138話 神斧とボアロパゴス
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「なるほど。人間と耳長族にしてはまぁまぁやる。そっちの吸血鬼はあの忌々しいアリステラの所の奴か。丁度いいお前らの首あいつの元に送ってやる」
アステリオスはカイル達を睨みながら、少し手合わせした感想を言っていく。
「さて寝起きの準備運動はここまででいいか。本気で殺してやる」
アステリオスの雰囲気が変わる。どうやら先程までの攻防は本当にただの準備運動だったらしい。
「カイルさん例の作戦お願いできますか?プリシラさん、アザミさんフォローお願いします。サポートは私が」
ゲーテの発言に皆が頷く。
「ではいきます!《鈍足》《視力低下》《泥酔化》」
まずはゲーテがアステリオスにデバフをかけていく。《鈍足》で相手の機動力をなくし、《視力低下》《泥酔化》によって対応能力を著しく下げる。
「これは皆さんに。《俊敏》《魔力遮断》《ダメージ減少》」
逆に味方には《俊敏》で速さを上げ、魔法をあまり使ってこないとは言っていたが、念の為、《魔力遮断》で一定以下の魔法を受け付けないようにし、《ダメージ減少》でもしもの時に備える。
正直やりすぎではないかと思えるほどのバフとデバブの数。だがゲーテは一切の躊躇いをなしにかけていく。
自身の身体の異常を察知したアステリオスはゲーテを睨みつける。だがその時には既にカイル達が接近していた。
「《剛腕》発動! 行くぜオラァ!」
カイルは盾を一旦消して、斧に持ち替えて《剛腕》のスキルを発動させる。近づかせてはマズイと判断したアステリオスは斧をカイルに向けて投擲しようとするが、左右からアザミとプリシラが迫る。
「《双王連撃》」
「《剛力羅刹》!!」
アザミの双剣から放たれる64の超高速の連撃と、プリシラのガントレットが高速回転しながら放たれる強烈な右ストレートが襲いかかる。
アステリオスは斧を投げるのをやめて、斧を持ったままその場で旋回し、アザミの連撃とプリシラの拳を相殺する。
だが二人のおかげで《剛腕》状態のカイルの攻撃がアステリオスに届く。
「真っ二つになれ!!」
いくら魔王とはいえ、攻撃が100倍になった今のカイルの攻撃を受ければ、カイルの言う通り真っ二つになるだろう。
だが、アステリオスはカイルの斧を左手の人差し指と親指で掴んでいた。
「ふんっ。調子に乗るなよ雑魚が」
アステリオスはそのまま斧を引き寄せると、カイルに目掛けて斧を振りかぶる。
「ゲーテ!」
「血液魔法《血染めの袖》!」
アザミが第六感でいち早く危機を感知して、ゲーテに知らせ、巨大な質量の血がアステリオスに迫る。アステリオスは舌打ちをして、掴んでいたカイルの斧を離し、攻撃を中止して後ろに下がる。
「俺の《剛腕》状態の攻撃をあんなにあっさりと...」
そんな中、カイルはありえないといった表情を浮かべる。
これまで幾度となく《剛腕》を使ってきたが、受け止められるのは初めてだった。
「バカイル!早く下がる!」
アザミの声に放心状態のカイルの目を覚ます。
「す、すまねぇ!」
カイルが慌てて下がり、四人が集まる。
「おかしいです。私のデバフがかかっている状態であそこまで動けて、さらにカイルさんの攻撃まで受け止めるなんて有り得ません」
「何かおかしい」
ゲーテとアザミは何かタネがあると、アステリオスを注視すると、一つだけ気になる事があった。それはアステリオスが持っている斧が翠色の光を帯びていた事だ。
「貴様らのやる事など無意味だ。俺の神斧ボアロパゴスは全てを打ち消す。無駄な努力だったな」
ゲーテのデバフやカイルの《剛腕》もアステリオスが持っている神斧ボアロパゴスに打ち消されたということだ。
あまりの理不尽な性能に四人はどうする?といった表情を浮かべた。
「考えても無駄な事よ。さっさと死ね」
考える時間を相手が与えるはずもなく、再び神斧ボアロパゴスを携えた魔王アステリオスが突進する。
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