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空人は気ままに世界を歩む  作者: しんた
第七章 後悔をしないように
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優しい日々を

 ――その日、俺は夢を見た。

 極々ありふれた、日常の夢を。


 日本にいる家族と一緒にフラヴィとブランシェ、そしてエルルが楽しげに過ごすありふれた日常のひと時を。

 不思議とあの樹の女性もいることに驚きと、妙な安らぎを俺は感じていた。



 夢とは、睡眠中にいかにも現実であるかのようなイメージを体感したり、希望や願いからそういった幻想を見る現象、もしくは将来なりたいものや、こうありたいと願う未来のことだ。


 今見ているものは、俺自身が体験した現実ではない。


 だからこれは、俺がこうありたいと願う"未来"なんだろう。

 俺は、こうしてみんなと、日本で過ごしたいと願っているんだろう。


 穏やかに思える、未来の日常を。

 希望が込められた、優しい日々を。


 その安らぎの中を生きたいと望みながら、俺は大切な家族と共に未来の日々を、ほんの少しの間だけ静かにすごした。

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