表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パチンコ大好き山伏女がダンジョンの下層階で遭難した美人配信者に注文通りハンバーガーセットを届けたら全世界に激震が走った件  作者: 羽黒楓


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/68

第23話 ダンジョン配信、本格始動!

 1週間後。

 零那(れいな)はいつもの山伏装束姿でそこにいた。

 黒髪の長いポニーテール、凛々しい眉、法螺貝に錫杖(しゃくじょう)

 虹子がじっと零那(れいな)を見つめてきている。


「なによ」


「いやあ、お姉さま、今日も綺麗でかっこいいなって……。宝塚の男役より素敵。お姉さまが男の人だったら良かったのに」

「いやあそうお? えへへへ」


 零那(れいな)は嬉しくて顔がほころんでしまう。

 最近、褒められるのがちょっと快感になってきた。

 パチンコで当たり引いたときほどじゃないけど。


「あと羽衣(うい)ちゃんも! かーわいい! 山伏なのにこんなにかわいいなんて!」


 虹子の言う通り、我が妹ながらかわいいわよね、と零那(れいな)は思う。


 そう、羽衣(うい)も今日は山伏装束なのだ。

 身長150センチもないちっこい身体、白い法衣に錫杖(しゃくじょう)

 法螺貝もきちんと持っている。

 ただ、小柄な身体に法螺貝は大きく見えて、そのアンバランスさがさらに可愛さを増していた。

 今日はふわふわの長い髪の毛を一本にまとめているが、それはそれで似合っていてすごく可愛らしい。

 零那(れいな)から見ても美少女だと思う。

 さらに、頭の上には頭襟ときんと呼ばれる黒くてちっちゃい帽子のようなものをつけている。

 天狗とかがつけている、あれだ。

 魔除けの効果がある帽子である。

 羽衣(うい)の小さな頭にちょこんと乗っていて、それがまた奇跡的に似合っている。

 真面目な顔をして立っている羽衣(うい)を見て、虹子ははしゃぎまくっている。

 

「きゃー! かわいい! かわいい! 抱きついちゃいたいくらいかわいい!」


 わかる、と零那(れいな)は思った。


 羽衣(うい)は褒められまくって顔を赤くしている。

 でも、表情はむすっとしたまま。

 照れまくってどんな顔をしたらいいかわかってないのだ。

 うーん、ほんとわが妹はかわいい。


 ちなみに、虹子はというとこちらもいつもの格好。

 防刃チョッキに魔導銃を腰に二丁ぶら下げている。

 中くらいのリュックを背負い、首にはスマホをぶら下げている。


「じゃ、ドローンを飛ばすよ」


 虹子がスマホを操作すると、地面に置いてあったトンボほどの大きさのドローンが宙に浮いた。


「一応何台か予備はあるけど、けっこう高いんだから間違って壊さないでよね」

「高いっていくら?」


 零那(れいな)が聞くと、虹子が答える。


「一台20万円くらいする。モンスターの攻撃とか勝手に避ける機能付きだし」

「けっこうするのね……」


 パチンコで20万円稼ぐとすると大変だ、うっかり法術を命中させて壊さないよう気をつけよう。


「さあてじゃあみんなで出発しよう! みんな、イヤホンもつけたね? それで視聴者のコメントが倍速で聞こえるから! 配信盛り上げるために視聴者とコミュニケーションとっていくんだよ! じゃあ、スタートォ!」


 虹子がスマホをタップすると、コメントが次々と音声として流れてくる。


〈お、始まった〉

〈こんにちレインボー!〉

〈待ってた〉

〈こんにちレインボー〉

〈こんにちレインボー!〉


「こんにちレインボー! 虹子だよー! さあ、今日は告知通り、今話題の山伏探索者、三日月零那(れいな)さんとその妹さんの三日月羽衣(うい)ちゃんがゲストです! この三人でダンジョン配信やっていくよー!」


 元気に挨拶する虹子。

 イヤホンで倍速のコメントが次々に読み上げられる。

 耳が痛いくらいだ。

 あとで音量調節しよう。

 っていうか、こんにちレインボーってなに。


〈すげえ、美人姉妹だ!〉

〈ほんとに山伏〉

〈法螺貝持ってるwww〉

〈超強いんでしょ?〉

〈特SSS級だもんな〉

〈ちょっと待って、妹ってまさか?〉

〈未成年だから匿名だったSSS級の修験者だったりする?〉

〈特SSS級とSSS級、姉妹だったのか!〉

〈超楽しみ!〉

零那(れいな)ちゃん、最高にイケメン〉

〈妹ちゃんロリっ子だぁ! 探索大丈夫なの?〉

〈やばい、今からワクワクが止まらない!〉


 こうして、三人のダンジョン配信が始まった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ