210.申請書
さて、昼飯には未だ早い。
しかし。行くところが無い。
授業に出るか…。
その前に購買に顔を出す。
未だ申請を行なうほど書類記載用件を満たしていない。
だが偵察だ。
購買部は客が誰も居ないのでメガネ店員が暇そうだ。
壁の学園新聞をチェックする。
”学園内で幽霊騒ぎ。近衛兵団壊滅。噂の幽霊にせまる。”
”学園内部に秘密結社?女子に人気。カチューシャ集団とは?”
”某貴族が決闘!どっちが勝つ?負けないオッズの読み方。”
”ロイヤル・イン・アカデミア。今更聞けないやんごとない人との接し方。”
特に有用な情報は無い。
売店では何も目新しい物は売っていない。
仕方がないので課外授業の書類を受け取る。
「あの、企画される方は、事前の募集掲示をお願いします。」
「募集?」
「はい、未だ単位を取っていない生徒への救済をお願いします。」
頭を下げるめがね店員。
なるほど生徒への救済策か…。
「解かった、計画が立ち次第掲示を行なう。」
「いえ、ソレですと間に合わないので。計画中でも掲示をお願いします。」
「未だ何も決って無いぞ?」
「いえ、その状態でよろしいです。」
「そ、そうか?ではこんな感じだ。」
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参加者の募集(課外授業の予定)
対象、課外授業の単位の無い者。(若干名)
出発:未定
予定:7日~12日程度。
行き先:未定。出発;学園(予定)
馬車&冒険者、手配中。
企画:基本魔法科オットー・フォン・ハイデッカー
条件:自己責任(非常に危険な旅になります)
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「はい、問題ありません。」
「では、掲示しておいてくれ。」
さて、コレで本格的に動き出してしまった。
未だ時間が在るが教室に向かう。
教室に入ると一瞬で静かになる。
まあよい、何時ものロビンの横に腰を下ろす。
さて…。
授業内容は何なのか?
神話の話だ。
魔法は神が与えるものなので”沢山いる神様達に感謝を”的な話になっている。
なるほど…。(つまらん。)
教授が怒るので顔には出さない。
帝国は一神教なのでその理論だと魔法が使えないハズだ。
未だ見たこと無いが、帝国の魔法使いは問題なく使っている。
帝国から輸入した魔法も在るようすだ。
意外と神は存在してい無いのかもしれない。
神の証明か…。難しいな…。
悪魔の証明ならできるのだが…。
教授が退出して教室の皆が席を立ち始める。
タメ息と椅子が動く音が教室内に広がる。
さて…。下っ端トリオは確保済みだ。
ミソッカス共を探す。
「オットー、食事に行こう。」
「ああ、そうだな。」
教室から揃って食堂に向かう。
「今日はマルカは別の用事が在る為、不参加だ。」
「そうか…。では。」
ジョンが気を使うが先に征する。
「ああ、ベスタは居るから大丈夫だ。」
食堂前でベスタと合流する。
サンピンを働かせるが迷うが。
ベスタに託す。
「食券を確保せよ!!」
「了解しました!ご主人様!」
何故か帝国式で返すくっコロ騎士。
目立つから止めろよ…。と心に思うが口に出すほど勇気は無い。
そのまま見送る。
まあ、奴隷でも腰に剣を下げているので文句言うヤツは居ないだろう。
奴隷は家の資産なので、危害を加えると。
所有者がキレてもよい。
ソレはもう、戦争上等の状態のほうが相手に解かり易い。
俺の決闘はどうなるんだ?
町の噂は全部あのドコかの貴族の決闘に持っていかれているらしい。
まあ騒ぎが大きくならないコトは良いコトだ。
誰も幸せにならない。
俺の女は幸せにしなければ…。
特に問題も無く食事が終わった。
サンピントリオはまるで死刑執行前の最後の晩餐の様な表情だ。
ミソッカス共の情報は大した事が無い。
フラグ仕事しろ!!




