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150話 ギガクとミン

お読み下さりありがとうございます!




睨み合っていると、赤い霧がコクイに近づいていき、腕だけ実体化して爪で攻撃する。



コクイはいきなり現れた腕に戸惑う事なく錫杖で受け止める。



「なるほど。この霧は吸血鬼だったか、という事は吸血鬼と人類が手を組んだということか?」



コクイはこの状況を冷静に分析し答えを導き出す。



ヘクターとシャーリーは霧化(ミストモード)を解除して背中から翼を広げる。



「もうコソコソする必要は無くなってしまったわね〜。いくら三羽鴉といえど四人でやればすぐ済むわね」



「早く倒してアリステラ様の元に帰りましょう」




「吸血鬼でこのレベル...五将血鬼か。それにそこの人間とエルフもかなりやるようだ。さすがに我一人では厳しいだろうな。一人だとな...」



コクイが含みのある言い方をした時、寺院から二人飛び出してきてコクイの横に並ぶ。



「コクイ、こいつらか?我が王を狙う愚か者は?」



「吸血鬼だ!それに人間とエルフまでいる!珍しいなぁ〜」



突然乱入してきた二人もコクイと同じように口から上を隠しており、一人はずっしりとしたガタイの男で、もう一人はテンションの高い少女の姿をしている。



「あらまぁ〜三羽鴉勢揃いって所かしら?」


「どうせ出てくるんだ纏めて片付ければいいだけの話」


「結局こうなるのか」


「鴉さんの見た目じゃないんですね」



寺院の方にはカオリ達が倒した鴉の見た目をした者達が大勢出てきている。

三羽鴉の誰かがお前達では相手にならんと言って待機の命令をかけていた。



「そうだギガク、相手は序列3位『哀艶天(あいえんてん)』のとこの幹部だ。それにあの二人は知らないが、ここに来たからには実力はあるんだろう」



「ふん、知った事か。こいつらが我が王を狙うのならば叩き潰すまで」



「ねぇねぇ!生け捕りにしてもいい?僕吸血鬼の再生能力がどこまでなのか詳しく知りたいし、エルフの耳の解析もしたいし、人間がどれくらい脆いかも試したい!」



二人は少女の異質さを分かっているのか無視している。



「《赫十字双撃(ブラッディクロス)》」



話し合いをしていた三羽鴉にヘクターが攻撃する。その一撃をギガクと呼ばれていた男が錫杖で受け止める。



「話し合いは終わったか?さっさと殺して魔王の所に行く」



「躾がなってないな『哀艶天(あいえんてん)』は。部下がこれなら主の質もしれる」



「なんだと貴様?我が主を侮辱したな?バラバラにして魔物の餌にしてやる」



お互い挑発しあってヘクターとギガクはそのまま戦闘に入る。



「アリステラ様をバカにされたら激昂して周りが見えなくなる癖何とかならないかしら」



「あは!吸血鬼さん!僕と遊ぼうよー」



シャーリーがヘクターの短気具合に頭を抱えていると、少女の姿をした鴉天狗が目の前にやってくる。



「あら?おままごとは得意ではないのだけれど」



「アハハハ!面白いね吸血鬼さん!大丈夫殺さないよ〜久しぶりの獲物なんだから生きたまま色々実験したいからね」



「その見た目で随分といい趣味してるわね〜。いいわお姉さんが少し遊んであげる」



シャーリーは爪で自分の腕を傷つけ、爪に付着した血を舐める。



「やった!僕の名前はミンだよ!よろしくね」



ミンの武器は錫杖ではなく、独鈷(どっこ)という金属製の両端が尖った短い棒を両手に持ち、シャーリーへと飛びかかっていった。



カオリの《嵐剣(ストームブレード)》をコクイは錫杖で受け止める。並の武具や防御ならいとも簡単に破壊する攻撃をタダの棒に止まられてカオリは何か仕掛けがあるのか疑う。



「この錫杖が気になるのか?これは我が王から《不滅》の加護を得た物だ。そう簡単に壊れはしないから安心していい」



先程から心を読まれているかのように攻撃も見透かされ、思っている事も返答される。



「お前人の心を読めるのか?」



「そんな事は出来ないが、我は観察眼には自信があってな。目の動きや筋肉の収縮、相手の緊張、息遣い、様々な小さな情報から答えを導いている」



「え!?でも仮面してて見えないんじゃないんですか!?」



二人の真剣な会話にリーシャのアホな質問が飛んでくる。コクイとカオリは二人とも「目の部分は開けてるだろ」とつっこんだ。

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