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108.狼と香草

日が差し込み眩しさで目が覚める。

麦藁のベッドは意外に心地よい。

草原の夜は意外に冷える。

傍に暖かい身を寄せ合う肉が有れば最高だ。

「ご主人、目が覚めましたか?」

全裸の首輪少女が俺と毛布を挟んでマウンティングしている。

感触を意識したのでビンビンに起きている。

「おう、目が覚めた。何故?そうなった?」

村人たちが結託して俺をからかっている、そんな考えが一瞬過ぎる。

「はい、もし人と旅をする時は人に化けろと言われています。」

誰に!!

「そうか、今まで人に付いて行った狼が居るのか?」

「はい、多いです。」

見覚えのある首輪をした背中まで伸びた銀髪。犬耳少女は尻尾付きの細身。華奢な15、6の少女に見える。

ナカナカの膨らみだ。

毛並みも白銀色でつややかだ。

ソレより肌色が…。

俺の何かが爆発しそうだ。

危なかった。ロップイヤーだったら確実に襲い掛かっていた…。

「門で待っていろと言っただろう。」

「でも、ご主人の寒いと言う声が聞こえました。」

「そうか…。耳が良いな。」

「はい!!」

尻尾をパタパタ振る全裸の獣人。(装備:首輪)

俺の中の何かが崩れた。

森の中で笑顔で狼と狩りをする”お肉天国”の理想が。

森の中を全裸の首輪少女と歩く”爛れたお肉天国”の構図に置き変わったのだ…。

最早、犯罪だ…。

俺の夢が…。理想が…。

「どうかしましたか?ご主人?」

「いや、理想と現実の狭間の葛藤がな…。」

思わず眉間を揉む。

首を傾げる犬耳全裸少女(装備:首輪)

「魔道士様、お食事が準備できました。起きておら…。」

絹を引き裂くようなウサギの鳴き声。

「ご主人、確かに美味そうな朝ごはんですね。」

「いや、アレも一応人の内だ。食べ物ではない。」

顔を真っ赤にしているうさみみっ娘に偉そうに頼む。

「おい、娘。この狼に合う服を一式用意してくれ。なに、対価は払う。」


ウサミミ娘の視線はまるで俺を汚物を見るような目になった。

なんでこうなった…。




村長家で朝食を頂いた少年は未だベッドで眠っている様子だが。

それ以外は食卓に揃っている。

ウサミミ家族に狼少女(装備:首輪、娘のお古の服)&俺だ。

ウサミミっ娘が俺を見る目が非常に冷たい。

朝食はウサギ肉とイモとカブのシチューに硬いパンだった。

うん。昨日と同じ味、昨晩の夕飯の残りだな。

カブが溶けて形が崩れている。

狼少女は慣れないスプーンと格闘して食事をしている。

「村長、少年の様態はどうだ?」

「はい。熱も下がり顔色も良くなり食欲も出てきました。今は未だ寝ています。」

「そうか、ソレは良かった。しばらくは肉を多めに食べさせろ。体が衰弱しているはずだ。」

まあ、チャクラを制御して抵抗力を上げている。

足を切った分だけ体重は減っているハズだが。

食べれば元に戻る。

「あの、このお礼は何とすれば良いのでしょうか?」

「ああ、気にするな忘れろ。ただし、この魔法を人に話すな、話した者と聞いた者は全て殺す。少年は娘が持って来たポーションで治ったのだ。」

「「「はい!」」」

うん、家族全員イイ返事だ。

「まあ、娘の服を貰ったのだ。対価だと思ってくれ。」

「あの、何時コチラを立ちますか?」

「そうだな。学校のコトもある。出来れば今日立ちたい。娘?良いか?」

「は、はい。大丈夫です。」

殺すと聞いた時点で汚物を見る目から殺戮者を見る目に変わったうさみみっ娘。

顔色が良くない。

「魔道士様。魔石の回収は進んでいます。昼前までにはお渡しできる状態になります。」

「そうか、ソレを持って帰ろう。では昼前に出発だ、娘、準備をしろ。王都に帰る。」

「はい!解かりました!!」

緊張して返事するうさみみっ娘。

空気読まない狼少女が俺に話しかける。

「ご主人、御代わりを。」

「はい、今お注ぎします。」

うさみみ母が鍋を持ってくる。

「御夫人、すまんな。」

「沢山在ります、食べて下さいね?」

「はい。」

もちろん俺もお替りした。


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