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第25話 リア充と呼ばないで

タイトルそこまで関係ありません。果たしてこのネタが分かる人がいるのか。


ちょっと長いです。



妙な空気のまま昼飯を食べ終わりそのまま学大の会場に移動する。


幸い試合は始まったばかりだった。


「エド、こっち」


会場についてリレスとジュラを探して歩いていると向こうから見つけてくれた。この人ごみでは流石の空間把握も役立たずである。個人の判別が難しいのだ。


「どんな感じだ?」


勿論試合の話である。


「これと言って特には」


ジュラ目線の話かもしれないのでリレスにも聞いてみる。


「リレスから見ては?」


「戦ってもそこまで苦戦しなさそう。」


そりゃよかった。


「イルもしっかり見とけよ。」


「分かってるのニャ」


「ならいいけど」


そのまま観戦していく。しかしこういっちゃなんだが暇である。試合の解説はジュラがやってくれるし、そういうのはジュラのほうがうまい。かといってこの場を離れるのは駄目だろう。俺のイメージ的な意味で。


「ん?あいつ確か同じクラスの奴じゃないか」


次の試合は俺が知っている奴だった。


「知っているんですか?」


「ああ。イケメンだったから印象に残ってて。」


俺が言ったとおりそいつはイケメンである。儚い感じのイケメン。こう年上のお姉さんが守ってあげたくなるような感じである。きっとさぞモテルのだろう。


「リア充が。」


「あなたがそれを言いますか」


「言われてみれば俺ってかなりのリア充だな。今も周りから見たら美少女三人を侍らせているわけだし。」


さりげなく三人をほめる。鈍感系主人公と違うのだよ!!鈍感系主人公とは!!


しかし俺が褒めたにもかかわらず三人とも無反応である。まあジュラは予想していたが。イルとリレスの方を見てみると顔をそむけられた。もしかして俺は嫌われているのか?因みにジュラはいつもの底が見えない笑顔である。


仕方がないので前の試合の集中する。


「おいおいマジかよ」


そして俺は驚きの声をあげる。それは


「あいつも棒術使いかよ」


そう。例のイケメン君は棒術を使って戦っていたのだ。


「知らなかったのですか?あなた程ではありませんが中々の使い手ですよ」


ジュラの言ったとおりイケメン君は中々の強さで相手を倒した。おまけに倒した相手に手を差し出しているではないか。


「性格までいいのかよ。本格的にイケメンだな。」


「エドも負けてない。」


「あ、ありがとう。」


急にリレスに褒められたのでどもってしまった。


リングに目を向けるとイケメン君が丁度退場するところだった。


「ん?」


「どうかしましたか?」


「いや。」


選手の控え室に向かうイケメン君が一瞬俺を見た気がしたのだ。気のせいだろうが。


「なんでもない」


気にしないことにする。きっと周りの美少女を見たんだろう。


その後は特に見所がない試合が続く。可愛い娘もいなかった。ついでにイケメンも。




「この後どうします?」


今は今日の試合が全て終わり会場を出たところだ。


ジュラが言ったどうするというのは別れるかどうかということだろう。


俺としては美少女三人を侍らして夕食と行きたい。


「このまま四人で夕食に行かないか?」


勇気を出して言った。こういうところは前世と大差ない。


「私は別にいいですけど」


「それなら早くお店を探さないと。昼の時みたいにどこも満席だったら困るのニャ」


「そうだな。」


そう言って店を探しに行こうとすると袖が引っ張られた。


「なんだよリレス」


「さっきのどういうこと?」


「さっきのって」


「昼食のこと」


「ああ。色々あってイルに昼食を奢ることになったんだけど店がどこも一杯だったから材料費を俺が持ってイルの手料理を食べることにしたんだよ」


「・・・・」


何故そこで黙る。もしかして・・・嫉妬している?いやいや落ち着け俺。前世を思い出せ。一体前世で何回これと同じことを思った。そして何回勘違いだった?全部だろうが。つまりここでリレスが黙ったのには何か別の理由があるに決まっている。そこで閃く。


「おいイル。」


「何ニャ」


俺が小声で聞いたのでイルも小声で返事をする。すると当然俺とイルの顔の距離は近くなる。


(こいつ!?。なんでこう女の子はいい匂いがするんだ!!)


イルに顔を近づけたらあの女の子特有のいい匂いがした。


しかしその考えは頭を振って追い払う。


「お前リレスに手料理を食わせたことあるか?」


「あるニャよ。近い時はこないだリレスが泊まりに来たときとか」


「なに!?お前らそんなに仲良くなっているのか!?というかお泊りとかズルイ。けど同室の子は?」


「私は人数の関係で一人だニャ」


「なんだと。それなら今度俺も泊まりに行っていいか?」


「いいはずないニャ!!」


おっと話がずれた。つまりはそういうことだ。リレスが嫉妬したのはイルにではなくイルの手料理を食べた俺。謎は全て解けた!!そしてこの問題を解決するには!!


因みにその間中ずっと顔を近づけていた俺たちをリレスが睨んでいたのを俺は知らない。


「それならイルの手料理を食べないか?材料は俺とジュラとリレスで出してさ。イルはそれでもいいか?」


「別にいいのニャ」


そりゃよかった。作る人に断られたらおしまいだしな。


「イルさんは料理が上手なんですか?」


「ああ。そりゃうまいぞ。そういえばお前は料理できるのか?」


「もう知っているでしょうに」


「もっとちゃんとしたのだよ。」


「秘密です。」


まあいいか。今はこいつの料理の腕は置いておこう。


「リレスもそれでいいか?」


「・・・なんで」


「なんで?」


若干不機嫌そうな顔をして言う。


「なんで私には聞かないの?」


「だから今聞いたじゃんか」


リレスが何を言いたいのか分からなくて混乱する。


「料理を作れるかどうか。」


ああ、そっちのことか。


「作れるのか?」


「料理ぐらい作れる。」


「そ、そうか。」


どうするのが正解なんだ。


「では二人ともに作ってもらってはいかがですか?」


ナイスジュラ!!今度からジュラエモンって呼ぼうかな。伝わらないだろうけど。


「私は今夜すこし予定があるので頂けませんが」


前言撤回。貴様裏切るのか!?


「嘘つけ!!予定があるならなんでさっきまで大丈夫みたいなこと言ってたんだよ!!」


「しー。静かに。私が気を利かせて三人きりにしてあげるんですから感謝してください。」


そう言いながら自分の手で俺の口を塞いでくる。そして小声でも聞こえるように顔を近づける。


(こいつからも女子の匂いが!!)


ドギマギしながら続ける。


「おお、それはありがとう。ってなるか!!お前あの二人に振り回される俺が面白いだけだろ!!観察対象として。」


「流石エドさんですね。私のことは隅々まで知り尽くしているわけですか。」


「エロい言い方するな!!」


「まあまあ。それに予定があるのは本当ですよ。行くかどうか迷ってたんですが」


「なら行くな!!」


「いえいえ。残念ながら気になることが出来まして。では私はこれで」


そういってジュラはますます顔を近づけると俺の顔の真横を通っていってしまった。おまけに何故か顔を横切るときに唇で音を鳴らしていきやがった。わけがわからん。


「エド!!」


「早く行こう」


何故か機嫌が先ほどよりも悪くなってる二人に両手を引っ張られて連れていかれる。・・・まじで今夜この二人の相手をするのか?ああ、これがエロい意味だったらいいのに。そう思いながら渋々ついていく。手?離しませんとも。


エドには分かりようがないことだがジュラが別れるときに顔を近づけたのはイルとリレスから見たら丁度ジュラがエドの頬にキスをしたように見えていたのだ。おまけに唇で鳴らした音はキスした時の音だと思っている。イルとリレスから見た角度まで計算している。ジュラの頭がいいからこそ出来た演出だろう。才能の無駄遣いである。



















次の話は勿論後編です。


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