海ダンジョン2
ボス部屋から下に降りて6階に到着した。本当に水がないのに海の底みたいに綺麗なのが不思議だなぁ。おかげで緊張感も薄れ気味なのが危険だね。
ここの敵はカジキマグロみたいに口の先が尖っているソードフィッシュだった。あれは当たったら絶対痛い、というか怪我だけじゃ済まないよね……。
しっかりとシールドを張り直して雷を纏わせて先に進む。そしてソードフィッシュもやっぱり突進してくるみたいだ。思わず目を閉じちゃうけれど、目の前でびりっ! と音がしてそのままぽふん! とアイテムをドロップした。ドロップは牙、魚、討伐記録だった。
ソードフィッシュって食べられるのかな? 鑑定してみると、フライにすると美味しいみたい。今度作ろう。フィッシュサンド作っても良いね。
階段を目指して歩く。歩いているだけでソードフィッシュが狩れるってこんな簡単で良いのかな。たまに他の冒険者さんを見かけるけれど、とても驚いた顔をされる。
『ハル、この先に階段があるくま』
「やったね、7階に降りよう。沢山ソードフィッシュも狩ったね。お魚沢山だよ~。ソードフィッシュはフライにすると美味しいみたいだから、今度作ろうね」
『楽しみくま~』
『美味しいの楽しみぴょん』
『美味しいの嬉しいぱん!』
『早く食べてみたいぴよ!』
7階もソードフィッシュだったので、階段を探して歩きながら倒していく。途中海藻を採取したり、貝を拾ったり、本当に海底みたいで楽しい。ついついお散歩気分になってしまう。
そんなお散歩気分で歩いていたら、階段を見つけたので、8階へ向かう。8階はソードフィッシュが大きくなっていた……。
「ソードフィッシュが大きくなったね……」
『強そうぴよ~』
(えっ? もしかして強くなると大きくなるの!?)
「大きいと強くなるの?」
『もちろんくま! だからあのソードフィッシュはさっきより強いはずくま!』
「そうなんだぁ」
やっぱり大きくなると強くなるみたい。でも、やる事変わらないから強さがよく分からない。でも大きなソードフィッシュからは小さいけれど魔石が出た。後はお魚と討伐記録。
8階を階段を探して歩いていると、大きな貝を見つけた。
「大きな貝だね」
『ハル、それは危ない貝なのぱん』
「えぇ?! 貝なのに危ないの?」
『あれは嘘つき貝なのぱん』
「嘘つき貝って何~?!」
『貝の見た目なのにお魚なのぱん。そして近づくと食べられるぱん』
「えぇぇぇ?! そ、そんなに危険なお魚なのね……貝だと思って採ろうと思っちゃったよ。タルトありがとう」
『あれがお魚くま。貝なのにお魚、お魚なのに貝くま……分からなくなったくま~』
ひぃろがコロコロ転がって困っている。
「あぁぁ、ひぃろ落ち着いて~!」
『お魚ってことは美味しいぴょん?』
「どうだろうね、ドロップを見てみないと分からないね。でも近づくと食べられちゃうんじゃ、ベリー危ないからね」
『大丈夫ぴょん!』
あっという間に突進していってしまった。でも貝が動き始めた頃にはベリーの体当たりが決まっていた。ぽふん! とアイテムをドロップした。ドロップは小さな魔石、貝柱、魚、討伐記録だった。
「だから、貝なのかお魚なのかどっちなのー!?」
『どっちもだぴよー!』
「そ、そうだね……なんだか納得いかない……」
その後も、大きなソードフィッシュと嘘つき貝を倒しながら次の階を目指す。嘘つき貝のドロップのお魚は天ぷらにすると美味しいみたい。ふふふ、貝柱もあるから、お魚の天ぷらと貝柱のかき揚げを作らないと。
大分ウロウロした所でやっと階段を見つけた。これで9階に行けるね。そして今までの感じで言うと9階も同じ敵な気がする……。
階段を降りると、やっぱり同じ感じだ。大き目のソードフィッシュと嘘つき貝だった。
「やっぱり同じだね」
『そうくまね~』
「でも、食材と思えば楽しくなるね。多分……」
『美味しいぴょん?』
「うん、嘘つき貝のドロップは天ぷらにすると美味しいのだって」
『やったぱん!』
「そのまま天ぷらとしても丼としても美味しいのだよね」
『ライチも食べたいぴよー!』
「ふふ、もちろん。みんなで仲良く食べようね」
9階もほぼ同じだったので、倒しながら先に進んで行く。嘘つき貝はたまに隠れるようにしているからドキッとする。タルトが教えてくれるから助かっているけれど、いなかったら食べられてそう……。
やっと9階の階段を見つけた。階段の近くには安全エリアが設定されているので、そこで一度休憩する事にする。さすがにちょっと疲れたね。
「少し疲れたし、一度お昼ご飯にして休憩しようか」
『するくまー。オークベーコンを挟んだパンが食べたいくま~』
『するぴょん。ひぃろ、それ美味しそうぴょん』
『ぼくも食べたいぱん~!』
『美味しいぴよ? 食べてみたいぴよ~!』
「ふふ、オークベーコン美味しいよね~。じゃぁ、オークベーコンとハイオークベーコンの2種類にしようか」
『きゃー、ハル素敵くまー!』
『食べたいぴょん~!』
『きゃー、ハル大好きぱん~!』
『違うぴよ?』
ひぃろ達が喜んでくれるので、2種類作る事にした。ライチには大きいから、私と半分して両方食べられるようにしてあげよう。
安全エリアに入ったら、まずは土魔法で椅子とテーブルを作ってからお昼の準備をする。パンがちょっと足りなかったので、材料を出して錬金スキルでささっとパンを作る。今日の酵母は干しブドウの酵母で作った。
オークベーコンの方には、目玉焼きも入れる。ハイオークベーコンはベーコン自体がかなり美味しいので、そのままベーコンだけ入れる事にした。
お茶はさっぱりしたいので、アイスレオンティーにした。準備をして、ご挨拶をしてから食べ始める。ライチには小さく切って出してある。
『どっちも美味しいぴよ! 美味しくて全部食べちゃいそうぴよ』
「気に入ってくれて良かった。無理しないようにしてね」
『オークベーコンに目玉焼きまで入ってて嬉しいくま~』
『美味しくてぱくっと食べられちゃうぴょん』
みんな大満足のお昼ご飯になった。
少し休憩してから、お片付けをして10階に下りる事にした。シールドを張り直し、雷を纏わせて準備をしてから10階の探検に向かう。10階はどんな所か楽しみだな。
下りた先では、大量のお魚が……。
(こ、これってモンスターハウスってやつ?!)
「えぇぇぇぇぇ?!」
『ハル、ちょっと下がるぱん』
「これはどうしたら……」
『ハル、みんな少し間隔をあけて立ってたら良いと思うくま』
「た、確かにみんなに雷纏わせているから倒せるかもしれないね」
『これ倒さないとみんな困ると思うぱん』
「はっ! そ、そうだよね。これをこのままにしたら前のゾンビの時みたいになっちゃうよね。よし、倒そう!」
『みんな少し離れて倒すぱん!』
電気を使う技何かないかなぁ……強い電気じゃなくてもきっと電気で倒せるよね。ゾンビの時の事を考えて、雷を雨のように降らせようかな。
「ひぃろ、この階に人はいる?」
『いないくま!』
「よし、じゃぁ技撃つからみんな少し下がってね」
『分かったくま』
『分かったぴょん』
「サンダーレイン!」
広い部屋中に雷が雨のように降っている。そして次々とぽふん! とアイテムをドロップしている。魔法が終わる時には敵はもう残っていなかった。そして、ドロップ品をアイテムボックスに仕舞っていると、階段を見つけた。
「も、もしかして……ここボス部屋だったの?!」
『そうくまよ?』
『そうぴょん~。ハルの魔法凄いぴょん!』
『ハル、ボス居たぱんよ?』
『うん、いたぴよ~!』
「えぇぇぇ?! ま、また気が付かなかった……と、とりあえずドロップをがんばって拾おうか」
みんなで協力をして、ドロップ品を拾い集めてアイテムボックスに仕舞って行った。さっき休憩したのに、もう休みたい。飲み物だけ少し飲む事にした。アイスティーをごくごくっと飲んで階段を下りる事にした。
次はどんな敵が出てきて、どんなドロップなのかとても楽しみだ。
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明日も海ダンジョンが続きます。
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