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103話 魔神の目的と策略

お読み下さりありがとうございます!





「そもそもワイズウェイン以外の魔神は会ったことすらないわ。人類領を侵攻する時でも、部下の魔王に任せて魔神達は全く表舞台に出てこなかったのよ。だけど侵攻が終わった後は真っ先に飛んできたわ」




確かに魔族と人類の力関係を比べると、魔神が出しゃばる必要はないだろう。



真っ先に飛んでくるというのは、やはり、人類領には魔神達が欲する何かがあるのだろう。




「だから私はワイズウェインに聞いてみたのよ。それなら貴方自身が侵攻した方が早いんじゃないのかしらと。そしたら他の魔神達に己の能力を少しでも隠しておく必要があると」




今までのアリステラの言葉を聞いていると、魔神はお互いに牽制し合い、張り合ってるようにみえる。




「私からしたら、八大魔神や十六天魔王なんて呼ばれるまでに大きくなった事が信じられないのよ。もっとお互いに削り合うと思ってたから。でも、ギマンの存在で今までの均衡が崩れようとしている。これは人類にもチャンスが巡ってきたのよ」




「どういうことだ。何で俺の存在で人類にチャンスが巡ってくるんだ?」




普通強大な敵が現れたら、その敵に対抗するべく協力し合うはずだが。



まぁ、魔神にしたら俺なんか強大な敵ではないと思うけどな。




「魔王と魔神の側近すら打ち破る人類が現れた。これだけ聞くと少しは慌てると思うのが普通よね。でも私から見た魔神達の関係は違う。ライバルが八人もいて疎ましく思っているから、これを機に少しでも減らせないかと考えているに違いないわ」




「具体的には?」




俺はある程度予想をしたが、アリステラに聞いてみる。




「そうね。例えば今回ワイズウェインは部下と側近を失った。その情報をネタに焚きつけるとかかしら」




やっぱりそうきたか。




「その顔は予想してたって顔ね。ワイズウェインは性格上、自分の可愛い部下や側近を殺されて黙っているわけがない。私はそのワイズウェインを殺して魔神になりたいから少しでも確率を上げる為に、ギマン達は魔族の情報を得たい、魔王の後ろ盾をもらえる。だから私はギマンに共闘を持ちかけたのよ」




「だがお前はノスクレイ要塞で魔神自ら報復に来ることはないと言ってたろう。でも結局は魔神が....まさか、アリステラはめたのか?」




アリステラはワイズウェインの性格を知っており、自分の部下である魔王を人間に殺されて、側近を動かすという判断をするとわかっていたはずだ。




「はめるなんて人聞きの悪い事言わないで。まさか私もあんなに早く襲ってくるなんて思っていなかったわ。魔神の側近が襲ってくる可能性があるからという手札は用意してたけどね」




アリステラもあの場で襲ってくるとは思わなかったのか。だけど、俺達と共闘する為の手札として隠していたと。




「はぁ〜。まぁお互い打算があるのは当たり前だな。結局アリステラは側近を倒すのにも協力してくれたし、俺と仲間がホントに危ない時は割って入ろうとしてたんだろ? チラチラと伺うような視線を感じてたぞ」




魔神の側近イ・ロスとの戦闘時、途中から視線を感じて、横目で確認するとアリステラが俺達の戦闘を見ながら、自分もピエロと戦っているのが見えた。



「フフッ。せっかくの共闘相手に死なれたら困るし、それに私が貴方達をワイズウェインに売ったなんて思われたくなかったから」




「まぁそういう事にしておこう。すまないデノンハウザー、皆も、話が逸れた。聞きたい事聞いてくれ」




アリステラとの話が長くなり、俺は置いてけぼりにしたデノンハウザーや他の4人の王にも謝る。




「英雄あっての今回の共闘なのだ。儂らも質問したい事はあるが謝るのはちと違うぞ。では魔王アリステラよ、恥もプライドも全てを捨てて、単刀直入に聞く。人類が魔族から生き残るにはどうすればいい」




デノンハウザーは一個人としての恥とプライドを捨てて、人類代表王として、アリステラに問いかける。





「いいわね。私そういうの好きよ。魔神とか魔王ってプライドが凄い高いから見ててイライラしてくる時があるのよね。そうね、その誠意な態度を評して私も本気で答えるわ。魔族の手から生き残るなら簡単よ。ギマンから聞いてる通り、魔神はこの最後の人類領が狙いであって、貴方達はおまけ程度にしか思ってないから何処かに逃げればいいのよ」




「儂はそうではなく...」




デノンハウザーが訂正しようとすると、アリステラが遮るように話し出す。



「でも、貴方の目はそういう類いじゃない。本気で魔族と戦い、奪われた故郷を取り戻し、勝とうとしている。そうなると勝算はほぼ0と仮定したほうがいいわ。今のままならね、ヘクターから聞いたわ。ギマン達に訓練受けてるってね、その訓練私達も混ざってあげる。まずは貴方達と魔族のLvの差をどうにかすることね。技術云々よりは。悪くない提案だと思うけど、どうかしら?」




正直俺と共闘したいだけならここまでする必要があるのかと思ったが、本人が乗り気であるなら利用する手はないと俺は思った。




「そこまでしてもらって逆に悪いと思っておる所だ。だが手を貸してくれるなら是非お願いしたい。儂は今、手段を選んではおれんからな」




デノンハウザーもそう思ったのか、アリステラの気がかわらない内に返事をした。





優雅に紅茶を飲みながら満足そうにしているアリステラの内心はわからないままだったが...。




✩皆様にお願い✩


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