145話 神雷の一撃と血の解放
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「皆さん1度下がっ...」
アステリオスの覚醒を見て、ゲーテが声をかけた時、真横を雷の槍が通過して、プリシラの胴体に突き刺さる。
「あがっ...な、なんだこれ...再生が追いつか..ねぇ」
雷の槍はプリシラを体内から物凄い勢いで焼き焦がそうとしているのに対して再生が追いついておらず、少しずつ身体がボロボロと黒炭になっていく。
「プリシラさん!血液魔法で一度退避を...」
「させると思うか?」
そこにいつの間にかアステリオスが迫り、ゲーテを地面ごと吹っ飛ばす。
「なるほど、あいつに触れる攻撃じゃなければ、あの変な能力は機能しないのか。ならあいつは最後だな。人間とエルフ、まずはお前らからだ」
ゲーテの《吊るされた男》の能力は逆さま。自身が受ける攻撃や与える攻撃をすべて逆さまにする事ができる。
初めの《閃光》状態のアステリオスを吹っ飛ばしたのも、攻撃を逆にしてアステリオスが自分自身の攻撃を受けたからだ。
かなり強い能力だが、弱点は自身に干渉するものでないと発動出来ないこと。さっきのように地面ごと吹き飛ばされると《吊るされた男》の能力は発動しない。後、相手からの攻撃を逆にするのも上限があり、その上限以上は逆に出来ない。
今のアステリオスの一連の行動をカイルとアザミは反応すら出来ていなかった。気づいた時にはプリシラに槍が刺さり、ゲーテが吹き飛ばされていたのだ。
「アザミ俺の後ろに隠れ...」
「盾もないのに隠れてどうする?」
ヤバいと感じ、アザミの盾になろうとした時にはもう《災厄払う神秘の盾》は破壊されていた。
「嘘だろ...まだ耐久値は300あったはずだ」
「やはりお前の盾は耐久値があるのか、だから今の俺の攻撃をあんなに防げたのか。納得がいった、ちなみに五発打ち込んだら壊れたぞ?」
今の一瞬でアステリオスはカイルの盾に五発も攻撃していたのだ。ありえないといった表情をしているカイルに左手で裏拳を放つ。速すぎるその一撃をかわすことなど出来なかった。
「さてと、お前はこの俺に二発もかましてくれたからな。二十発でミンチにしてやるよ」
《第六感》が今すぐ逃げろと教えてくれて《空中移動》で逃げようとするが、後ろから斧で叩きつけられる。
「あと十九発」
アザミは今の一撃で逃げ場を失った。斧で両断していればさっきの攻撃でカタがついたのに、ホントにアザミをミンチにしてようとしている。
地面に倒れ伏しているアザミにアステリオスの斧が振るわれようとした時
「《吊るされた男》!!」
ゲーテがその場に飛び込みスキルを発動させて、攻撃を逆にしてアステリオスに弾き返す。
だが、アステリオスは少し後ろに下がる程度でさっきのように吹き飛ばされはしなかった。
「やはり俺の攻撃を弾き返しているのか。それが無限なら確かに強いが、有限、それか上限があるのなら俺の勝ちは揺るがんぞ?試してみるか」
アザミに覆い被さるように守っているゲーテに、軽く五十発ほど斧で殴ってみたが全て弾き返される。
「この程度の攻撃は無限に弾き返せると。ならばこれはどうだ?《神雷の一撃》」
アステリオスの頭上に巨大な雷の槍が現れる。その槍を見たゲーテはアザミを抱えて、血液魔法で逃げようとする。
「ほう。その様子だと上限があったか。まぁいいエルフ諸共朽ちろ」
アステリオスが《神雷の一撃》は放とうとした時、空から声が聞こえる。
『フフッ、どうやら苦戦しているようね?仕方ないわね。リミッターを解除してあげるわ。《血の解放》、負けて私に恥をかかしたら許さないわよ?必ず勝ちなさい』
「アリステラ...なんのつもりだあの冷血女。まぁいいこの一撃で全てが終わる」
《神雷の一撃》を放ち、周囲一体を焼き焦がすその攻撃で全て終わる...はずだった。
《神雷の一撃》は血で形成された龍に飲み込まれる。
「かしこまりました。アリステラ様」
「久しぶりにこの姿になったな!何百年ぶりだ?」
そこには先程までとは纏っているオーラが違うプリシラとゲーテがいた。




