第５２話　きまぐれ

海に行く事にした。

学校の前の駅で降りて学校と反対の方向に行く。

バスに乗る。

松浦町で乗り換える。

しばらく寝る。

ぐー。

アメリカ海軍の基地の前で右折して造船所の前を通って目的地に着く。

遊覧船に乗る。

大きな島の入り江に入る。

出る。

潜水艦の様な島の横を通る。

この沖には潜水艦が沈んでいる。

港に戻る。

水族館に寄る。

松浦町に戻る。

弓張岳の頂上に行く。

高射砲の台座に行く。

昼ご飯を食べる。

ばくばくがつがつがつ。

展望台に行く。

基地を見下ろす。

遠くに針尾通信塔が見える。

西海橋も見える。

ハウステンボスも見える。

大村湾が見える。

九十九島も見える。

ふぇっくしょん。

寒くなってきた。

松浦町に戻る。

四ヶ町アーケードに戻る。

途中の店の横の階段を上る。

駅がある。ディーゼルカーに乗る。

家の間を抜ける様にして、学校の側の左石駅を通る。

通り過ぎて、家の近くの駅に着く。

降りる。

友達に見つかる。

「どこ行ってきたと？」行き先を聞かれる。

「街と鹿子前に行ってきたとよ」

女言葉に慣れてきたなぁ。

「どげんしたと？」（どうしたの）

「どげんもせんばってん。行ってきとうなったとよ」（どうもしないけれど、行きたくなっただけ）

「寒かとにスカートで鹿子前ね？」

「よかろうもん。」（いいでしょ）

「デートやろ？」

「うち。だれともつきおうとらんよ」

ぎゃはははははははははははははははははははは。

「ゆうてみただけったい。わこうとろおもん」

友達と別れて家に帰る。

「ただいまー」

部屋に戻る。

脱ぐ。

寝る。

ぐー。