優しいな~♪
「ただいまー」
玄関を開ける音と、兄貴の声が聞こえた。
時間を確認すると、もう4時だった。
もうこんな時間か、と思いながら、俺は布団から起き上がり、下へと降りていった。
俺がリビングに入ると、兄貴が欠伸をした。
「兄貴、おかえり」
「ただいま…………熱は下がったのか?」
「ああ…………」
俺はそう言って、兄貴の前のテーブルの上を見る。
が、そこにあるはずのオムライスがない。
「兄貴、そこにあったオムライスは?」
「食べたけど…………食べちゃいけなかったのか?」
兄貴は少し不安そうに聞いてくる。
「いや…………兄貴が食べると思って紗弥が置いておいたやつだから」
「そうなのか! 紗弥は兄思いで優しいな~♪」
なんかいい間違えたような気がする。
…………兄貴が食べると思って置いておいた食べ残し、って言うほうが正しいのかもしれないけど、兄貴もああいってるし別にいいか。
「それより、俺の愛する妹たちは大丈夫か?」
「大丈夫だけど…………愛する妹たちって…………」
「駄目か?」
「駄目かどうかというより、外でそんなこと言うなよ?あいつらが兄貴を半殺しにしかねないからな」
「それくらいわかってるって。人前で俺は、物静か
にするって決めてるから、大丈夫だ!」
その言葉を信用して良いのやら…………。
まあその時はその時でなんとかなるだろう。
「あっ、兄貴おかえり~」
上から紗弥が降りてきた。
さっきまで寝ていたので、寝癖がついていた。
「紗弥! オムライスありがとな!」
「?…………別にいいよ~」
紗弥は寝ぼけているのか、口調がふにゃふにゃしている。
「紗弥、もう熱はないよな?」
「ないよ~…………どうしてそんなこと聞くの?」
紗弥の口調はだんだん普段と同じようになってきた。
「口調がいつもと違ったからな」
「ちょっと寝ぼけてただけ」
「そうか。それ聞いて安心した…………風呂でも入ってくるか」
そう言って兄貴はリビングを出ていった。
…………あれ?
今、紗弥に
「一緒に入るか!」
とか言わずに、黙って一人で風呂に…………。
兄貴も成長したんだな!
俺は勝手に納得していた。
後で考えると、紗弥の調子が悪いと思って言わなかっただけなのかもな、と俺は思った。
こちらの更新ペースを落とす、もしくは更新ペースを落とさずに新しい小説をかこうかなーと思っています!
シンプルな性転換ものだと思いますけどね。
誤字があったりするときはメッセ、コメントで教えていただけると幸いです!




