラゴン)》化して《竜炎(リュウエン)》を使おうとした瞬間リレスから魔法が飛んでくる。


「クソ!」


右腕をイルからリレスが放った魔法に向けて《竜炎(リュウエン)》を放つ。魔法に当たった《竜炎(リュウエン)》は魔法を消し去りそのまま後ろまで貫通する。しかし魔法を放って直ぐに移動したのかリレスには当たらなかった。


「厄介だな。」


イルを攻撃しようとしてもリレスからの援護でままならい。イルを捕まえて常に二人の間に置いてもいいんだが捕まえるのに一苦労だろう。ということはリレスから倒すか。


「《部分変身(モジュールチェンジ)》両足《銀狼(フェンリル)》」


「行かせないニャ。」


俺がリレスに狙いを定めたのが分かったのだろう。 俺とリレスの間に飛びこんでくる。


「甘い。」


しかしそれはフェイク。俺の狙いはイルとリレスを一直線上に並ばせること。そして、


「《竜炎(リュウエン)》!」


このタイミングで放った《竜炎(リュウエン)》をリレスが回避できるとは思えない。ということはイルが防がなきゃいけないんだが。


イルは俺の考えに気づきそしてリレスが回避出来ないと思ったのか両腕をクロスして防御態勢をとる。そしてダメージを減らすために自分から後ろに飛んだ。しかし、


「予想通り」


俺の本当の狙いはこの状況に持ってきてそして、


「ふん!」


ダメージを減らすために空中に浮かんでいたイルを《銀狼(フェンリル)》の脚力でリレスの方向に蹴り飛ばす。ダメージはそこまでないだろうがイルは面白いように吹っ飛ぶ。それを俺も追いかける。


イルはリレスから10mくらい離れたところに着地していた。


「じゃあ仕切りなおして第二ラウンドといくか。」


ここまでの近距離なら俺もあれが使える。


「ニャ!」


イルが一気に俺との距離を詰める。そして下からクローで斬り上げてきた。俺をそれを如意棒で受ける。すると最初と同じようにリレスが魔法を放ってこようとした。


「そうはさせるかよ!」


俺の新しい腋ー違う!!-技を見せてやる!


部分変身(モジュールチェンジ)》頭《悪夢霊(ナイトメアゴースト)


悪夢霊(ナイトメアゴースト)》の効果は簡単に言うとテレパシー。ただし正確にはっきり伝えるためには色々手順が必要になってくる。しかし今回は必要ない。何故なら俺がしたいのは相手の魔法の発動の邪魔。それには魔法のイメージを崩してやればいい。ようするに雑音(ノイズ)でも送ってやればいいのだ。


「ニャ!?」


俺の妨害のせいでリレスは魔法を発動することが出来ない。しかしそれを知らなかったイルは魔法を避けるため最初のように上にジャンプした。


変身融合(チェンジフュージョン)》《竜狼(ドラゴウルフ)


二年前とは違い全身変身だ。


「ふん。」


空中に無防備に浮かんでいるイル目掛けて正拳突きをする。


「ニャ!?」


これを諸に受けたイルは気絶。俺はそのままリレスに迫る。リレスは迫ってくる俺に対して鞭で攻撃してくる。その鞭にもなんらかの魔法が掛かっているのが空間把握でわかる。そしてその間にもリレスが魔法を詠唱している。


部分変身(モジュールチェンジ)》頭《雷獣(ライジュウ)


雷獣は全身が雷で出来た珍しいモンスターである。そして《雷獣(ライジュウ)》の効果の一つは思考加速。ようするに脳みそのクロックアップだ。


俺に向かってくる鞭が非常にゆっくりに見える。普通なら見切れない鞭の軌道が簡単に見える。俺は最小限の動きで鞭を回避するとスピードを落とさずにリレスに接近する。そしてー


「ふん!」


掌底でリレスを倒す。


「勝負有りです。勝者エドさん!」


二年ぶりの戦いは俺の勝利で幕を下ろした。






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