王都へ到着
騎士さんの中から1人お手伝いをして貰おう。そうすれば食べるのもきっと安心して貰えるだろう。ひぃろ達にはカイル様とルリア様の相手をして貰う事にする。
「すみません、どなたか一緒にご飯を作って頂けますか?」
「あっ、俺が手伝います!」
「ねぇ、みんな。カイル様とルリア様と遊んで来て貰っていいかな?」
『任せるくまよ~』
『任せるぴょん』
『任せるぱん』
『ライチはハルの頭にいるぴよー』
ライチは残ってくれるみたいだ。きっと私の安全を考えてくれているんだろうなとほっこりする。
「撫でても良いかしら?」
ルリア様が控えめにひぃろ達に聞くと近くに寄ってすりすり甘えている。
「わぁ! とっても気持ちいいいですわ! ふふ、ありがとうございます」
(わぁ、美少女とひぃろ達とか素敵すぎる!)
ルリア様はひぃろ達のあまりの気持ち良さにずっと撫でている。ひぃろ達もすりすりしていて可愛すぎる!
その様子を見てカイル様もなでなでし始めた。やっぱり気持ちが良かったのか、2人ともにこにこしている。
(美少年とひぃろ達も素敵すぎます!)
思わずテンションがおかしくなったけど、小さい子がもふもふのひぃろ達と遊んでいるのは可愛くてほっこりする。
「ふふ、仲良くなれたようで良かったです」
私はお料理をしよう。まずは土魔法で椅子とテーブルを人数分作る。一緒のテーブルじゃない方が良いだろうと思い3つテーブルを作る事にする。それとコンロを置く台と作業台を作る。この人数だし何を作ろうかな。
食べなれているパンの方が良いかな。ホワイトシチューを作ろうかな、それならパンとも合うしね。後は騎士の方は男性ばかりなのでがっつり食べるかなぁ。
他には、チーズを挟んだトンカツにしようかな。薄めのお肉で挟めばカイル様とルリア様も食べやすいだろう。後はサラダを作ろうかな。
ついでにココ肉の唐揚げも作っておこう。大人の男性がどれくらい食べるのか分からないから多めに作っておこう。おにぎりも作っておこうかな。
ついでに私のアイテムボックスにある大量の食材を減らしちゃいましょう!
(ふふふ、沢山食べて食材を減らしてくださいね~)
お手伝いしてくれる方はラスさんと言うらしい。お手伝いして貰いながらお料理の準備をする。
「ハルさんはお料理が上手なんですね。とっても手際が良くてお手伝いする事がほとんどないくらいですね」
「お料理が好きなだけですよ~。あっ、すみません。シチューを見ていて貰っていいですか?」
「お任せ下さい」
カツも準備が出来たので揚げていく。これも見たことがないらしくとっても驚かれた。でも美味しいので後で沢山食べて下さいね~。
ご飯の準備が出来たので、みんなを呼んで食べる事にする。騎士の方達はテーブルは違っても一緒に食べるのに抵抗があったみたいだけど、カイル様の一緒に食べましょうの言葉に負けて一緒に食べ始めた。
「わぁ、美味しいですね!」
「とっても美味しいですわ! こんな美味しい料理は初めてですわ!」
「喜んで頂けて良かったです」
私もひぃろ達と一緒に食べ始める。ホワイトシチューも久しぶりだったけれど、とっても美味しく出来た。騎士の方達も美味しそうに食べてくれている。すごい勢いで食べているけれど、足りるかな?
「足りなかったらまだあるので、言ってくださいね」
チーズカツもとっても大好評だった。普通の豚肉と特上豚肉で作ったので、味比べしちゃう。やっぱり特上豚肉は物凄く美味しかった。
『ハル、このチーズカツ美味しいくまね!』
『特上の美味しさは凄いぴょんね!』
「本当だよね~。さすが特上はチーズに負けてなくて美味しいよね」
『このシチューも美味しいぱんよ!』
『とっても美味しいのぴよ! おかわりぴよー!』
「ふふ、お代わり持ってくるね」
他にもお代わりいるか聞いてみたら全員食べる事になった。沢山作ったから沢山食べて貰えて嬉しいな。騎士の方達も沢山食べてくれている。口に合ってよかった。おにぎりも受け入れられたみたいで良かった。そして騎士さん達も沢山食べてくれたので作った物は全部なくなった。
「ハルさん。夜の番の事ですが、我々に任せて頂いても?」
「はい? えっと、シールドを張ってますから要りませんよ?」
「はっ?」
「ここの辺り一面にシールドを張ってますよ。全員寝るのは心配かもしれないのでそこら辺はお任せしますが、襲われる事はないですよ」
「えぇっ??」
シールドに色を付けて見せてみる。
「今、シールドに色を付けてみました。この範囲にシールドを張ってますよ」
「凄いです! でも安心しました、ありがとうございます」
私は土魔法で家みたいな囲いを作る。毛皮を出して寝る場所を作って簡易のお家が完成! 護衛の方達の分も作る。一応全員寝られるように5つ寝る場所を作っておく。使うかどうかはお任せだ。
カイル様とルリア様のテントにも寝る場所を作る。ワタと毛皮で簡易ベッドを錬金する。それとブランケットを出して側に置いておいた。
「ハルさん、お気遣いありがとうございます」
「ハルさん、ありがとうございます」
「いいえ。明日は王都へ帰れますからゆっくり休んでくださいね。おやすみなさい」
『おやすみくま~』
『おやすみぴょん』
『おやすみぱん~』
『おやすみぴよ~』
私達も簡易のお家へ入ってクリーンを掛けてお布団に入る。明日は大きな飛ぶこたつで王都まで飛ぶ予定だ。
翌朝、目が覚めるとそぉっと着替えて外に出ると、セイさんがいた。
「おはようございます。今から朝食作りますね」
「ハルさん、おはようございます。寝床から食事の準備までありがとうございます。とても助かりました」
「いえいえ。食材は沢山ありますから、沢山食べて元気に王都に帰りましょうね」
今日の朝ご飯は何がいいかなぁ。食べ慣れたパンにするからスープかな。具沢山のミネストローネにしようかな。後はベーコンを焼いてオムレツにしようかな。
材料は沢山あるし、人数も多いから贅沢に使っちゃおう。大きめのお鍋に材料をどんどん入れてミネストローネを作っていく。ここでもコンソメが役に立つね。
オムレツとベーコンはお皿に盛ってアイテムボックスに仕舞っておく。
「セイさん、王都までどれくらい距離がありますか?」
「そうですね、ここからだと馬車で半日くらいでしょうか。何か問題がありましたか?」
「それだったら飛んで行けばお昼には着けそうですね。時間が掛かるようだったらお昼ご飯も準備して行こうと思っただけなので大丈夫ですよ」
準備をしている間に騎士さん達は全員起きたみたいだ。ひぃろ達を起こして来ようかと思ったら、みんな起きていたみたいだ。簡易のお家の入り口を見たら、またトーテムポールみたいになっていた。一番下からひぃろ、タルト、ベリー、ライチの順番だ。
(ふふ、ちょっとひぃろが横に伸びている気がする。ひぃろ重くないのかな)
「みんなおはよう。そんな所でどうしたの?」
『美味しそうな匂いがしたくま~』
『食べたいぴょん!』
「うん、全員揃ったらご飯にしようね」
『今日は何ぱん?』
「今日はミネストローネとオムレツ、ベーコン、パンだよ」
『ミネストローネ食べたいぴよー!』
カイル様とルリア様にはセイさんが声を掛けている。私は全員が揃うまでにお茶の準備をする。朝なので温かい紅茶を入れる。
全員揃ったので私達もご挨拶をして食べ始める。具沢山のスープはとっても美味しい。
「ハルさん、とっても美味しいです!」
「本当に美味しいですわ!」
カイル様達も気に入ってくれたようで良かった。全員沢山食べてくれて良かった。みんな食べ終わった後は、お片付けをして出発の準備をする。
「この馬車はどうしますか? 私のアイテムボックスで良ければ入れて行きますが?」
「それはぜひお願いします!」
セイさんに聞いたら持って行って欲しいそうなので、アイテムボックスに仕舞う。それから大きな飛ぶこたつを出して準備をする。アイスティーと焼き菓子を出してから全員乗り込む。
ゆっくりと浮かせると周りから歓声が!
「わぁ、浮きましたよ!」
「浮きましたわ!」
(ふふ、ひぃろ達が得意気な顔になっている)
木の上まで浮かせられたら王都へ向けて出発! 少しずつスピードを上げて行く。さすがにこの人数なのであんまりスピードを上げすぎない方が良いかな。でも、大きくなって乗っている人数が増えても安定している。
「わぁ、すごい! ハルさん、僕達飛んでますね!」
「ハルさん、凄いですわ! 私空を飛んだの初めてですわ!」
「喜んで頂けて嬉しいです。寒くないですか?」
「このこたつ良いですね。温かくてふわふわしているから座っていても疲れないなんてすばらしいです!」
「この飛ぶこたつはお茶をしながら移動出来て楽しいのですよ~」
「素敵ですわ」
『みんな一緒たのしいぴよ!』
「ふふ、そうだね」
お茶をしながら飛ばしていたら、先の方に王都が見えてきた。
「王都が見えてきましたね。少し手前で降ろして大丈夫ですか?」
「はい、さすがに門の前に下りたらびっくりされますからね」
「そうですよね~」
王都に近くなってきたらゆっくりと下に下りる。全員降りたら飛ぶこたつをアイテムボックスに仕舞う。さて、これからどうしよう。
「これからどうしましょう?」
「門の所で馬を調達するので、馬車をここに出して貰って良いですか?」
「分かりました」
1人の騎士さんが門に走って行った。その間にアイテムボックスから馬車を出して、カイル様とルリア様には馬車に乗って貰う事になった。
「カイル様、ルリア様。とても楽しかったです、またいつか会えたら良いですね」
「ハルさん、ありがとうございました。貴方のおかげでとても助かりました。本当にありがとうございました」
「ハルさん、ありがとうございました。ひぃろちゃん達も遊んでくれてありがとう」
「ハルさん達、本当になんとお礼を言って良いか……とても助かりました。ありがとうございました。お礼は冒険者ギルドで受け取ってください。当然の事なのできちんと受け取ってくださいね」
「え、えっと、ありがとうございます。では、私達もそろそろ行きますね」
そんなやり取りをしていたら馬に乗った騎士さんが戻って来た。騎士さん達と挨拶をして私も王都へ入る事にする。
門番さんに手続きをして貰い、王都に入る。
読んで頂きありがとうございます。
ブックマークや☆の応援もありがとうございます、更新の励みになります。
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。




