123話 提案と初代勇者
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親羊チームは現在、一度退避して気絶している者を洞窟の中へと隠した。幸い親羊が巨体だった為追いつかれなかったが、人数も減ってしまい、かなり厳しい状態には変わりなかった。
「ダメですね。私の《修復》でも起きません」
回復魔法がダメならとルイジアナのスキル《修復》ならと試したみたが起きる気配がしない。
「多分さっきの電撃はダメージを与えるというより、気絶させる事だけに特化した代わりに回復不可の状態する攻撃だろう」
「この様子を見るとその予想は多分当たっておるの」
現在残っているのは、カオリ、リーシャ、アザミ、スイエル、ジン、レテ、ルイジアナ、デノンハウザー、セラフィム、ティターニア、スバルの11名だ。
「それでこれからどうする?」
「私達の攻撃はほぼ通じなかった」
ジンはこの影一つ出ない暗闇の森では思うようにスキルが使えず、レテは仲間が近くにいるため、《獣の解放》が使えず、素の戦闘力では親羊に傷一つ与えれていなかった。
「そうだな。リーシャの複合魔法や私の嵐魔法が通用しないとなると、手段は限られてくる」
この中にいるメンバーの中で一番火力が出せるリーシャとカオリの攻撃が通じないとなると、カオリの《因呶羅の光矢か《聖なる弾丸》ぐらいしかない。
「私のスキルならもしかしたら貫けるかもしれないが、奴には知能があり、私とリーシャをかなり警戒している」
「やっぱりですか!何か目が合うなーって思ってました!」
「その様子は見ていてもわかったわ。あのデカブツ私の事なんか全く見ていなかったもの」
「私の光魔法も眩しいくらいしか多分感じてませんよね」
「儂の斬撃なんか受けても鼻で笑っておったぞ」
親羊は攻撃を受けながらも、どの敵が脅威なのかどうか探っている様子があった。その結果先程の戦いでリーシャとカオリは警戒されている。
「少しいいでしょうか?」
ここで勇者スバルがおもむろに手を上げる。
「どうしたんじゃスバル?」
意外な人物が手を上げた事で場は静まりかえるが、スイエルが続きを促す。
「ギマンさんがこの訓練が始まる前に教えてくれた事があるんです」
ギマンはヘクターの転移の準備時間に皆の様子を確かめていたが、一番長く話していたのはスバルだった。
「この宝剣デュランダルはただ頑丈で折れない剣じゃない。一定の魔力を通すと滅殺の炎で相手が消滅するまで焼き尽くすって」
ギマンはスバルが最初決闘の申し出をした時に、宝剣デュランダルの詳細を見ていた。その効果をスバル本人に伝えていたのだ。
「まさかあの宝剣にそんな力があるとは。確かに初代勇者は炎の使い手と言われていたが、魔法の炎ではなく、その宝剣の力を意味していたのか」
デノンハウザーは自分の国の宝剣の力の全容を聞かされ、初代勇者がなぜ炎の使い手と言われていたか納得した。
「それで僕も最初試してみたんですけど、全く反応しなくて、でもレベルが上がって魔力量も増えた今ならその力を使えると思います!宝剣が応えてくれそうな気がするんです!」
スバルの言い分を聞き、カオリは思案する。今の話を全部鵜呑みにするのなら、スバルの力に賭けてみてもいい。だが、もし一定の魔力に達していなかったら、どうなる?
最悪の事態まで考え、スバルの提案を断ろうとした時
「お姉ちゃん、やろう。私の勘がそう言ってる」
魔神の側近との戦いでアザミが《第六感》というスキルを会得したのは聞いている。姉として妹の意見は尊重したいが、ここは皆にも意見を聞くべきだろう。
「皆はどう思う?」
カオリの問いかけに皆考え込む。その中でいち早く発言したのはスイエル。
「賛成じゃ。どの道他に手はあまりないようじゃし、スバルの力が不発の時の作戦も考えるならやってみる価値はある」
スイエルの発言を皮切りに他のメンバーも賛成する。スバルはその光景を見て、少し涙ぐんでいたが、すぐに拭き取り、覚悟を決めた顔をする。
そして、スバルの宝剣デュランダルの力を採用した作戦を立てていく。
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