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330.使徒墳墓教会3

安全地帯まで戻ると一息つく。

結界の銅板の動作を確認する、問題は無い。

薄汚れた椅子に座り、魔力が回復するまで待つ。

椅子がきしむ。

GUIには

”ミノタウロス   ×7”

”ミノタウロス(黒)  ”

”鉄のメイス      ”

どうやら、黒ミノ太に名前は無い様子だ。

個体差なのか不明だが、実力はミノ太より上位種だと考えた方が良いだろう。

コレから色違いでミノ太の麩レンズが出てくるので有ろう。

赤いと三割うまいかも知れない。


魔力回復が終わる、外だと昼飯時であろう。

このダンジョンは時間の流れが速い。

ドコへ行くか…。


ポーンを操作した。

付いたのはあの、邪教の教会だ。

ばいんばいんのシスターが居るかも知れない。

クリーンの魔法を掛け、身形を整える。

「よっし。」

大きな門のドアーノブリングをノックする。

響く音。

「どうぞ、中へ。」

男の声だ。

あの因業司祭だ、未だ死んでないのか。

残念だ早く死なないかな…。

教会の中に入ると祭壇の前にあの司祭が居るだけだった。

「おや、貴方は何時ぞやの…。」

周りを見渡す。

やはりバインバインのムッチリシスターは居ない。

「おお、先日の学生さんでしたかな?」

綻ぶ顔の司祭。

寄進の壷をチラ見したのは見逃さなかった。

「あ、ああ、その件だが、今は、遊び人のキムさんと呼んでくれ。」

「あそびにんのきむさん?」

「そうだ。遊び人のキムさんだ。」

首を傾げる司祭に捻じ込む。

ココは重要な所だ。

学園に居るはずの俺が(オットー)がココに居ると知られると面倒だ。

「はあ、判りました。それでは、その”あそびにんのキムさん”は何故ココに?」

「ああ済まんな、又、指輪の件で来た。それから…。」

周りを見渡しシスターを探す。

「申し訳ありません、子供達は今、町で手伝いに出ています。」

いや、ソッチではなくシスターを。

「そうなのか?」

「はい、皆様の善意で運営しておりますが、働かないと食べることは出来ません。子供たちにもできる軽い仕事を紹介してもらい、色々と生活に必要な物を分けてもらっています。」

寄進の壷をガン見する司祭。

「そうか…。」

顎に手を当て考える。

シスターは未だ居ないのか…。帰るか。

「先日の寄進は真にありがとうございました。教会関係者を含め御礼申し上げます。」

深々と頭を下げる司祭、流し目で寄進の壷を見ている。

「そうか、しかし流石にもう何も無い。」

「そうですか…。子供達は”お肉の人”と呼んで再来を待ち望んでいます。」

嫌な名づけだな…。”ハムの人”見たいじゃないか?

「いや、流石に食用に耐えられる魔物は持っていない。」

「そうですか…。残念です。この町の子供達は皆痩せております。この前の寄進物は皆に分けてしまいました。」

本当に残念そうな顔で寄進の壷を眺める司祭。

「相変わらず食料は高いのか?」

「はい、町の住民も困っています。その様な状況なので…。」

だから寄進の壷をイチイチ見るな!!

「喰える魔物か…。」

今、有るのは新鮮なミノ太しかない。

肉の焼ける匂いからビーフであろう。

しかし、人型だ。

「何でも宜しいのですよ?」

あ、勝ち誇った顔に成った司祭。

「有るには有るが。喰えるかどうか判らん。」

「ご安心下さい、私、肉屋の6男でした。食べれる肉に付いては、か、な、り、詳しいです。」

「ソコまで言うのなら条件を付けて渡そう。」

「はい、どうぞ」

祭壇の上を示す司祭。

まあ良い、この司祭をビビらそう。

石の祭壇の上に黒ミノ太と牛の首を置く。

おう、まるで手術台の上の様な絵面だ。

「こ、コレは!!」

「そうだ、ミノタウロスの上位種だ。コレの革と魔石が欲しい。それ以外は…。まあ、食える肉なら程々は貰い受けたいな。」

「す、すす、すばらしい!!」

興奮する司祭。

ちょっとドン引き。

「そ、そうか。」

「ミノタウロスは冥府の王の配下として有名です!!」

「む?禁忌か?狩ってはダメなのか?」

「いえ、この世のミノタウロスの魂を冥府の王の元に送ればポイントが高いです!」

「ポ。ポイント。」

「はい、冥府ポイントです。この世での善行の現れです。シスターは千ポイント司祭は一万ポイントからに成っています。」

おい、嫌なポイントだな。

地味に嫌な数字だ。

「私も嘗て…。厳しい修行の中に…。だがコレほどのミノタウロスが未だ存在していたとは…。」

コイツ、一万ポイント溜めたのか?

あ、近づくの止めよ。

二歩下がる。

「遊び人のキムさん!!宜しいのですか?頂いて。」

「いや、皮と魔石は貰いたい。で、喰えるのか?」

「はい、もう。嘗て修行中の身で一度だけ食べた事が有ります。多くの冥府の使徒を食い殺したミノタウロス。倒した後に皆で肉を分け合い散って行った仲間達を想い食べたのです。ああ。あの味、今では…。」

無駄に饒舌になる司祭、キモイな…。

「そうか、しかし。随分と量があるだろう。喰いきれるのか?」

「ミノタウロスを捧げた後は、皆で感謝して肉を分け合います。が…。そうですね。残りは干し肉に加工するのですが…。」

「何か問題が有るのか?」

「この町では塩は貴重なのです。血肉を無駄にするのは恥かしい事です。」

司祭は初めて見せる沈痛の面持ちで…。おい、寄進の壷見るの止めろ。

「岩塩が有るが条件がある。呑むなら進ぜよう。」

「ありがとうございます!!」

一瞬で満面の笑みに変る司祭。

(´・ω・`)次回 微グロ注意。

(#◎皿◎´)ビグロ…。トクワン大尉でも出てくるのか?

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