107話 ゲーテとイージス
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庭に移動した3人は放っておいて、アリステラは最後の五将血鬼を紹介する。
「最後ね。四将のゲーテよ、挨拶なさい」
アリステラに呼ばれた灰色の髪の男が一歩前に出る。
「アリステラ様から紹介に預かりましたゲーテと申します。タリスマンの件に関しては誠に申し訳ございません。魔族と人類という壁はありますが、これからよろしくお願いします」
ゲーテはとても丁寧な口調で喋り、俺達に頭を下げる。
ようやくまともな奴が来たかと俺はホッとした。
「ゲーテは元は人族なのよ。色々合って私の眷属になったけれど、だから内心は人類領への侵攻には反対だったんじゃないのかしら?」
なるほど、元人族なのか...。だが俺はアザミの件もあるので、アリステラに尋ねた。
「アザミのように無理矢理従わせてるんじゃないだろうな?」
アザミはタリスマンの眷属として、体の自由と意識を奪われていた。
なのでゲーテもそうなのではないのかと。
「人族の方よ。私はちゃんと自分の意思でアリステラ様に従っております。心配してくれてありがとうございます」
アリステラが答える前に、ゲーテ自ら返答してくれた。
「わかった、それならいいんだ」
どうやらゲーテは本当に自分の意思でアリステラに従っているようだ。
「さてと紹介も終わったことだし、外の様子でも見ましょうか」
キャラが強い五将血鬼の紹介が終わり、カイル対プリシラの戦闘を見ることになった。
庭に出ると、プリシラの拳をカイルの白銀の盾が受け止めていた。
「ッアー! 一体なんなんだよその盾!無茶苦茶頑丈じゃねーかよ!」
「フハハハ!お姉さん早く諦めて、カイル様強い!結婚して!と言いなさい。そうしたら見逃してあげよう」
何とも緊張感のない会話だな。
確かあの盾は、魔神の側近達との戦闘で顕現したと言ってたな。
カイルにこの盾の効果と名前教えてくれ!とせっつかれたのを覚えている。
俺はあの盾のスキルを見た時はカイルには勿体ないと正直思ってしまった。
あの盾の正式名称は《災厄払う神秘の盾》 といって、能力はイージスの耐久値が0になるまで、カイルに対して物理攻撃、魔法攻撃、スキルや魔法による精神攻撃や状態異常などを無効化するというものだ。
イージスの耐久値は1000あって、試しに俺の九鬼一閃を放ってみた所、耐久値は5しか減っていなかった。
しかもクールタイムはなく、1日で50ずつ回復していく。
全くなんであんな良いスキルをカイルが得られたのか不思議でならない。
「あの盾、厄介そうね」
魔王であるアリステラがカイルの盾を見た感想はこうだった。
プリシラはカイルのイージスを突破する事が出来ずに、ジリジリと追い込まれ、苦し紛れに殴り合え!とプリシラが叫ぶと、バカイルはその挑発にのってしまった。
あのままイージスで追い詰めていけば楽だったのに、結局プリシラと殴り合う事を選んだカイル。
再生持ちの吸血鬼に肉弾戦を仕掛けた代償は負けという2文字だった。
これはまた反省会だな。
「お前すげーのな!盾もめちゃくちゃ頑丈だったけど、最後の殴り合い、根性があったぜ!気に入ったぞ!」
だが、プリシラはそんなカイルを気に入ったのか、仰向けに倒れているカイルに握手を求めた。
「え?あ、おう!俺も気に入ったぜ!漢気を感じた!」
プリシラは女なんだけどなと心の中でつっこむ。
カイルは立ち上がり、プリシラと暑苦しい抱擁をする。
その時のカイルの鼻の下の伸び具合が気持ち悪かった。
まぁ本人同士が納得してるならいいか。
「プリシラも納得したようだし、明日の訓練からよろしくね?」
そうだった...明日から訓練にこいつらも参加するんだった。
魔族がいきなり来たと思いきや、家に住まわれ、まだ1回しか行っていない訓練に参加する事になって色々と忙し過ぎるだろと俺はまた溜息を零すのだった。
前日は投稿出来ずに申し訳ございませんm(_ _)m
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