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俺の従兄弟は俺です  作者: 氷瀬 豊
一章 ~一学期~
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一年後には…………

そこは白の世界。

他にはなにもない。

(ここは何処なんだ?)


突然目の前に紗弥が現れ、

「はじめまして、貴方が奥多 輝弥君だね?」


と言ったので 、

(はじめまして?何言ってるんだお前?)


と言おうとしたが、声がでない。


「声がでないのは、初めだけだから心配しなくても大丈夫。あと私は、貴方が知っている紗弥じゃないから」


(こいつ俺の考えてることを…………いや、それより今のはどういう意味なんだ?)


「早い話が、あの娘の体は私の体なの。同じ顔でしょ?」


「確かに……あっ、しゃべれる」


「で、もう一つ言うと貴方は違う世界の私」


「だから?」

それが今の話と、なんの関係があるのかわからない。


「つまり、私の体だけ貴方達の世界に飛ばされたみたいなの。まぁこっちの世界じゃよくある話なんだけど…………今回の場合は異例でね」


「異例?」


「そう、異例。普通、別世界に飛ばされた場合、すぐに体が戻ってくるはずなんだけど、私たちの家系だけ、たまに性別が逆の世界になっちゃうの。そうなると体はすぐに戻ってこない、ってわけ」


そうなのか……って

「それじゃあ先祖が変わったりしねえのか?」


「えっ……そんなこと気にしてなかったら…………」

知らないのか。


「で、君の体はいつ戻るの?」


「一年ぐらいで戻ってくるはずなんだけど…………」


「おい、もしかしてあいつ一年後に消えるのか?」


「うん……そろそろ時間だからまた今度」


「ちょっと待…………」


そういいかけたところで、俺は目を覚ました。

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