ブレストへ出発
朝、目が覚めて周りを見ると、ひぃろとベリーがそれぞれ相変わらずの寝相の悪さで、寝た時と全然違う所にいる。少し眺めて和んでから2人を起こす。
「ひぃろ、ベリー。おはよう。起きられるかな? ビスさんの美味しい朝ご飯が待ってるよー」
『お、起きるくま!』
『起きたぴょん!』
「ふふ、置いて行かないからゆっくりで大丈夫だよ」
出発の準備もしてから食堂へ向かう。ビスさんのご飯を堪能してから行かないと。
「おはようございます」
「ハル、おはよう。ちゃんと起きられたね」
「もちろんです。ビスさんのご飯を食べてからじゃないと行けません!」
「ふふ、それは嬉しいねぇ。朝食だよ」
キャルさんと少し話してから、朝ご飯を持ってきてくれた。今日の朝ご飯は凄かった。
私達の好きな物が沢山並んでいたのには驚いた。オークベーコン、ソーセージ、オムレツ、スープ、パン、フルーツが沢山。
「こ、こんなに…?」
「ビスがいつも美味しそうに食べてくれるみんなが嬉しかったのさ。ビスからのお礼だよ、受け取っておやり」
「あ、ありがとうございます。いただきますっ」
『ありがとうくま! 嬉しいくま~。いただきますくま』
『ありがとうだぴょん。いただきますぴょん』
どれもとても美味しくて、3人でゆっくり味わいながら食べた。フルーツもどれも美味しかった。
食べ終わってからキャルさんにお礼のクッキー詰め合わせを渡した。
「キャルさん、ビスさんごちそうさまでした。お世話になりました。これほんのお礼の気持ちです」
「あら、いいのかい? ハルのクッキーはとても美味しかったから嬉しいねぇ。ありがとうね。気を付けて行ってくるんだよ」
「はい、ありがとうございます。行ってきます」
『行ってきますくま~』
『行ってきますぴょん。2人にヒールだぴょん』
「ふふ、ありがとうね」
宿を後にした私達は、冒険者ギルドへ向かった。サラさんはいるかなぁ。ミントさんとローズさんもいるといいな。アルスさんにも挨拶したいな。
冒険者ギルドのドアを開けると沢山の人がいた。サラさんも受付のカウンターにいた。
「サラさん、おはようございます。会えて良かったです」
「ハルちゃん、ひぃろちゃん、ベリーちゃんおはよう。私も会えて嬉しいわ」
「サラさん、これ私が作ったクッキーの詰め合わせで、ほんの気持ちです」
「まぁ! いいのかしら?」
「はい、受け取って貰えたら嬉しいです」
「ありがとう。とっても美味しそうね」
サラさんと挨拶を終えた所で声が掛かった。
「ハルちゃん!」
「あっ! ミントさん、ローズさん。会えて良かった。ミントさんとローズさんもお世話になりました。ほんの気持ちなのですが受け取って貰えますか?」
「えぇ! 私達の方がとってもお世話になったのに申し訳ないです」
「本当にありがとうね。おかげでここに居られたわ。貰っていいのかしら」
「はい、ぜひ。お二人にはクッキーの他にポーションも入れておいたので、使って貰えたらと思って」
「ハルちゃん、ひぃろちゃん、ベリーちゃん、本当にありがとう。大切に使わせて貰うね。気を付けて行ってらっしゃい」
「ありがとう。大切に使わせて貰うわ。気を付けて行ってらっしゃい」
「はい、ありがとうございます。行ってきます」
アルスさんは依頼で朝早く行ってしまったらしい。ちょっと残念だけどまた会えるといいな。
ブラウさんにもご挨拶をして冒険者ギルドを出ようとした時に……。
「「「「「行ってらっしゃい」」」」」
ギルドに居た人達が次々と行ってらっしゃいと言ってくれた。
「また絶対にここに帰ってきます。行ってきますっ!」
『行ってきますくま!』
『行ってきますぴょん!』
寂しいけれど、とても幸せな気持ちで冒険者ギルドを出発した。本当に良い人達だった。
世界を見てきたら、また絶対にここに来よう! と決意して出発する。
ブレストの街へ向かうには街の北門から出る。乗合馬車もあるらしいが、のんびり歩いて行く事にした。門を出ると、左右には森が広がり森と森の間に道が続いていた。道から30メートルくらいは森がないから安全に向かえそうだ。
「とても良い街で良い人達だったね。今は世界を見て回るけれど、また必ずここに来ようね」
『くま!』
『ぴょん!』
「ブレストの街はどんな所だろうね。美味しい物もあるといいね」
『それは大事くま!』
『大事なのぴょん!』
うちの獣魔になると食いしん坊さんになるのかな。でも楽しそうで嬉しそうだから、ついつい私もにこにこしてしまう。
「ふふ、うちの子達は本当に可愛いな~。私は幸せ者だね」
『ぼくも幸せくま!』
『私もだぴょん!』
『ハル、森の中通るくま?』
「えっ?! でもそれだとひぃろ大変じゃない?」
『全然大丈夫くま。素材を採取しながら行かないくま?』
「わぁ、それは助かる。あ、でもブレストの街の方向は分かるの?」
『大丈夫くま。方向が分かるから問題ないくま』
「じゃぁお願いするね」
私も素材とお料理材料の鑑定を発動させて、森の中へ向かっていく。ただ道を進むより、やっぱり森の中で採取しながらは楽しい。ひぃろとベリーもぽよんぽよん楽しそうに跳ねて行く。
薬草類もちょこちょこ採取出来たけど、麻痺回復草は見つからなかった。治癒草とか中級ポーションの材料はやっぱりなかなか見つからない。
そろそろ日が高くなってきたから、お昼にしようかな。
「ひぃろ、そろそろお昼にしようか。一旦道に出た方が良いかな?」
『この先に広場があるみたいだから、そこで食べようくま』
『お腹すいたぴょん』
先に進むと池があった。池の周りが広くなっていたのでそこでお昼休憩にした。
今日のお昼は串肉サンドにした。二人には3個出してあげて、私は1個にした。今日は沢山歩いたので水出しアイスティーを出してあげた。レモンとお砂糖も入れておいたので、ほんのりした甘さでレモンのさっぱりが美味しい。
『ハル、そんなに少ないぴょん? 大丈夫ぴょん?』
「ん? 私には1個でも十分お腹いっぱいだから大丈夫だよ。ありがとうね」
『今日もおいしいくま』
「うん、沢山歩いた後のご飯は更に美味しいね」
『このアイスティーも美味しいぴょん! ほんのり甘酸っぱくてこれ好きだぴょん』
「よかった。今日は沢山歩いたからね。それに景色も良いものね」
みんなが食べ終わってからクッキーも少し出した。アイスティーと一緒に食べたくなったのだ。
「ん~、クッキーとアイスティーの相性も抜群だね」
『クッキーの味が引き立つアイスティーすごいぴょん!』
『うん、どっちもおいしいのくま』
ベリーは本当に紅茶が好きだな。また美味しい紅茶も入れてあげよう。
「お夕飯の時には何か作るね。ウルフのお肉とかあるしね」
『やったくまー。ハルのご飯好きくま』
『私食べたことないぴょん』
ちょっとしょんぼりしたベリーをなでなでする。
「今日のお夕飯で一緒に食べようね」
『ぴょん!』
お昼ご飯も食べた事だし、出発しよう。ブレストには2日で着く予定だ。採取しているから2日で着くか分からないけれど、楽しく進もう。
読んで頂き、ありがとうございます
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明日はブレストへ向かう森の中の採取で大興奮します
楽しく読んで頂けたら嬉しいです




