136話 血肉の集会場とミノタウロス
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ギマンがアリステラに散々文句を言い、それを華麗に受け流していくという光景を後にして、ゲーテが全員に《魔力偽装》を施し、予めヘクターが座標をマークしていた所に各自飛ばされる。
「ここが【血肉の集会場】か。てか名前物騒すぎないか?」
「血生臭い」
「久しぶりに好きに暴れられるぜー!」
「昔この集会場では生きたまま魔物や人間などを捕まえて、嬲り殺しにしてたのが【血肉の集会場】の名前の由来ですね」
カイル、プリシラ、アザミ、ゲーテは序列15位 『牛怪天』アステリオスの元へと赴き、【血肉の集会場】へと呼ばれる場所で牛頭鬼 達が今も生きたまま魔物を解体して遊んでいる光景を目にしていた。
「うぇ...。もっと聞きたくなかったぜ。ってかこの魔物で遊んでいる中に魔王がいるのか?」
「いえ、恐らくはあの一つだけ少し豪華な天幕の中にいると思われますよ」
【血肉の集会場】には粗末な天幕しかない中、一つだけ大きく宝石などで飾り付けされているものがあった。
いかにもここにボスが居ますよという雰囲気を漂わせているあたり、アリステラの言う通り、知能はそこまで良くはないのだろう。
「で作戦はどうするんだ?何かギマンからアザミやゲーテの言う事にしっかり従えって言われたからよ。俺的には正面突っ切って周りの牛達を倒した後にボスを倒すって作戦がいいと思うんだが、どうだ?」
もはやそれは作戦と呼べるのか定かではない。
「おう!俺もそれでいいと思うぜ!でも俺もアリステラ様からゲーテの言う事聞きなさいって言われたからゲーテに従うぜ!」
この脳筋コンビをよく知っているギマンとアリステラは先に手を打っていた。じゃなきゃこの二人だけでさっきのカイルが言った戦法をとっていた所だろう。
「アリステラ様感謝します。アザミさんは何か思いつく事はありますか?」
「ここまでバカ騒ぎをしてるからそれを利用しない手はない。各個撃破していくのがいい」
「私もそれは考えていました。私が《静寂化》のスキルを使いますので、あまり大きな音をたてない限りら私達の攻撃や足音、気配などを消せますから、最初はそれで数を減らしましょう。姿を消せるわけではないですから、もしバレた時はカイルさんが言っていたように正面証しましょう。出来れば魔王が出てくる前に全部駆逐しておきたいところですね」
ゲーテの作戦にカイルとプリシラは「おぉー」と言いながら拍手している。目の前でバカ騒ぎしている牛頭鬼 は約60体。これで全部とは分からないが、数を減らすことに得があるのは変わりない。
ゲーテは《静寂化》のスキルを発動する前にカイルとプリシラに「大きな声も駄目ですからね?」と言うと、二人は「えっ!?」といった表情を浮かべていた。
大きな音もダメなんだから声もダメだと分かるだろうと、アザミは頭を抱えながらバカ二人を見ていた。
そうしてゲーテが自分を含め全員に《静寂化》のスキルをかけて、目の前でバカ騒ぎしている牛頭鬼 に近づく。
魔物の解体を見るのに夢中で後ろから足音も気配もない者の接近に気づける訳もなく、四人に一斉に襲いかけられて、一体また一体と倒していく。
気づかれぬまま30体を倒し終えた所で、豪華な天幕から天高く突き出た二対の角、目は血走り、鼻息は荒く、金色の毛並みをした序列15位 『牛怪天』 牛頭鬼 アステリオスが姿を現した。
天幕から出てきたアステリオスは鼻をひくつかせると、カイル達に視線を向ける。
「バカ騒ぎは終わりだお前ら。そこに人間と吸血鬼が混じってやがる。男は殺せ。女は生け捕りにしろ」
《静寂化》は気配や物音を消すだけであって、アステリオスの鼻は誤魔化せなかった。
アステリオスが指を指した方向を一斉に向く牛頭鬼達。
「オ、オンナダ!!」
「ヒサシブリノニンゲン!」
「クウクウ!」
カイル達を見つけ、餌と慰み者としか見ておらず狂喜乱舞している。
「ゲーテ、この場合はもう静かにしなくていいんだよな?」
「あと少し減らしたかったですけど、しょうがないですね。えぇもう大丈夫です。思う存分やってください」
「よっしゃぁぁぁ!こいや牛共!!」
「正直俺もこんなちまちま静かにするの限界だったぜ!ぶっ飛ばしてやるぜ!」
「悪、即、死」
【血肉の集会場】にて、魔王アステリオスとその部下達とカイル、アザミ、プリシラ、ゲーテの戦いが本格的に始まろうとしていた。
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