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30話 祝勝会とルイジアナ

☆第2章始まりです☆


お読み下さりありがとうございます。




「だから、俺は君の神じゃないって言ってるだろ?」


「いいえ。貴方様は私をお救い下さいました。(しゅ)と呼ばせて下さい」



現在、俺とカオリは冒険者ギルドの訓練室でアザミに会っていた。カイルとリーシャちゃんは俺の退院祝いを含めて祝勝会の買い出しに行っている。



俺が訓練室に入った途端にアザミに見つかり、跪かれて、神だの(しゅ)だの言われて困っている。



「なぁ。カオリあの時、凛々しい顔でなんとかするって言ったのにどういう事だ?」


病室で、アザミが神だのなんだの言い出した時には止めると言ったカオリを見ると、モジモジしながら俺達を見ていた。


「い、いやな。アザミがそうしたいって言うんならお姉ちゃん的には否定するのはどうなのかなって」


ダメだこいつ。妹に会ってからと言うもの、いつもの凛々しさは消えてデレデレモードになっていた。


「この、シスコンが」


「だ、断じてそういうんじゃないぞ! アザミにはこれからの人生やりたいようにしてやりたいという家族の愛情というやつだ!」


暴走したら止めるのもホントの愛情だって事をこいつはわかっていないな。


「主よ、今は魔族は愚か魔物すら満足に倒せない私ですが、必ず貴方様のお役に立ってみせます。ですから、傍に居ることを許可してくれませんか?」


アザミは未だに俺の顔を見ずに頭を伏せて片膝を着いている状態だ。

堅苦しい言い方だな。まったく


「要はパーティーに入れて欲しいってことだろ? カオリの妹だし、タリスマンの事も知ってる人物を他にやる理由もないからな。いいぞ。但し、主呼びは禁止だ。俺にはギマンという名前がある。」


そう言うとパッ!と頭を上げ嬉しそうな表情をした。


「ありがとうございます!ギマン様!」


様もホントは嫌なんだけどな。取り敢えずは神か脱却出来ただけでも良しとするか。


「これから、みんなで祝勝会するから一緒に来い」


「私みたいな者が行ってもよろしいのでしょうか?」


タリスマンに眷属化されて染み付いたのか元からの性格なのかは知らないが、アザミは相当自分の事を卑下している。まずはそこからだな。


「私みたいな者じゃない。奴隷や下僕でもない。お前はもう1人のアザミ=エンフェルトっていう闇耳長族(ダークエルフ)なんだ。好きに生きていいんだぞ」


こんな言葉で今までの悪夢が払拭されるなんて思っていないが、少しでも肩の荷が下りるくらいにはなって欲しい。


アザミはその言葉を聞いた途端、胸の奥にあったモヤモヤが少し晴れた気がした。


「はい。分かりました。そして、私決めました。尚更ギマン様に付いていきます。これは恩返しとかそういうんじゃありません。私が好きなように選んだ結果です」


強い意志を持った瞳を向けられ、これ以上は何を言っても変わらないなと思った。


「分かったよ。じゃあいつまでもそこに跪くな。これからは仲間として対等な関係だ。」


その言葉でアザミはやっと立ち上がった。

カオリは俺達の会話を聞きながら「良かったな。アザミ。ほんとに。」と涙を流していた。

こいつ妹の事になるとキャラ崩壊するな。


俺は冒険者ギルドを出る前に、命の恩人のカシミヤさんとルイジアナさんに会いに行こうとしていた。


しかし、今の時刻は18時で依頼から戻ってきた冒険者で受付は混雑していた。出直すかと考えていると、後ろから突然声をかけられる。


「おっ! やっと目覚めたのか! 寝顔でもカッコイイとは思ったが、起きたら更にイケメンだね!」


ナンパするような軽い口調で話しかけられ、後ろを振り返ると、軍人が着るような礼服姿で帽子まで被っている。藍色の髪を短くしている為、一瞬、男じゃないかと思った。


もしかしてと思い鑑定すると


『ルイジアナ=ベルモンド』女性 B:78 U:58 H:79

種族名:猫獣人(ワーキャット)職業:冒険者 犯罪歴なし 好感度10


Lv:62

HP:1510

MP:1200

攻撃:890

防御:810

魔法:720

速さ:1600

知能:400

器用:300


スキル

《修復》対象のダメージ、状態異常を修復する。

《俊足》10秒間だけ速さが100倍になる。CT3日


ここ最近、化け物ステータスしか見てなかったから、なんだか安心したわ。


俺はルイジアナさんだと分かったが、鑑定した事がバレると面倒なのでカオリに聞く。


「カオリ、この人は?」


カオリはその意図を瞬時に察して答える。


「この人はあの後、ギマンを助けてくれたSランク冒険者のルイジアナ=ベルモンドさんだ」


完璧だカオリ。名役者になれるぞ。


「お話は伺いました。ルイジアナさん初めまして、シノノメギマンと言います。先日はホントに助かりました。ありがとうございます。」


失礼がないように感謝を述べたが、ルイジアナはキョトンとしており、その後、笑い始めた。


「ハッハッハッ!! いやーごめんね! 決してバカにしている訳でないんだよ。超絶イケメンなのに物腰も丁寧で礼儀正しい。なるほど、あのお堅いカシミヤが気にかける訳だ」


敬語を使った俺に対してカオリは信じられないものを見たかのような視線を向けてきた。


俺だって人と状況によって敬語くらい使うわ。


「カシミヤさんにも後できちんとお礼に伺いますよ」


「あぁ。そうだね。カシミヤからのお願いじゃなければ私は動かなかった訳だしね。それと私には敬語を使わなくても大丈夫だよ。気にする人もいるだろうけど私は全くそんなことないから!」


「わかった。改めてホントに助かった。ありがとう。それで、いくら払えばいいんだ?」


敬語からタメ口に戻すとルイジアナは体を震わせていた。


「これはこれでギャップが凄まじい! カシミヤを応援したい気持ちはあるが...いいや抑えろ私!」


ブツブツと何か喋っており、1人の世界に行ってしまったが、唐突に自分の頬を叩き戻ってきた。


忙しい人だな。


「お金は大丈夫だよ。何かお礼がしたいというなら今度カシミヤにご飯でも奢ってやってくれたまえ」


「釣り合いが取れるとは思わないが了解した。」


「それじゃ、私はこれから依頼があるので失礼するよ。ギマン君、またどこかで。お連れの方々も」


ルイジアナはそう言うと颯爽と冒険者ギルドを出ていった。途中「これでいいんだ。これでいいんだ。」と意味不明な事を言ってたけど。


嵐のような人だったな。



ルイジアナとの話が終わっても冒険者の列は絶えず、カシミヤさんのお礼はまた今度にした。



「それじゃあ〜記念すべきタリスマン撃破とギマン復活、そして新しい仲間アザミちゃんの加入を祝して、乾杯!」


「「「乾杯!!」」」


その後、俺達は家に戻り、祝勝会をした。乾杯の音頭は我こそは!とカイルが取り、リーシャちゃんが作った美味しい料理を食べながら談笑する。


「ギマンにはホント感謝しかないわ!少し前までゴブリンに苦戦してた俺がまさか魔族を倒すなんて夢にまで思わなかった!」


カイルが酔っ払いながら俺に絡んできた。


「お兄ちゃん!お酒臭いよ!もう飲みすぎだよー!」


「いいじゃねぇか!こんな時くらい!かぁー!うめー!」


リーシャちゃんが注意をするが、カイルは酒を飲みながら逆ギレする。


「まぁ今日くらい好きにさせてやってもいいんじゃないか?カイルにしては頑張ってたし」


「あぁん?カイルにしてはってなんだよ!やんのか!?」


せっかくフォローしてやったのに。髭が俺のツルツル肌に当たって痛いんだが。


「カイル離れろ。老け顔が移る」


「だぁぁぁー!!これは老け顔じゃない!渋さだ!」


そんなカイルを見て、アザミ以外は笑う。アザミも最初は申し訳なさそうにしてたがカイルの酔っ払いぶりや俺の渾身のカオリの眷属化のモノマネなどを見て、次第に打ち解けていったが笑顔は見せなかった。


「カオリさん。戦闘で色々とごたつきましたが、どちらがギマンさんの正妻なのかここではっきりさせましょう」


「あぁ。私もその事を話そうと思ってた所だ。で勝負はどうする?」


「もちろん。先に酔い潰れた方が負けという事で」


「いいだろう。望むところだ」


なんだかカオリとリーシャちゃんが恐ろしい会話をしているのが耳に入った。2人はその後、カイルよりも多くの酒を飲み干し、20本目に突入した所で2人同時に倒れた。

10本目くらいから限界だっただろうに、譲れない意地があるんだろうか、鬼気迫る勢いで飲んでいた。


「アザミどうだ?楽しんでるか?」


「はい。私、生まれてきてこんなに楽しい日は初めてです」


眷属化してる時の記憶が残っているなんて残酷だろう。見たくもない光景を見させられ、憎い敵に従属し、心を壊してもおかしくない。


「これからはもっと楽しい日が来る。今まで辛い思いをした分、アザミは楽しんでいいんだ」


俺はアザミの頭に手を置き撫でる。涙を流しながら嗚咽するアザミをゆっくりと泣き止むまで待つ。


「はい...。ありがとうございます」


落ち着くとアザミは俺と顔を合わせた。その表情は少しぎこちなさはあるが笑みを浮かべていた。







リーラアギィア人類連合国 ノデビエ連合王城


「その《観測》は本当か?」


人類代表王デノンハウザー=ザーディ=トラソルは側近の《観測》のスキルを持つ者からの報告に耳を疑っていた。


「間違いございません。《観測》によると3日前の23時27分にシノノメギマン、カイル、リーシャ、カオリ=エンフェルトが五将血鬼(ごしょうけっき)の1人でもある貴族吸血鬼(アーデルヴァンパイア)タリスマンを消滅した。と出ています」


人類の歴史の中で魔族を撃退した事はあったが、消滅したことなど1度もなかった。我の側近がそんな出任せな嘘を並べる訳もない。《観測》のスキルの正確さは何度も経験しているがこの報告には疑ってしまった。


「わかった。至急、その者らをノデビエ城に連れて参れ。事と次第によっては手荒い真似をしてもよい」


「かしこまりました。」



ギマン達の知らないところで、その力を利用しようとする者達が画策していた。


--第2章も始まり皆様からの評価を知りたいです。


是非【ポイント評価】【感想】【ブックマーク】お願いします_|\○_オネガイシャァァァァァス!!



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