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再会

大変お待たせしました。

「んじゃ、手伝うわけだけど……その悪霊の王とやらはどこにいるの?」


 俺はそう冥界に訊く。


『……すみません……もう新たな門番を生み出すための準備に入ったので、意識が途切れます……』

「ウソでしょ!?」


 まだ何も詳しい話聞いてないよ!? どこにいるの!? 悪霊の王って!


『……すみません……すみません……では、頼みましたよ――――』

「え!? あ、ちょっと!」


 何度か呼びかけてみるも、結局冥界の声が聞こえることはなかった。


「いきなり難易度高くない? 悪霊の王がどこにいるのかも分からないけど、それ以前に俺が迷子なんですけど?」


 あれ? これ、普通に考えたら詰んでない?


「なんだか急展開過ぎてついていけねぇよ……」


 このメチャクチャな感じ……【果てなき悲愛の森】を思い出すわ。

 今にして思えば、何の説明もなくあんなぶっ飛んだ場所でよく生き延びられたものだね! ステータスの運とか1だったけど!

 半ばヤケクソ気味にこの後どうするか考えていると、不意にスキル『世界眼』の索敵が、気配を感じ取った。

 その方向に視線を向けると、まっ黒の体に、ギョロリとした輝きのない目が二つ浮いており、吊り上がった口からは白い歯が覗いている、すごく怖い存在がこっちをじっと見つめていた。


「ジー」

「怖い怖い怖い怖い!」


 何コイツ!? どっから現れた!?

 この恐ろしく不気味な存在は、本当にいつの間にか俺のスキルで察知できる中に現れたのだ。


「ジー」

「な、なんだよ……お前誰だよ……てか、そんなに見られると穴が開きそう――――」


 そう言いかけた瞬間、謎の存在の目が光り、俺めがけてレーザーが飛んできた。


「なんでやねん!?」


 思わず関西弁になりながら、俺は体をくの字に曲げ、レーザーを避けた。


「文字通り穴が開くところだったんですけど!? アンタ何なの!? 怖い顔しやがって!」

「ジー」

「だからレーザー撃つのヤメテ!?」


 謎の存在は、俺の言葉を無視して何発もレーザーを撃ち込んできた。

 それを俺は変な体勢で避けまくる。


「ちょっと、本当にアンタ何なの!?」


 俺はスキル『上級鑑定』を発動させた。


『悪霊Lv:???』


「お前が悪霊かよ!?」


 思わず俺はそう叫んだ。

 しかもレベルが分からねぇ! あれだ、テルベールのバルザスが経営してた魔物販売店で見たUMA以来だな! あのUMA……どうなったんだろうか?

 そんなことより、悪霊って言う霊だから、急に『世界眼』の索敵内に出現したんだろうか?

 もしそうだとするなら、悪霊の王も似たような能力を持っていそうだし……探すの無理じゃね? いよいよ詰んでますね!

 俺は腰に差してある『憎悪渦巻く細剣ブラック』と『慈愛溢れる細剣ホワイト』を抜き放ち、構えた。


「お前が悪霊って言うんなら、悪いけど倒させてもらうぜ」


 おそらく相手に伝わっていないだろうが、一応そう前置きをして、俺は悪霊に飛びかかった。

 あのバーバドル魔法学園を襲ってきたって言う白衣の男を殴り飛ばそうとしたときに、ある程度力加減というモノを覚えたので、世界に被害がない範囲でブラックを振るった。それに、スキル『無間地獄』の効果もあるので大丈夫だろう。……世界を心配するあたり頭おかしい。

 遠い目をしながら攻撃を悪霊に加えようとした。

 悪霊は、俺の速度に目が追いついておらず、未だに俺がさっきまで立っていた場所を見つめている。

 そして、ブラックが悪霊の体に触れたそのときだった。


「いっ!?」


 悪霊の体はぶにょぶにょで、ブラックが触れた瞬間にその衝撃が波となって悪霊の体を伝う。

 その衝撃は、悪霊の体の下まで移動したかと思うと、急に逆行を始め、俺の方に向かってくるのが確認できた。

 それを確認した瞬間、嫌な予感がした俺は、急いでその場から離れた。

 すると――――。

 ズパンッ!

 凄まじい衝撃音。

 俺がさっきまで立っていた場所に、とんでもない大きさのクレーターが出来上がったのだ。


「おい、嘘だろ……」


 思わず冷や汗が俺の頬を伝う。

 悪霊は、まるで何もなかったかのように平然とその場に佇んでいた。


「アレ……どう考えても俺の攻撃がそのまま跳ね返されてたよな?」


 俺の攻撃が跳ね返され、その上相手は無傷。

 はたから見れば、俺がそんな相手に恐れているように見えるかもしれない。

 だが、俺は別のことで頭がいっぱいだった。


「俺の攻撃ってあんなに凶悪なの……!?」


 今さらかよって思う人がいるかもしれないが、こうして自分がその脅威にされされたことで、より強く俺の攻撃力の異常さを実感させられた。

 俺の攻撃が効かない? んなことはどうでもいいよ! それより俺が災害級の攻撃を振りまいていたことに戦慄しているんだよ!


「やべぇ……これからもっと真剣に力の使い方考えねぇと……」

「ジー」


 どこか悪霊の雰囲気が、不機嫌なものに変わったように思えた。

 実は、俺の攻撃が効かないことに絶望する様子を楽しみにしていたような雰囲気をさっきまで振りまいていたのだが、俺が別のことで驚いていることをどうやら悪霊も察したらしい。俺にとっては死活問題なんだよ!

 しかし、それは悪霊にとって気に食わないことだったらしく、再びレーザーを乱射してきた。


「ジー!」

「あっぶねぇな!? ちょっとは落ち着け!」


 俺の声に耳を傾けることもなく、悪霊は攻撃の手を緩めない。

 取りあえず、物理攻撃が効かなかったわけだが……魔法はどうだろうか?

 俺は火属性初級魔法の『ファイア』を使用した。


「おらっ!」


 初級魔法とはとても言えないようなとんでもない火の塊が、悪霊めがけて飛んでいく。

 すると、悪霊はレーザーを撃つのをやめ、『ファイア』をその身で受けると、やはりこちらへと跳ね返してきた。


「おいおい……これどうすればいいのよ」


 物理無効・魔法無効の相手にどうやって戦えばいいんでしょうね?

 不思議なことに、そんな相手と戦っているにも関わらず俺は焦ることがなかった。

 だが、不意に他の気配を察知し、目の前の悪霊を警戒しながらその方向に意識を向けると……。


「oh……」

「ジー」

「ジー」

「ジー」

「ジー」


 大量の悪霊が、俺の方をじっと見つめてきていた。

 てかとんでもなく怖いんだけど!? そもそも俺幽霊とかホラー系苦手なんだけど!? 家に帰りたい! 帰る家ないけどね!

 思わず引きつった笑みを浮かべていると、悪霊たちはいっせいにレーザーを発射してきた。


『ジー』

「それはシャレにならねぇ!」


 急いでその場にしゃがむと、俺の頭上を大量のレーザーが通過した。

 だが、俺が避けたことで、レーザーは別の悪霊に当たっては跳ね返すの繰り返しで、起き上がろうにも頭上をずっとレーザーが飛び続ける事態になってしまった。


「本当にこれ詰んでない!? この状況で悪霊の王様倒すとか無理でしょ!?」


 頭に被弾しないように、両手で頭を押さえて蹲りながらそう叫ぶ。

 そもそもどうやって倒せばいいの!?


「もう嫌だ! ヘルプ! ヘルプミィィィィィィイイイイイイイイイ!」

「了解した」

「へ!?」


 思わず誰に届くわけでもない助けを呼んだら、どこからともなく返事がきた。


「ジッ!?」


 すると、不意に悪霊のくぐもった声が聞こえた。

 その方向に視線を向けると、一体の悪霊の胸? の辺りから、俺の持つ【憎悪渦巻く細剣ブラック】と非常によく似た剣が、突き出ていた。

 悪霊からその剣が引き抜かれると、その悪霊は光の粒子となって消滅した。

 その光景を呆然と眺めていると、一人の美丈夫が姿を現した。

 白銀の少し長めの髪を真ん中分け……センターパートって言うんだっけ? とにかく、そんな感じの髪型をしており、エメラルドのような瞳を持つ目は、俺を穏やかに見つめていた。


「久しぶりだな、誠一殿」

「ファッ!?」


 どちらさん!? 俺にこんなイケメンな知り合いいませんよ!?

 混乱する俺をよそに、美丈夫は俺に近づいてくる。

 よく見ると、どこかで見たことのあるような、喪服を思わせる漆黒のローブと質のいい服を身に纏っている。まるで貴族のようないでたちだ。

 美丈夫の出現に驚いていると、周囲の悪霊が怒り始めた。


「ジー!」

「ジー!」

「ジー!」

「げっ!?」


 悪霊たちの様子に思わずそう声を出すと、突然、漆黒の槍が数体の悪霊を貫いた。


「僕たちも加勢させてもらおうかな?」

「すみません……私は戦えないのですが……」

「あはははは! そうだったねぇ……なら、あちらにいるメイドのお嬢さんと待ってなさい」


 のんびりとした男性の声と、優しそうな女性の声が、俺の耳に入って来た。


「うーん……久しぶりに戦うのに、その相手がこれじゃあねぇ……まったく、面倒だ」


 視線を向けると、穏やかな表情をした黒髪黒目の男性がそこにいた。

 すぐ近くには、エプロンを身に着けた女性とメイド服を着ている女性もいる。

 そんなことよりも、俺は黒髪黒目の男性の姿を見て、呆気にとられていた。

 なぜなら、男性の額からは、立派な角が二本、生えているのである。これは、前に出会ったベルたちと同じ特徴だ。ということは……魔族? よく見ると、エプロン姿の女性の額にも角が生えてるぞ……。

 美丈夫の様に体格がいいわけではないが、整った容姿の黒髪黒目の魔族は、これまた豪華な黒を基調とした衣服に身を包み、真紅のマントをたなびかせていた。


「さて、それじゃあ――――さようなら」


 魔族の男性が軽く両手を広げると、無数の漆黒の槍が空中に浮かび上がり、悪霊めがけて飛んでいった。

 俺の攻撃は吸収されたのに、美丈夫や魔族の男性の攻撃はあっさりと悪霊の体を貫き、どんどん数を減らしていく。

 その光景は、まるで『魔王・・』のようだった。


「俺たちも行くぜ!」

「おう!」

「分かったわ!」

「頑張ります!」


 もう既にこの状況について行けてないというのに、今度は四人のパーティーが姿を現し、悪霊に攻撃を始めた。

 一人は、ムキムキの大男で、重厚な鎧を身に纏い、悪霊のレーザーを分厚い盾で防いでいる。

 旅人の様に、質素な服装と茶色いローブを身に纏った青髪の青年は、大男が攻撃を防いでいる隙に悪霊を剣で攻撃して倒していた。

 狩人のような姿の軽装備で、赤髪の勝気そうな少女は、弓矢で悪霊たちを撹乱させていた。

 最後の一人、純白のローブに身を包んだ金髪の少女は、大男たちに付与魔法を使い、攻撃力などを高めるほか、自身も攻撃魔法を使用して悪霊たちを倒している。

 もはや訳が分からない。

 俺の攻撃が効かなかったのに、いきなり現れた人たちの攻撃が通っていることもそうだが、それ以上に――――。


「アンタら誰!?」


 本当に何者!? 急に現れたと思ったら助けてくれるし……ちょっと待て。よくよく考えると、それはそれで怖いな! これ、お金取られたりしないよね!? お金はたくさん持ってるけど、心情的に恐怖しか感じないよ!

 気づけば、俺を取り囲んでいた悪霊たちは、急に現れた人たちによって、完全に消滅させられた。

 さっきまでは、ホラー的要素で恐怖していたのだが、今はお金を取られないかという心配で恐怖している。

 そんな俺の心情などお構いなしに、美丈夫は俺のもとまでやって来た。


「この姿で会うのは初めてだな」

「は、はぁ……えっと……どちら様ですか? お金ですか? お金が欲しいんですか?」

「お、お金!? 誠一殿、何か勘違いしていないか?」


 美丈夫は、困った顔を浮かべる。うん、美形は何やっても美形だな! 羨ましい!

 そんなことを思っていると、エプロン姿の女性と離れた位置にいたメイドの少女が、美丈夫に近づいた。


「ゼアノス様……誠一様はゼアノス様を分かっていないようですが……」

「む? それもそうか……」


 何やら納得した顔で美丈夫は頷いた。ってか、今ゼアノスって……?

 まさかという気持ちで目の前の美丈夫を見つめていると、彼は優雅なお辞儀をした。


「改めて名乗らせていただこう。――――ゼフォード公爵家当主、ゼアノス・ゼフォード。【果てなき悲愛の森】以来だな? 誠一殿」


 穏やかな笑みを浮かべる美丈夫――――ゼアノスは、そう言った。

 それを受けて、俺は…………。


「はあああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」


 全力で驚いた。

 だって! だって!? ゼアノスだぞ!? 【果てなき悲愛の森】で戦った、あの暗黒貴族ゼアノスだよ!?

 あの時骸骨だったじゃん! それがどうよ? スゲェ美形じゃん!? 自分でも何言ってんのか分からなくなってきたよ!

 じ、じゃあ、その隣にいる少女は……?

 そんな気持ちが顔に出てたのか、メイドの少女も洗練された動きで、お辞儀をした。


「初めまして。私はゼアノス様にお仕えする、マリーと申します」

「マリーぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」


 やっぱりね! そうだと思ったよ!

 ゼアノスの人生を読んで知った、健気なメイドのマリーだった。

 顎が外れそうなほど驚いていると、先ほどゼアノスと一緒に悪霊を倒していたメンバーが、全員集まって来た。


「ゼアノス、無事に会えたようだね」

「ああ……間に合ってよかった。貴殿らも、助力感謝する」

「気にしないでくれ。俺たちも、こうして再び自我を取り戻したわけだし、協力するのもやぶさかではないさ」


 魔族の男性と、旅人風の青年が、ゼアノスと会話をしていると、不意にこちらに視線を向けてきた。


「君が誠一君だね」

「あ、あの……どうして俺のことを?」

「それはここにいるゼアノスと、とある二人から話を聞いたからさ」

「へ?」

「俺たちは、誠一の現状を理解している。何せ、俺たち自身が誠一という存在によって、自我を取り戻せたわけだからな。そんな連中がこうして集まって、お前を助けに来たのさ」

「は、はぁ……」


 どうしよう。出来の悪い俺の頭じゃ、ついて行けない。

 つまり、どういうこと?

 俺の様子を見て、笑みを浮かべた魔族の男性は教えてくれた。


「僕たちも今倒した悪霊の様に、元々は自我のない幽霊としてこの冥界を彷徨っていたのさ。でも、君という存在がこうして冥界に現れたことで、君と多少の縁を持った僕たちが、自我を持つ事が出来たんだよ」

「縁?」


 ゼアノスは分かる。なんせ、直接戦ったわけだからな。

 だが、他のメンバーは誰も知らないんだが……。

 そう思っていると、魔族の男性は自己紹介をした。


「取りあえず、自己紹介から始めようか? 僕はルシウス・アルサーレ。最初の魔王……って言えば分かりやすいかな?」


 分かりません。

 分かるわけないだろ!? 最初の魔王!? 初っ端から飛ばすねぇ!?

 い、いや、落ち着け。まだ本物と決まったわけじゃない!


「知ってるかは分からないけど、まだ魔族の国がないころ、黒龍神とかの頼もしい仲間と一緒に、みんなが平和に暮らせる国を建国したんだ。他の仲間は寿命で死んじゃっただろうけど、黒龍神たちは元気かなぁ」


 本物だったよっ!


「んじゃあ、俺たちだな。俺はアベル。アベル・スターディアだ。一応、勇者なんてものをしてたな」

「はあああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

「俺はその仲間のガルス・ロッカードだ。戦士だぜ」

「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

「アタシは狩人のアンナ・リュードよ」

「ふううううううううううううううううううううううううううううううううう!?」

「私は賢者のリリアナ・モルストです」

「へえええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」



 ここは『ほおおおお!?』っていきたいところだけど、もうダメだ、これ以上は俺の頭が弾け飛ぶ!

 アベルってあれだろ!? 【果てなき悲愛の森】でサリアが持ってた日記の人だろ!?

 縁って一体何!? どの程度が縁になるわけ!?

 頭が混乱していると、エプロン姿の女性が、苦笑い気味に自己紹介をした。


「私はナチュリアーナ・グリーンドです。私は特にすごい人でもないですし、縁と言われてもピンとこないのですが……」

「は、はぁ」


 確かに、ナチュリアーナさんに関しては、俺もまるで分らない。

 まだ、アベルたちはどこかで名前を聞いたことがあったりしたのだが、ナチュリアーナさんに関しては、本当に何も知らないのだ。どこで縁ができたんだ?

 首を捻っていると、ルシウスさんが笑顔で言う。


「さて、僕たちの自己紹介は済んだけど、まだ会わせたい人たちがいるんだ」

「あ、会わせたい人?」


 誰だ? それ……。

 というより……。


「あの……ルシウスさんたちはいいんですか? その……アベルたちと一緒にいて……」


 衝撃が強すぎて忘れかけてたが、ルシウスさんは最初の魔王だし、アベルたちは勇者なのだ。

 普通なら激突してもおかしくないんだけど……。


「それなら大丈夫だよ。当時は確かに怒りに身を燃やすこともあったけど、僕を討った勇者と戦って、勇者も被害者だってことを知ったからね」

「俺たちも、当時の魔王を討伐して、ピエールに裏切られてから、魔王という存在の本当の姿を知ったんだ。俺たちは知らなさ過ぎたんだ……」

「……暗い話はやめよう! そんなことより、君に会ってもらいたい人がいるって言ったね?」

「え? あ、はい。えっと……それは誰ですか?」

「慌てなくても、すぐそこに来てるよ。さっきは危ないから、一人護衛をつけて、離れた位置にいてもらったんだ。彼らは、ナチュリアーナたちよりも非力だったからね」

「?」


 ますます訳が分からず、ゼアノスたちに促されるままついて行くと……。


「……待ってた」

「へ!?」


 そこにいたのは、黒龍神を倒したダンジョンで出会った、宝箱だった。


「ど、どうしてここに!?」

「……おれ、縁ある……お前に、倒された……」

「まだ根に持ってる!?」

「……いや、もう恨んでない……それより、早く会う……」

「もう訳が分からねぇよッ!」


 本当に縁の範囲が広すぎてわけ分からねぇ! 宝箱はこうしているのに、それ以外に倒したサンドマンとかクレバーモンキーとかは見かけないし……。

 頭に疑問符を浮かべまくりながら先に進み、そこで待っていた人物を目にして、俺は頭が真っ白になった。


「会いたかったわ……」

「元気にしてたか?」


 俺を待っていた人物は――――両親だったのだ。

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― 新着の感想 ―
レジェンドの皆さん、宝箱さんに驚愕してたらご両親と来たか 冥界も粋な事してくれるじゃないの
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