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140話 パリィと力不足

お読み下さりありがとうございます




アザミが瞬時に警告したおかげか、ゲーテの下半身は直ぐに再生する。



「アザミさん助かりました。それにしても新手が来ましたか...」



ゲーテとしては、新手が来る前に魔王を倒すまではいかなくとも少しくらいはダメージを負わせておきたかったのだが、そう都合よくいかない。



「アレ?潰しダはずなノニ生きてる。ナンデ?」



「四人のうち二人が吸血鬼だ。中々死なねーから捕まえたらお前の好きにしていいぞ。だからしっかり働け」



「魔王ザマホント!? オデの相手した女スグにコワレルから丁度よかった。オデガンバる!」



バルバトスは地面にめり込んでいる巨大なハンマーを難なく片手で持ち上げると、プリシラとアザミに狙いをつける。



「ドッチが吸血鬼かワカラナイけど、オデの攻撃でシナナカッタ方だな。ブモォォォ!!!」



動きはそこまで早くはないが、体長4mもある 牛頭鬼(ミノタウロス)が鼻息荒くして迫ってくるのは、威圧感が凄まじい。



「ゲーテ!どうすんだ!?」



「全員で対処したいですが、魔王から目を離す訳にもいきません!プリシラさん、アザミさんお願い出来ますか!?」



「おっしゃ!任しとけ!」

「了解」



バルバトスはプリシラとアザミが、アステリオスにはカイルとゲーテという組み合わせになる。



「俺の相手が二人で務まるのか?《閃光》」



超高速で移動しながら、ゲーテの首を狙った一撃はカイルの盾に阻まれると思いきや、盾でパリィしたのだ。



「っ...。顔の割には芸があるようだな」



「ギマンの言う通り練習しといてよかったぜ!ってから顔の割にはなんだよ!失礼だろうが!」



《閃光》状態のアステリオスを止めたのも凄いが、なによりその攻撃をただ防ぐだけではなく、パリィを成功させたのだ。



パリィは成功しなければ、そのまま攻撃をモロに受けてしまう危険性があり、アステリオスの攻撃はいかにカイルの防御が高いとはいえ、致命傷になりかねない。



その上でパリィという選択肢をとる度胸。まぁ本人はそんな可能性など考慮していない面があるのだが...。



ギマンはカイルのスキルの詳細を知った時に、耐久値がなくなればそこまでだと思い、いかにして耐久値を減らさないか考えた結果、パリィすればいいんじゃね?と思いついた。



それからカイルにただ防ぐだけじゃなくて、攻撃のタイミングを見計らい、パリィさせるように練習させていた。



最初はアザミの攻撃を何百回もモロに受けていたが、そのかいあってか、今では10回に1回は成功するようになっていた。



「ゲーテ、アイツの攻撃は絶対通さねぇから作戦頼むぜ! こいや牛野郎!」



「カイルさん凄いです!分かりました。援護しながら策を練ります」



挑発されたアステリオスは、顔を赤くさせ、体を震わせていた。



「いい気になるなよ?そんなに死にたいならお前から殺してやるぞ人間!」




アステリオスの矛とカイルの盾、どちらが上回っているのか根比べが始まった。





「《壊滅拳》!!」


「双王連撃」



背中から攻撃を完全にモロで受けたのにバルバトスは全くビクともしていない。



「チクチクスんなよぉ! 大人しくオデの女になれ!」



バルバトスはハンマーと共に後ろに振り向きながら攻撃するが、その鈍い攻撃を難なく二人はかわす。



「こいつタフだな!いいぜぇ!サンドバッグにしてやる!」



プリシラはそう言いながら、バルバトスに突っ込んでいき、ラッシュを繰り出すが、効いているようには見えない。



アザミはその光景を見ながら内心焦っていた。




(自分でも感じていたけど、私には攻撃力が不足している。あのデカブツの防御を突破するにはどうすれば)



前々から懸念していた攻撃力のなさが今回の戦いでは浮き彫りになっていた。



早くこいつを倒してカイル達のフォローに向かいたいが、アザミ以上の攻撃力を持っているプリシラですら、全く歯が立たない現状を見て、壁にぶち当たっていた。


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