124話 防衛戦と限界
お読み下さりありがとうございます!
親羊への作戦を練っている時、仔羊を抑えているチームでは限界を迎えそうになっていた。
「メンデスがやられた!」
「後ろに下がらせろ!これで何人目だよちくしょう!」
「こっちに応援きてくれ!抜かれそうだ!」
200を超える仔羊達を相手にかなり耐えてはいるが、脱落者が一人また一人となっていくにつれ、残った者の負担が増えていく。
それでもこうしてまだギリギリ士気が保てているのは、各チームの代表達の存在だった。
「ウォォォォォ!!《剛腕》!吹っ飛べ!」
カイルは周りの状況を見て、ここで一度態勢を立て直さないとヤバいと感じ、《剛腕》を発動して倒すというより、吹き飛ばしイメージで斧を振るう。
「ランディス!10秒だけここは受け持つからフォローに行ってくれ!」
「承知した!」
カイルの指示で、ランディスは戦線が崩壊している所に赴き防衛する。
「パーシヴァル!ミイルと位置を替えろ!」
「わかりました!《位置替え》!」
ユーリッドは近衛騎士団長だけあって、周りをよく見ており、絶妙なタイミングでパーシヴァルに指示を出し、窮地に陥りそうな者を助けていた。
「団長!そろそろ《位置替え》も限界です!」
「ならば限界を越えろ!」
「はぁ...ったく精神論は嫌いなんだけどなぁ。まぁ頑張りますか」
無茶苦茶なユーリッドの言葉にため息をつくパーシヴァルだったが、目の前の状況はそうでもしなければ乗り越えられないので覚悟を決める。
「リーシャ殿のようにはいきませんが《羅生門》! そろそろ魔力が尽きそうですが、弱音を吐いている暇はありません」
「怪我人を集めてください!回復します!」
賢者ノーチラスと聖女イリスも必死に耐えているが、二人とも魔法の使いすぎで魔力が底を尽きそうになっていた。
「《鉄壁》を発動する!怪我人をイリス様の元へ運べ!」
聖騎士団長ニーアもここが山場だと感じ、10秒間ダメージを0にする《鉄壁》のスキルを発動する。
「ガラド様!同志ルーファスが倒れました!」
「ルーファスを聖女様の元へ運べ。アザミ様が倒すまで死んでもここを通すな!」
一番被害が出ているのがアザミのチームだったが、士気の高さとガラドの意外な指揮能力の高さとスキル《断崖》の力で何とか耐えていた。
そう遠くない内に瓦解するのは分かっているが、全員親羊を倒してくれると信じて死にものぐるいで一秒、一分を守り抜く。
「よいか皆作戦通りに行くぞ!《大天使の号令》じゃ!」
スイエルが《大天使の号令》を発動して、全員のステータスを上昇させる。
親羊はというと、途中まで追ってきてはいたが、どの道長引けば仔羊達が到着するので、数で押せば倒せるだろうと待機していた。
「居た。20m先で止まってる」
レテの《超嗅覚》で親羊の匂いを感じとり、全員急行する。親羊はわざわざ死にに来た人間共を見つけ迎え撃つべく、立ち上がる。
体毛内の帯電は準備完了しており、要注意人物の魔術師と耳長族を集中的に狙い電撃を放つ。
「やはり私達を狙ってきたか。リーシャいくぞ!《颯嵐鎧》」
「ガッテン承知です!複合魔法《炎獅子の鎧!」
カオリは吹き荒れる嵐を纏い、リーシャは土魔法と火魔法で出来た鎧を身につける。
親羊の放った電撃は嵐と鎧に防がれる。その光景を見て、やはりこの二人は脅威だと改めて親羊は感じる。
ならば先に御しやすい周りの者から片付けようと、角を放つ。
「《高圧粉砕》!」
「《双王連撃》」
その角は次に脅威となる天使族と耳長族に弾かれる。
親羊はその後ろに人間達が誰かを守っているような陣形を組んでいるのを見たが、大して脅威にならないであろうと無視した。
その無視した所で勇者スバルは静かに宝剣に魔力を溜めているのがわからないのは当然だろう。
✩皆様にお願い✩
ページ下部にある★★★★★マークの所を1〜5まで評価して欲しいですm(*_ _)m
執筆の励みになります!!
【ブックマーク】【感想】もお待ちしております。




