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俺の従兄弟は俺です  作者: 氷瀬 豊
一章 ~一学期~
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宜しくお願いします!

「それにしても輝弥、あの娘結構可愛いな」


弘喜がいった。

確かに、可愛い。

無茶苦茶可愛い、と言うほどでもないが。

「やめとけ。あいつ男と付き合おうなんて、全く思ってないだろうから」


「なんだって!?まさか…………」


「だからと言って、女子に興味がある訳でもない…………と思う」


もとが男だからな。

もしかして…………。

まぁいいか。



ホームルームのチャイムが鳴り、山谷が入ってきた。

「お前ら席につけ」

入ってくるなり、山谷が言った。

「早速だが、今日は転校生が来てる。入ってきていいぞ」

紗弥が教室に入ってきた。


「自己紹介をしてくれ」


「はい。奥多 紗弥といいます。皆さん宜しくお願いします。あいつとは、一応従兄弟の関係です」


紗弥が俺を指差してそう言った。

「とりあえず君の席は、その奥多君の横だから」


「はい」


そう言って紗弥が横の席に座った。

「宜しくね、奥多さん」


紗弥の後ろの席の川上 優夏が言った。

川上とは、弘喜と同じ幼なじみだ。

「こちらこそ宜しく、川上さん」


すると、川上が驚いたようだった。

「えっ……何で私の名前知ってるの?」


「えーっと、それは…………名札をみたんだよ!」


名札は、髪に隠れて見えてないが、川上は気づかなかったので、

「あぁそっか」

と言って納得した。

なにやってんだ。

心のなかで俺はそう呟いた。



ホームルームはそれで終わった。

そのあとは入学式が行われて、下校となった。



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