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コドクトリップ  作者: 上野羽美
ダムカード制覇、秩父4ダム
32/35

「秩父のダムカードを制覇しなくてもいいや!in滝沢ダム」

 国道140号線を奥秩父方面へ向かっていくと途中で二つに分かれる。


 三峰神社、栃本方面への分岐と、甲府、中津川方面への分岐である。


 前者へ進むと二瀬ダム。後者は滝沢ダムに行ける。所要時間は大して変わらないので好きに進もう。


 まずは滝沢ダムへ。


挿絵(By みてみん)


 五分程山道を走るといきなりループ橋が視界に飛び込んでくる。その名を雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)という。


 あまり見かけないこの橋、主に山間部など、急勾配が発生する土地に架けられ、往来する者の負担を軽減する橋である。と書こうと思ったけど高速道路とかのICとかと同じだ。都市部でもそこそこ見かける。


 しかしやはり広大で深い山間部に突如として巨大建造物が現れるというのは一種のロマンを感じないか。都市部にはない煌めきを感じないだろうか。


 そしてその向こうに壁のように行手を阻むのが(阻んではいない)滝沢ダムである。


 滝沢ダムは浦山ダムと同じ重力式コンクリートダムであり、堤高は132メートルと浦山ダムの高さには及ばないものの、堤頂長は432メートルと浦山ダムの372メートルよりも結構大きいので別の迫力がある。


挿絵(By みてみん)


 ダム湖は奥秩父もみじ湖。中津川水系なので紅葉の名所である中津川峡谷の紅葉を連想しているのだろう。台風来なかったら今年は行ってみよう。


 奥秩父なのでかなり山の中だ。この日は久々に暑い一日だったが、さすがに少しばかり涼しいように思う。感覚の問題だ。標高は言うほどないので大した期待はしないほうがいい。


挿絵(By みてみん)


 ダム堤体から減水工を望む。真夏の新緑が目に優しい。最近車運転するとすごい目が疲れる。睡眠不足気味だし、もう近い近いと思いながら片道2時間半運転してんだから当然と言っちゃ当然なのだが。


 ちなみにこちらもエレベーターを使ってダム内に入れる。相変わらずの14度。真の避暑地はここにある。


 浦山ダム同様階段でダムの下に行くことも可能だが、浦山ダムと違ってエレベーターで下がった先にも階段があるというのは頭に留めておきたい。


挿絵(By みてみん)


 この階段、結構急で段差も多い。膝が良くない痛みを放っていた。あっ、変な風に加工しちゃったけどこんな怖くはないです。コドトリ用に撮らずに「うわ!超エモい!」とか言いながら撮ったものである。完全なる趣味である。


 ダム下部へ到着。


挿絵(By みてみん)


 やはりダムは下から見上げるのが良い。リアル進撃の巨人だ。山間部のV字谷に聳えるコンクリートの壁は要塞と見間違えることはないけれども、巨人くらいどうにかしてくれそうな感じがある。


 減水工は浦山ダムのものより大きい。が、水の濁りようがすごい。ダム湖も水色というより、抹茶色だ。プランクトンすごそう。


 洪水吐は通常洪水吐が二つ。非常用洪水吐は三つと浦山ダムより一つづつ多い。都内まで流れていく荒川の流れを支えている重要なダムということは間違いない。


 あの台風の後、さいたま市にある治水橋付近の荒川の様子がネットに上がっていた。土手は水面ギリギリであと少し水量が多かったのなら確実に決壊していた。


 職場がそう遠くないので大惨事になっていたことだろう。このダムがなかったら、というのをやはり考えてしまう。


 それについて考えてしまうともう一つ現れるのが環境問題の話だ。


 二瀬ダム、滝沢ダムは秩父多摩甲斐国立公園の敷地内にある。国立公園はもちろん道路の建設などには十分な環境への配慮が必要だ。


 滝沢ダムもまた建設の際には十分な配慮をしてきた。


 奥秩父には希少種であるクマタカ、オオタカが住んでいる。


 ダム建設の際にはまずは周辺区域の調査を行い、これら猛禽類の繁殖時期には工事を中断、もちろん常に防音に配慮を重ねてきた。


 また森林の伐採にも可能な限り伐採を縮小化、緑化運動にも力を注いでいる。


 うん、これならおっけーね。


 だがもう一つ重要な問題があることを忘れてはならない。それがダムの建設の際の住居立ち退き問題であろう。


 こういうのはまとめでやるべきだとは思うのだが、そうもいかない。

 何故なら滝沢ダムは浦山ダムよりも早くに計画が立案されたにもかかわらず、着工までは23年間の年月を費やしたのだ。これは全国的に見ても長い期間である。


 この場所には先に紹介した雷電廿六木橋の名前の由来になった廿六木集落、滝の沢、浜平、塩沢集落から合計112戸が移転。もちろんその件数の多さに補償交渉が難航した。


 もちろん山深い場所にあったこれらの集落。ただの田舎とは違い、生活様式も文化も伝統も独自のもので成り立っている。


 浦山ダムも例外でなく、寄国土集落がダム底に沈んでいる。あのおっかない寄国土トンネルは寄国土集落に古くから伝わっていた獅子舞という伝統芸能をトンネルという形で残したに過ぎない。そうした背景からなんとなく怖い寄国土トンネルも過去からの切ない遺物に思えてこないだろうか。


 そう思うと、ダム建設による集落の移転は単なる住居の移転でなく、その土地に根差していた文化や伝統の消失といった側面もあるのだ。


 環境問題とは違い、こればかりはどうにもならない。失ったものはもう二度と戻らないのだ。


 日本は確実に都市>>>>>集落という構図が出来上がっている。経済や人口のことを考えると致し方ない部分ではあるが、だからといって集落の伝統を疎かにしていいということもない。


 かといってダムという生活の主たる水を管理するものが無ければ都市部では毎年台風で多くの死者が出ることは明白だ。


 その繊細なシーソーをうまく傾けることは難しい。シーソーは天秤ではない。水平ではいられないのだ。


 だからこそ、忘れずに後世に伝えることが重要なのだと思う。


 ダム底に沈んだ場所に何があったのかを記されている書物は必ずある。おそらくダムの近くには資料館もあることだろう。

 そうした場所を訪れて、今は水の底にたゆたう過去に想いを馳せるのもダムを訪れる理由にはならないだろうか。


 ……あれ、これもう総評みたいになってきたな。

 後々困ることになりそうだが、また次回。

こんなところに書くのもなんですが、近況報告をば。


……もう夏だね。気づいたら全然書いてなかった。


コロナのせいといえばコロナのせいだ。なん山に関してももはや始めづらくなるくらいの間が空いてる。


予定では雪解けしてから山じゃ山じゃと色んな山と減った体力とを睨めっこしてた。結果はご覧の有り様である。


実は久々の更新となったコドクトリップもいくつかストックがある。それは去年行ったけど、なんかネタにもならないから記事にしなかったお散歩をコロナでどこにも行けないからどうにか記事にしようとしたやつ。


結果はこれまたご覧の有り様である。


とりあえず今回の初めに書いたように、外出してみるか的なノリでまた歩き始めました。そんな感じで始めたのがダム巡りとかいう地味すぎる企画でゴメンよ。


こうして今しどろもどろになって言い訳してる理由としては、なんか感想頂いてて、読んで、ギクっとなって、この記事も何日か前には出来てたのに投稿してなかったのを急遽投稿ボタン押しました。


いまいち見られてる実感湧かないのでこんな調子です。ごめんね。


えーと、明後日、ちょっとした企画のために動きます。んでその企画の副産物がたぶんこっちに上がると思います。あくまで「副産物」です。メインは別にある。キーワードはRTAだ。


あ、ダムシリーズはお気楽なのですぐ終わりそうです。まだ行ってないけど。


では次回。

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