表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
268/400

251.手綱3

帰りに広場で必要な食料と物資を購入した。金貨3枚ほどだ…。

銭が減る。イカンな…。焦っては。

貧すれば鈍するのだ。

貴族は精神的余裕を周りの者に示さなければならない。

馬車がエンリケの店に着くと

途端に忙しくなる。

ベスタが馬車から馬を外し馬房に入れ水と飼葉を用意している。

流石元騎兵、馬の世話は完璧の様子だ。

俺は旅の道具の積み込みだ。

毛布人数分と簡易テント。

ランタン。

水桶。

馬用の水桶。

収納していた食料の一部も搭載した。

市場で買ったモノは乾物が主だが。

珍しい干し果物が売っていたので買った。

デーツ(ナツメヤシ)の様なモノで甘い。南方の果物らしい。

少々高かったが大袋に二つ購入してしまった。

甘い物に目が無いなら高くは売れなくても袖の下の代わりにはなる。

レンズ豆とひよこ豆(の様な物)も有る。

丸麦をそれぞれ大袋一つづつ購入した。(精麦済みの麦。)

正直。コレを煮るのには時間が掛る。

出来るのは豆のシチューと麦の粥だ。

豆も麦も煮込むのに時間が掛る。

何故か簡単に食べられる押し麦やはったい粉が無かった。

非常食や携帯食の発想が無いらしい。

困ったな。

収納魔法が無いと日持ちする。生タマネギとキャベツの酢漬けしか野菜が無い。

まさか皆コレを食べているのか?

栄養が偏るので梨を出すか…。

干し肉は在庫が在るが非常食だ。

早めに何か獲物を取ろう。

鹿一匹あれば十分だろう。

しかし、鹿を取ると所有者(領主)がうるさい。

そうなると我が邦国で鹿を狩るしかない。

鹿の出る(ポップ)ポイントは解かっている。

明日はソコに向かおう。

チェック表にしたがって積む物を確認すると…。

時間が掛ってしまった。

「あの、オットー様。今日は…。」

妖しく微笑む未亡人。

「そうだな…。」

考える。困った、マイト先輩の店でポーションとインクを購入しなければ…。

「少々、用事がある…。」

「そうですか…。」

しぼむ未亡人、いやいや。

「いや、注文の品を取りに行くだけだが…。時間に余裕が…。」

「オットー様馬の方は片付きました…。」

ベスタと娘が戻ってきた。

「ああ、すまんがベスタはこのまま店に逗留して明日の朝日の出と共に準備を始めて馬車で学園に来てくれ。そのまま出発だ、良いな娘。」

「了解しました。」

「はい、解かりました。」

パタパタブランも集った。

「ご主人、何かお仕事ですか?」

「うん、旅に出るが…。その前に片付けて置かないと行けない事が有る…。注文の商品の受け取りだ。」

「それなら大丈夫です、オボコが行きます。」

「え?なんで!?」

驚く娘。

「そうですわね。トリーニア。オットー様のお使い頼めるかしら?」

「え?お母さんまで?」

「私は馬の番があります。」

断るベスタ…。

全ての女達の目が娘に集る。

「わ、解かりました。行ってきます…。」

渋々了承する娘。

「うむ、では金を渡そう、冒険者ギルドの近くの魔法使いの店だ。俺の名を出せば何時もの注文ポーションと完成していたらインク二種類が有るかも知れない。」

金貨3枚を娘にわたす。

「あ、はい、解かります。」

銭を受け取る娘。

「若い男が店員の時はインクを受け取ったら同じものを追加注文をしてくれ。先払いだ。それと…。店の者に”次は来週一杯は出かけているが戻り次第早々に取りに来ると。”伝えてくれ。」

「わかりました。では行ってきます。」

「いってらっしゃい。気を付けてトリーニア。日が落ちるまでに帰って来てね。」

「おぼこ。ゆっくりしていってね。」

「かたじけない。」

何だこの女達の一体感は?

「すまんな娘。」

「ええ、良いです。手早く済まして下さいね。」

タメ息を付き店を出る娘を見送る。

「さて、娘は出ました。」

「はい。ご主人。」

「あの、今日は早く休みたいのですが…。馬の番も在ります。」

女共がケダモノの目だ。

「むっ、そう言う事か?」

「はい。」

にっこり未亡人。

「ご主人」

無表情の狼娘。

「あ、あのオットー様。」

顔が赤いポンコツ騎士。

「さあ、こちらへ。」

しっとりした肌の指が俺の手に絡みつく。

「ご主人、種付けです。」

自然に微笑むブラン。(パタパタ)

泣く泣く嘶く馬がうるさかった。

(´・ω・`)ヒヒーン!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ