夕闇
即席です。 落ち着くまでは週二階になりそうです。
とある学校の裏山に男女の陰が...... そこにあるのは思春期特有の甘酸っぱい雰囲気ではない。男子の方はかなり緊張しているようだが対する女子の方はひどくウンザリしてそうな面持ちだ。夕日が幻想的に揺蕩う中で口を開くのは男の方。
「好きです!付き合ってくだ__」
「死ね」
「ご、ごめんなさい......」
今日で65回めの告白。正直うんざりする。 貼り付けた笑顔の底に下卑たる欲望が渦巻いてるのが見て取れる。そんな奴ばっかりが毎日のように告白してくる。 毎回下駄箱の中の紙クズを処分する私の身にもなって欲しい。あの方に見て欲しくて綺麗になった自分。だがこの高校にそれを見てくれるあの御方はいない。私を性的な目で見る猿以下の虫ばっかり。 自身の世界を黄金に染め上げるかのような輝きを失っている。 こう言ったときはあのお方の写真を舐め回すことで気を取りなおす事ができるのだが最近はそれでも足りないくらいに枯渇している。
(__ずっと探してるのに見付からない。まさか県外?アイツなら絶対になんか知ってそうだ......)
アイツというのはこの学園で女神と評される存在。 入学早々にファンクラブまで出来上がり常に取り巻きという衣を着飾り威張っているいけ好かない女__ソフィーア・アロディタ。奴は我らが影の盟約を破り抜け駆けをしようとした裏切り者。告白は失敗には終わったもののの仮に成功でもしたら正直八つ裂きににするつもりだった。そして彼女も血眼であのお方を探してるのだが最近は目に生気が宿り何処か余裕そう。前までは憔悴していたのに水を得た魚のように活き活きとしていた。 つまるところ彼女は得たのだ。その水を__
(絶対になんらかしらの手がかりを知っている。隠しても無駄。お前の変貌は目に見え過ぎている)
どうせ直接言ったってお前は答えないだろう。恐らくは先週の休日にあのお方と接触をしたに違いない。
__どんな手を使ってでも聞き出してやる。




