泣くなよ……
いつもと同じ天井。
ケータイの電源を入れると6時34分と表示されていた。
「起きたのか」
椅子に座っている紗弥が言ってきた。
「あぁ、ちょっと変な夢を見てな」
「どんな夢だ?」
一年後にお前は消える、なんて言えない…………
誤魔化すか。
「そんなことどうでもいいじゃねぇ……」
「よくない。お前も同じ夢、いや……話を聞いたはずだ 。『紗弥』からな」
こいつ分かってて聞いたのか?
そんなこと、今はどうでもいいんだ。
「お前も聞いたのか?」
「あぁ全部な。お前にも同じことを言っておくから、っていってたんだよ…………」
そう言って紗弥は俯いてしまった。
「どうしたんだ?」
「怖いんだよ。一年後には消えるって考えると怖くて怖くてたまらなくなるんだ……グスッ」
そう言って紗弥が泣き始めてしまった。
こういう時は何て言えば……そうだ!
「泣くなよ。お前はおと…………めだな」
男って言いかけたよ……。
完全に間違えたよ。
後今のはわざとじゃない!
「一年後に消えるとしても、今消える訳じゃねぇんだから、もう泣くなよ、な?」
「グスッ……うん……」
「今はそんなことは忘れて、今を楽しめばいいじゃないか」
俺がそういうと、紗弥は
「うん!!」
と言って微笑んだ。
テスト期間に入ったので今週は後1,2回しか更新できないかもです。




