食べられるのか?
俺たちは何事もなくファミレスに着いた。
道中、兄貴が紗弥に、
「お兄ちゃん♪って呼んでくれよ~」
って連呼してたけどね。
来たのは、家からそう遠くないファミレス。
入ってみると、時間が時間だったのでにそんなに混んでいない。
「いらっしゃいませ。 何名様でしょうか?」
「四人です」
「ではこちらへどうぞ」
そう言って定員さんは俺たちを案内してくれた。
そのあとに冷水とメニューを持ってきて、
「ご注文が決まりましたら、そちらのベルでお呼びください」
そう言って定員さんは厨房(?)に戻っていった。
「何にしよう…………まぁいつもとおなじのでいいか。兄貴たち、決まったか?」
「あぁ」
「うん!」
「おう、いつも頼んでるのにする」
「「「えっ…………」」」
いつも頼んでるのって……
「ん、どうした?」
「そんなに食べられるのか?」
「…………わかんねぇ」
俺がいつも頼んでるのは「ミックスグリル」っていう結構ボリュームのあるメニュー。
そんな体のどこにはいるんだ。
まぁいっか、試せばわかるし。
そう言って頼んだのは、ミックスグリル四人前と少し小さめのハンバーグとサラダとライスが五人前。
すぐに食事は運ばれてきて、食べはじめたのだか…………
十分で紗弥、撃沈。
ライスを3分の1とハンバーグを半分食べただけ。
ていうか、食べる量少なすぎ…………
「もう駄目、ギブアップ…………」
「もったいねぇなあ。兄貴食うか?」
「ムシャムシヤ、ゴクッ……あぁ、もらうわ。もう俺のやつねえし」
食うのはやいな、兄貴。
まぁいつものことだし。
そのあとは俺と恵が食べおわって、兄貴がレジにむかい、俺たちは外に出た。
「はぁ、うまかった」
「やっぱり、兄貴ってやっぱりよくたべるよね」
「全くだ。あんなに食べてよく腹壊さねぇよな」
兄貴の食欲には驚く。
俺の三倍は食うし。
「それよりお前、全然食べねぇな」
「あぁ、自分でもびっくりした」
「まぁ、体がちいさ…………」
「それ以上言うな!」
体が小さいと言われるのが嫌いらしい。
そんなことを言っていると、兄貴が店から出てきた。
「やっぱり結構金いるな」
「やっと出てきた。ってそれは兄貴がよく食べるからだろ…………じゃあ行くか」
そう言って俺たちは家に帰っていった。




