104話 格差と握手
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「Lvの差をとうにかするとさっき言っておったが、実際問題、魔王と儂らとではどのくらいの差が開いておるのだ?」
デノンハウザーとて魔族との戦力差はわかっていたが、具体的な数値が気になった。
「そうね。ここにいる私の部下のヘクターのLvは850、魔王ともなると最低でも1500は超えているわ。さっき渡した魔王の序列はLv順という訳ではないけれど、序列1と2位の二人は正直魔王の中でも頭一つ抜けてるわ。それじゃわかりやすいように私のステータスでも見てもらおうかしら。ヘクターあれを」
アリステラはまたもやヘクターに指示を出すと、1枚の紙が机に置かれる。
『アリステラ=クドゥルフ』
種族名:真祖の吸血鬼
Lv:2500
HP:300000
MP:500000
攻撃:280000
防御:280000
魔法:330000
速さ:310000
知能:3000
器用:2500
その書かれてあった次元の違いに王達は黙り込む。
俺は《神の瞳》で一回アリステラのステータスとスキルを見ている。
俺もその時は、あまりの理不尽すぎるLv差に絶望しかけた。だからあのピエロ三人を相手にすると言った時も、全く心配しなかったし、交渉の時も強気だったが、戦闘になるのは避けたいと思っていた。
「やっぱりそういう反応になるわよね。ここまでなる必要はないけれど、せめてLv500ぐらいにはなってもらわないと話にならないわ。Lv500以下なのにタリスマンを倒したギマン達みたいな事例はあるけれど、Lvは高いに越したことはないわ」
俺はアリステラの言葉にタリスマン戦を思い出す。
あの時は正直、負けていてもおかしくなかった。
仲間達が限界を超えて覚醒し、珠廻花というタリスマンに有効な切り札があったから勝てただけで、アリステラの言う通りLvが高くて困ることはない。
Lv2500という絶望的な数字からやっと立ち直ったのか、質問をデノンハウザーが答える。
「すまない、あまりに予想とかけ離れた数字だったので少し動揺しておったが、絶望はしておらん。逆にやる気が湧いてきた。わかった、儂らも死ぬ気で取り組むから指導の方、頼む」
「フフッ、面白いわね、分かったわ。ヘクター、後で残りの五将血鬼も呼びなさい。留守番は残りの眷属にしてもらうわ。私は今、ギマンの家にお世話になってるから、日程が決まり次第また連絡してちょうだい」
今サラッと俺の家に世話になるとか言ってたが、まだ居候する気かよ。
こいつがいると何か調子が狂うからやめて欲しいんだけどな、今朝の件も然り。
「そうと決まればゆっくりしておられん。明日の朝からでもお願いしたい。皆もよいか?」
デノンハウザーの言葉に残りの王達も、目に闘志を燃やしながら了承する。
やっぱりこの王達はすげーなと改めて俺は感じた。普通あれだけのLv差を見せられた後にこんな態度は取れない。
だが、1つの種族の王としてのプライドなのか、故郷を奪われた憎しみや怒りなのかはわからないが、本気で魔族と戦う覚悟を改めて感じた。
「やる気があるのはいい事ね。わかったわ、後、事前に参加者には私の事を伝えて納得させてもらいたいわ。襲われても大丈夫なのだけれど、私の部下が何をするか分からないから、それだけはお願いするわ」
確かに急に魔王が現れて、指導してくれます何て言ったらパニックになるだろうな。
魔族に対して強い恨みがあるものは、もしかしたらアリステラに襲いかかるかもしれない。その時、ヘクターやアリステラの部下達が取る行動は考えたらすぐにわかる。
「わかった。直ちに訓練の参加者を集めてくれ」
デノンハウザーは従者にそう伝える。
「それじゃあひとまず今日の所はこれで解散でいいかしら?」
「うむ。色々あったがこれからお互いによろしく頼む」
デノンハウザーはアリステラに握手を求める。
「あら人類の王から握手を求められるなんて意外ね。少しは信用してもらえたのかしら」
アリステラはその握手に応じ、今ここに人類と魔族の共闘が結ばれた。
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