137話 魔王と雄叫び
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牛頭鬼との戦闘はカイル達が有利に進めていた。
魔法も使わず、策もなにもなく、ただ身体能力に任せて攻撃してくる者など、今のカイル達からしたら相手にもならなかった。
カイルとプリシラは単純に力でねじ伏せ、アザミは空中を自由自在に動きながら第六感で攻撃をかわし、確実に首を刈り取る。
この戦いで一番活躍しているといえばゲーテだろう。ゲーテはあまり戦闘特化のスキルは無いが、相手をデバフしたり味方にバフをしたりするスキルが豊富な為、それを駆使して戦況を有利なものにしていた。
戦闘特化のスキルがないとはいえ、吸血鬼独自の血液魔法がある為、ゲーテも問題なく 牛頭鬼を屠っている。
「コ、コイツラツヨイ」
「エサジャナイ」
「オレタチガエサ」
と 牛頭鬼側もカイル達の強さに最初の勢いをなくし、逃げ腰になっていた。
「へっ!所詮牛風情だな!余裕だぜ!」
そう言いながらプリシラはガントレットで倒れた 牛頭鬼の頭を殴り付けトドメを刺す。
残りの牛頭鬼の数が10になり、「ブ、ブモォォォ!!」と雄叫びを上げ、恐怖を誤魔化しながら突進してくる 牛頭鬼。
プリシラはその姿を見て、これまでと変わらず正面から力任せに殴ろうとしていた時。
「プリシラ危ねぇ!!」
突如プリシラの前にカイルが立ちはだかり盾を構える。
プリシラはこの程度の突進に何を焦っているのだろうかと疑問に思っていた時、突進してくる 牛頭鬼ごと切断しながら、斧が高速に飛んでくる。
それをカイルが盾で受け止める。弾かれた斧はその場に落ちずに投げた者の手の中へとまた帰っていく。
「雑魚共では話にならんか。おい残ったお前ら、バルバドスを呼んでこい」
仲間の 牛頭鬼ごと攻撃してきたのは魔王アステリオスであり、残っていた同族に指示を出す。
「ボスデモアイツネテル」
「アイツオコサレルノイヤガル」
「オレラコロサレル」
そう言った瞬間、文句を言っていた 牛頭鬼達の首が飛ぶ。またもアステリオスが斧を投げたのだ。
「じゃあ選べ。今ここで死ぬか、バルバドスを起こして万が一助かる道を選ぶか」
残った牛頭鬼はその言葉を聞いた瞬間にとんでもない勢いで走り出した。後者を選んだのは誰の目でも明らかだ。
「遂に出てきましたね。援軍を呼びに言ったのでしょう。駆けつける前に早めに狩ります。皆さんご準備を」
今の一通りの流れを見てゲーテが早期決着を判断する。
アステリオスは駆け出した 牛頭鬼を見て「ふんっ」と一言。
「あの斧、盾でガードしたけどめちゃくちゃ重かったぜ。しかもいつも間にかあいつの手元にあるし、何かあるな」
「カイルさんきゅーな!よっしゃ!魔王ボコボコに殴ってやるぜ」
「牛退治」
元々は魔王を倒しにここに来た訳で、ここまでの戦闘は前座でしかなく、皆やる気に満ち溢れている。
「魔物狩って遊ぶのはもう飽きてきてたんだ。丁度いいお前らで遊んでやる」
アステリオスはそう言うと、地面が抉れるほどの勢いで踏み込み、超高速で接近する。
アステリオスの狙いはゲーテだった。先程の戦いで小賢しい事をしてくる相手を先に潰そうという魂胆だ。
だが、ゲーテの前にまたもや盾を携えたカイルが立ちはだかり、アステリオスの斧を受け止める。
「俺の一撃を止めるか。面倒くさいなお前」
「どうした魔王さんよ!?こんなもんか!」
カイルは強がっていたものの、今の一撃で《災厄払う神秘の盾》の耐久値が100も減っていた。
アザミとプリシラはカイルが攻撃を止めている隙に、横から回り込み、アステリオスへと攻撃する。
「ふんっ。煩わしい。ブモォォォォォォ!!!」
先程、プリシラに向かってきた 牛頭鬼とは比べ物にならないくらいの雄叫びを上げる。
雄叫びを上げたアステリオスを中心に周囲に衝撃波が放たれ、カイルとプリシラとアザミは吹き飛ばされる。
ゲーテが咄嗟に血液魔法で鎖を生成し、三人を繋ぎ止める。
「皆さん大丈夫ですか!?」
「すまねぇ!助かった!」
「あいつうるせぇな!しかも何だよあの衝撃は!」
「厄介」
カイル達の目の前には鼻から息を吐き出し、不遜な態度をした魔王アステリオスが佇んでいた。
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