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107.受託

村の門を出ると

でかい狼が、不機嫌そうな目で俺を見る。

しかし、尻尾が地面を掃除しているのでソレほど不機嫌なのでは無いのかもしれない。

『遅いです、ご主人様』

「おお、すまんな、調達に手間取った。コレが首輪だ。」

スンスン匂いを嗅ぐ狼。

『イヤです、犬臭い。』

顔を背ける狼。

その姿に何かムカッとしたが顔に出さず、貰った中古の犬の首輪にクリーンの魔法を掛ける。

光る首輪。

「これならどうだ?綺麗にしたぞ。」

スンスン、スンスン匂いを嗅ぐ狼。

『未だちょっと…。犬臭いです。』

オイ!!デブに湿った犬の匂いがするとか言うな!!

キレ掛かるがグッと我慢する。

「で、ではこうしようでは無いか。この首輪に梨の汁を付けて匂い消しにしよう。」

収納から出した梨を首輪に擦り付ける。

柑橘系の果物が有れば良かったが梨しか無い。

苦肉の策だ。

梨の匂いをスンスン嗅ぐ狼。

『美味しそうですね。』

「ああ、何個か在るから食べろ。」

『はい頂きます。』

投げる梨を口でキャッチして咀嚼する狼。

コイツ雑食なのか?

「おい、お前らの手下でイキナリ凶暴になるヤツは居たか?」

『居ません。ただし北の眷属に感化した者はそうなりました。』

「北の眷属?」

『そうです余所者が支配する眷族です。光を怖がり水を越えられぬ者たちです。彼らに共感する者が何度も我が眷属に居ました、共感すると会話が通じないのです。』

おい、ヤバイな、この村人は狼の血に触れている。

感染してないよな?

「その、共感した者は見分けが付くのか?」

『はい付きます。匂いが違います。何時も興奮した状態になります。』

「ソレは死んでも解かるのか?」

『はい、血の匂いで解かります。』

「この周辺でその匂いは有るか?古い匂いでも良い。」

スンスンする狼。

『無いですね…。』

おう良かった。

俺はウサミミ男の娘に触れていた時間が長かったがこの狼の鼻が大丈夫だと言っている。

俺自身やウサミミ家族にクリーンを掛け捲ったが上手く行ったのかもしれない。

コレで狂犬病の脅威から脱したと思って良い。

しかし、北の眷属か…。

コレは危険すぎるな。

しかし、どうやって危険を知らせれば良いんだ?

「よし、解かった狼、コレは人間族のしきたりで人間の所有者が居るコトを示す作法だ、この首輪を受け入れろ。」

『はい、ご主人マスター。全ては御心のままに。』

よっしゃ!!犬ゲット!!(狼です。)



首輪を付けたが首周りを後ろ足で掻く狼。

「どうした?キツイのか?」

『いえ、ご主人。カユイだけです。』

「カユイ?」

試しにクリーンの魔法を狼に掛ける。

光と共に何かが地面に落ちて跳ねる。

確認せずに熱風で皆殺しにする。

落ち着け、俺。今までも鹿討ったら居ただろ?

「どうだ?もう痒くないだろ?」

『ハイすごいですご主人、何時もコレが痒くて。』

「そ、そうか、では念のため何度か掛ける、辛いかも知れんが耐えてくれ。」

『はい、ご主人』

駆逐してやる!!

綺麗になった狼。

もう昼も随分経っている。

うん、娘は未だ男の娘に付きっ切りだ。

恐らく熱が下がれば出発できる。

なるほど、ウサミミっ娘は王都から家族の為にポーションを運ぶのが目的だったのか。

まあ、間に合ったのでOKだ。

後はゆっくり王都に戻る…。歩いてか?

2、3日猟を楽しんで帰っても良いだろう。

しかし、狩り過ぎると所有者の許可が要る。

森は国王の持ち物だが、ココはどっかの貴族の領地らしい。

年に3回、代官が来ると村長が言っていた。

狼狩るなら文句言う貴族は居ないと思うが…。

食える動物はイチャモン付ける所有者ヤツが居るだろう。

「まあ、ウサギぐらいなら文句言うヤツは無いか…。」

何故かこの世界でもウサギは鳥扱いだ。

捕っても文句言うヤツはいない。

田舎の肉の代表だ、スグ増える上に増えると狼等の危険な捕食者がやって来るからな…

「よし、狼。日が落ちる前に帰るがウサギを狩りに行こう。」

『はい、御供します。ご主人。』



草原に御供の犬を連れてウキウキハンティングです。

『ご主人。風上にウサギが居ます。』

GUIに高速で迫る光点が…。

「ATフィールド!」(ベッシャ!!)

『ご主人。風上にゴブリンが居ます。』

「ウォーターボール!!」(蒸気弾の方)

『ご主人。風上にオークが居ます。』

「メガ粒子砲!!」

『ご主人、その魔法は何なんですか?』

「うん、攻撃魔法?」

『森まで届いてます。』

「ああ、障害物が無いとドコまでも飛ぶからな…。」

『何ソレこわい。』

「大丈夫だ、地表は丸いから他って置けば大気のチリで減衰するか、宇宙に飛び出すから。」

『ワケが解からないです。』

「コツは水平以下に撃つと面倒なコトに成るからやらない事だ。」

『えー。』

ドン引きする狼。

風に乗って肉の焦げた匂いが漂ってくる。

行ってみると腰みの付けたデブの下半身だけがあった。

ただし、墨だ。

上半身は消えて無くなった様だ。

「コレも、魔石を落とさんな…。」

『ご主人魔石とは?』

「オークやオーガが落とす石のコトだ。魔力を蓄えている。」

『ああ、心臓石のコトですか。』

「心臓石?」

『心臓の横に有る石です。小さい物でピカピカ光ります。趣味で集めている配下の者がいました。』

うん?魔石は落とすのではなく魔物の体内に在るのか?

それより、狼が趣味で集めるってどんな状況だよ。

オークの足の匂いをスンスン嗅ぐ狼。

『はぐれですね。』

「はぐれ?」

『単独で行動するオークです。』

「近くに群は無いのか?」

『恐らく。オークの肉は臭くて美味しいので我が眷属でも群を襲っていました。』

オークの装備は全て消し飛んでいる。

「そうか…。取る物も無さそうだ、次に行くか。」

『そうですね。』

そろそろ引き返すか。

日も傾いてきた、その前に確認してもらうか。

「おい、今回は俺は多くの狼を倒した。ソレはお前の家族かもしれないが。その中に北の眷属が混じっているかもしれない。確認して欲しい。」

『はい解かりました。』

「あまり気分のよい物では無いがな。」

収納の

”グレイウルフ ×322”

”シルバーウルフ ×29”

を全て並べて出す。

クラッと着たので低級ポーションを飲む。

『スゴイ数ですねご主人』

「ああ、人に狼の見分けが付かない。コレは嘗てのお前の家族か眷属かもしれない。」

『問題ないですご主人。私はもう、群から出ました。』

え?そうなの?

随分とあっさりしてるな。

匂いを嗅ぎながら判別していく狼。

やはり初期の町を出てスグに収納した物に北の眷属が多いらしい。

触れずに収納していく。

全てを確認が終わると。

”グレイウルフ  ×154”

になった。

壊滅した村を襲ったのは北の眷属なのか?

収納せずに棄てた物もある、又、遠距離魔法で倒した狼は戦果を確認していない。

離れた場所で山積みにして取り出し。

ファイヤーボールで火を付け魔力で熱を回転させながら上に送る。

後は自然に可燃物が無くなるまで高温で燃え続ける。


”グレイウルフ ×168”

”シルバーウルフ ×29”


全てを収納して燃え尽きるのを待つ。

骨まで燃え尽きた狼の灰の中に96個の魔石を見つけた。

やったね翔ちゃん初魔石ゲットだよ!!

小さい物が多いが大きさはまちまちだ。

クリーンの魔法をかけて全て灰の中から収納する。

正直、触りたくありません。

”魔石(小)   ×96”

なんだ?大きさ関係なく全部(小)扱い?

まあ、良いだろう。

コレで魔法が広がるぜ。

日が水平線に付きそうなのでポーンで村に帰った。

村の入り口だ。

プライドの問題も在るので。

狼にトビウサギを一羽。

尻尾を振る狼の頭を撫でて村の門を潜る。


「少年?の状態はどうだ?」

門を潜ると村長がいた。

「熱も引きました。明日には治るでしょう。」

「大事を取って明日は安静にしろ、肉が足りないはずだ。皆で食べろ。」

村長に5羽渡した。

「ありがとうございます。」

「まあ、こういうものは分け合うのが猟師の基本だ。」

「あの、冒険者さまは魔法使いですよね…?」

「ああ、そうだ、だが昔、猟師に弟子入りしていた。」

「はあ?」

「今夜の状態を見て帰る計画を立てる。問題なければ明日にも出発したい。」

「解かりました。」

一泊三日の冒険だった。帰るのはポーンで王都の冒険者ギルドの前で良いだろう。

正直、辛抱タマラン。

この三日間チャクラを連続して使いすぎた。

玉が爆発しそうだ。

ウサギのケツを見ても爆発しそうだ。

リア獣爆発しろ。


夕飯はウサギ肉とイモとカブのシチューに硬いパンだった。

うん。味付けは香草のみだ。

共食…。いや、止めておこう。


弟狼(^゜Д゜^)<ヒッ!森まで飛んできた!!ニンゲン怒ってる!

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― 新着の感想 ―
[一言] あとがきの弟狼くん見てると、そのうちストレスでちんじゃうんじゃないかと思えてくる()
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