買い物
午後1時、俺たち五人はショッピングセンターに来ていた。
ちなみに親父が家で留守番。
俺は荷物持ち。
普段は3人で来るのだが、兄貴が紗弥の服を選ぶとか言って兄貴もついて来た。
「まずは普段着から、見に行きましょう!」
母さんが言った。
テンション高いな……
それに比べて紗弥は…………
テンション低いとかってレベルじゃない。
朝のこともあって、更に低くなっているのだろう。
「今日で俺も……」
とか呟いてるし。
今日一日大丈夫なんだろうか。
とりあえず服は買っとかないといけないし、仕方ないか。
俺は母さん達といっしょにゆっくり店のなかを回っていたが、兄貴は店中歩き回り、いろんな服を手に持ちながら、他の服をまだ手に持とうとしていた。
しかも兄貴が選ぶのは派手なものばかり。
とても紗弥が着るとは思えないものばかり。
「紗弥に似合いそうな服一杯持ってきたぞ!」
とか言ってるけど、思った通り紗弥は、
「そんなの着るもんか!」
と怒鳴っていた。
そりゃそうだよな。
それに比べて母さんが選ぶのは落ち着いた物が多くて、無茶苦茶派手なものはない。
「とりあえず最初の内はあまり派手なものは、着たくないでしょ?」
「最初は…………って、これからも着ないからね!!」
母さん、最初の内って、兄貴とあんまり変わらないぞ。
やっぱり親子だな、と、俺はこのとき思った。
そのあと母さんが選んだ紗弥の服や、生活用品などをかってから帰った。




