実はね…………
「ご馳走さま」
紗弥が一番最初に食べ終わった。
やっぱり量が少ないから、食べるのが早いんだろうな。
俺はカレーを口に運びながら、紗弥をみてそう思った。
「ご馳走さま!……それより紗弥、もう少し食わないと成長しないぞ?」
兄貴が言った。
ていうか食べるの早すぎだろ。
四人前……いや五人前は食べてたぞ。
あんな食いかたしてたら腹……壊さないか。
兄貴の胃と常人の胃を一緒にしてしまった。
絶対作りが特殊だからな。
「ちゃんと寝て、体も動かしてるから食べなくても成長する…………よね……」
紗弥が俺を心配そうな目でみてくる。
そんな目で俺をみないでくれ。
「せ、成長すると、思うよ」
噛んじゃったよ。
どうする俺!?
「輝が、そういうなら心配ないね!」
弥は喜びの眼差しを俺に向けてくる。
良かった。
気づいてないみたいだ。
片付け終わって、今いるのは俺達の部屋。
トントン
「お兄ちゃん、ちょっといい?」
ドア越しに恵が聞いてきた。
「入っていいぞ」
「うん。……あのさ、もう一人のお姉ちゃんはあそこで何してるの?」
…………いってしまおうか?
どうせ言うことになるんだし。
でも先に紗弥に確認をしないとな。
「待ってる」
俺が確認する前に紗弥が言った。
すべて話すのだろうか?
「何を待ってるの?」
「体が返ってくるのを」
「体が返る?」
「実はね…………」
明日はもう少し早く更新したいと思います。




